杉坂ブラザーズ
兄・友大郎さん(左)と弟・渓亮さん(右)。兄弟ともにプロフライフィッシャーとして活躍する釣り業界の逸材。地元、愛知県岡崎市のフライフィッシング専門店「WORLD WIDE ANGLERS」にてオリジナルブランドなどを企画。独自の釣りスタイルだけでなくファッションセンスも注目を集めている。YouTubeチャンネルや管理釣り場「岡崎トラウトポンド」を運営するなど、釣りの文化や楽しさを広めるためマルチに活躍。父、杉坂研治さんもプロのフライフィッシャーとして活躍する釣り家族。
兄・友大郎さん(左)と弟・渓亮さん(右)。兄弟ともにプロフライフィッシャーとして活躍する釣り業界の逸材。地元、愛知県岡崎市のフライフィッシング専門店「WORLD WIDE ANGLERS」にてオリジナルブランドなどを企画。独自の釣りスタイルだけでなくファッションセンスも注目を集めている。YouTubeチャンネルや管理釣り場「岡崎トラウトポンド」を運営するなど、釣りの文化や楽しさを広めるためマルチに活躍。父、杉坂研治さんもプロのフライフィッシャーとして活躍する釣り家族。
左が友大郎さん。右が渓亮さん。3つ歳が離れているそう。
まずさ、僕らのことを知らない人も多いと思うから、自己紹介しようか。
僕らは、兄弟でフライフィッシングのプロとして活動している「杉坂ブラザーズ」です。兄の杉坂友大郎です。
僕が弟の杉坂渓亮です。
二人で、フライフィッシングの楽しさとか釣りのテクニックを広める活動をしています。
本当の兄弟です(笑)。
それ以外にも、フライフィッシングの専門店をやったりとか、管理釣り場や養魚場を運営したり。
釣りにまつわる全てのことをもうやってる感じになっちゃったね。
最近は、食品までやっちゃってるじゃない。
たしかに。「トラウトビール」っていうビールを作ったり、「リバーサイドコーヒー」っていうコーヒーを作ったり、そんなこともしてるよね。
それらの売り上げを使って、釣り場を作る活動への寄付になるようにもつなげていて。基本的には、フライフィッシングを軸に生活している兄弟なんです。
そうそう。フライフィッシングをもっと広めたいっていう想いから始まって。前にDoliveの妄想ハウスにも出させてもらったよね。
いまさらだけど、そもそも読んでくれてる人の中にはフライフィッシングって何? って人もいるかも。
それは、説明しなきゃ(笑)。ざっくり言うと、イギリス発祥の、貴族の遊びみたいなものがルーツかな。
そうそう。鳥の羽とかを使って毛鉤(けばり)を作って、その毛鉤でサーモンやマスを釣るスタイル。大航海時代にアメリカに伝わって、カジュアルな釣りとして発展して、それが日本にも伝わった。
日本には、今の70〜80代くらいの人たちがフライフィッシングを持ち込んだ感じだよね。
そう思うとさ、意外に歴史って浅いんだよね。日本の。
フライフィッシング自体の歴史は1800年代とかまで遡れるけど、日本ではここ数十年って感じかな。
そんな環境で育ったから、自然とアメリカへの憧れが強くなっていった。渓亮は、高校卒業してすぐアメリカ行ったよね?
うん。親が行かせてくれるって言ってくれて、高校卒業後すぐにアメリカに留学した。そのあとにお兄ちゃんが来て。
俺は大学でアメフトやってたんだけど、就職を前に「やっぱアメリカ行きたい!」ってなって、結局就職せずにアメリカに渡ったんだ。
あの時はさ、あまりにも知識がなくて、アメリカの中で時差があることすら知らなかったんだ。デンバーの空港で飛行機のトランジットに失敗して、1日遅れて着いちゃったんだよね(笑)。
覚えてるもん、それ(笑)。お兄ちゃんから電話かかってきたよ。飛行機に乗り遅れたけどどうすればいい? みたいな感じで。
そんなこと言われてもだったよね(笑)。 でも、それくらい昔からアメリカにはすごい憧れがあって。結局未だにさ、そのノリって変わんないじゃん?
