異なる高さのファサード
高さを変えた3つの箱の構成により、室内空間にも隙間やリズムが生まれました。
ライフスタイルプロデュースチーム・NEXTWEEKENDとDoliveが手掛けた「PICNIC MOTEL House Project」は、ありふれた毎日をちょっと特別に変えてくれる家です。
「日常を映画に、暮らしをピクニックに。」
住まいを単なる箱としてではなく、日々を特別な物語へと変え、何気ない時間をピクニックのように楽しむための“舞台”としてデザインしています。
そこにある思いは、NEXTWEEKENDが大切にしてきた『Life is a Picnic.』という思想です。
季節や天気など移ろう環境に合わせて、自分の持ちものを組み合わせ、目の前の景色を楽しむ。そんな、まるでピクニックをするように暮らしを自分の手でデザインしていく考え方を提案してきました。大切なのは、“ないもの“を探すことではなく、目の前にあるものを活かしながら、自分らしい人生を楽しんでいくこと。そんな視点を住まいに落とし込んだのが「PICNIC MOTEL House Project」です。
住まいの第一印象を決めるのが、外観のデザイン。「PICNIC MOTEL House Project」のファサードに目を向けてみると、ミニマルなのにあたたかいという印象が。
あえて装飾を削ぎ落とした佇まいですが、ゆるやかなアーチの玄関や、小さなスクエア窓、自然光をやわらかく受け止める外壁のテクスチャー。
シンプルでありながら、どこか映画のワンシーンのような情緒が漂います。
異なる高さを持たせたファサードは、単調になりがちなシルエットにリズムを生み、街並みに溶け込みながらも存在感を放ちます。外壁の仕上げはニュアンスのあるベージュトーン。まっさらな白ではなく、土や石を思わせる落ち着いた色を選ぶことで、初めからそこにあったかのような、自然と調和する表情になりました。
「新築っぽくない、でも新しい」。
この外観こそが、「PICNIC MOTEL House Project」らしさを体現しています。
高さを変えた3つの箱の構成により、室内空間にも隙間やリズムが生まれました。
直線的なファサードの中に、象徴となる曲線のドアを置くことで柔らかさをプラス。
時間の移ろいで変わる自然光を受け止め、景色と調和して豊かな表情を見せてくれる左官