全然変わらないね。フライフィッシングをやるなんて当時は思ってなかったけど、 結局フライフィッシングもアメリカで発達した文化なんだよね。
父親がスーパーを営みながら、フライフィッシャーでもあったじゃん。アメリカで生活をしている時、渓亮はフライラインを作ったりとか、製品を作ってたんだよね。
父から電話があって、『こういうフライラインを作りたいから』って言われて。ちょうど僕がいたアイダホの隣町にボイジーという場所があって、そこに工場があったんだよ。そこに問い合わせをしたり。そこぐらいから、自然と関わるようになっていった。
あの時はまさかフライフィッシングを本格的にやるとは思ってなかった。でも、始めてみたら楽しくて。覚えるまではちょっと大変だったけど、どんどんハマっていったよね。
俺は大学卒業して、お父さんから「帰ってこい」って言われたんだ。 まだ就活してないのにって思って家に帰ってきたら、いきなり北海道に連れて行かれて、フライフィッシングをすることに。
よくできたね。それでね(笑)。
そもそもフライフィッシングを始めるっていうのには専門店がないと、なかなか始めづらいっていう状況もあって。自分たちのお店「ワールドワイドアングラーズ」を去年の12月にオープンさせたんだよね。
前はビルの2階にある店舗で営業してたんだけど、ちょっと入りづらかったよね(笑)。
入り口も見えなかったし、正直ちょっと怪しい雰囲気があったかな。
理想とはちょっと違ったんだよね。「フライフィッシングっぽくないじゃん」ということで、新しく土地を買って、建てたのがこのお店「WORLD WIDE ANGLERS」。
めちゃめちゃ、いいよね。まずさ、怪しくないじゃん(笑)。
そうだね、明るいし(笑)。
駐車場もあるし、車から降りてお店を見た瞬間、「あ、モンタナやアイダホの雰囲気だ」って感じてもらえるようなデザインにしてるんだ。
そうそう。アイダホのフライショップって、カバードポーチがあったり、横板のラップサイディングがあったり。ちょっとウエスタンで、いい雰囲気なんだよね。
そうだね。西部劇に出てくるような建物のイメージで。扉に窓があって、左右に四角い窓がついてる。そんな外観をすごく意識して作った。
そうそう。左右対称になっていて、カバードポーチがあって、そのポーチには大体ベンチが置いてあるんだよね。そこで人がコーヒーを飲んでたり、タバコを吸ってたりする。そんな空気感を目指したよね。
外観にはすごいこだわったよね。ぱっと見の見た目って大事じゃん。それでイメージってバーンと決まるからさ。
やっぱりフライフィッシングのメッカであるアイダホとかモンタナみたいな雰囲気を真似したんだよね。それを思う存分再現した感じかな。
前にやらせてもらった妄想ハウスで作った家、そのままだよね。ウッドデッキがあって、アメリカンクラシック。まさにヘンリーズフォークのアイダホの川の横にあるような家。
そうそう。この妄想ハウスの時はさ、もう妄想しすぎて莫大な土地が必要だったよね(笑)。
現実的じゃなかったけど、今回の店舗はかなりそれに近い雰囲気を出せたと思う。
しかも今回、新しくコーヒースタンドも併設したよね。中でコーヒーを飲みながら話したり、自分の釣りの話を共有したり、コミュニティが広がっていく場所になってるなって思う。
やっぱり、釣りの話って聞いてほしいし、共有したいじゃん。そういうのが自然と生まれる場所って大事だよね。
うん。コミュニティの中心に釣りがあって、そこに人が集まってくる感じが、すごく心地いいなって思うんだ。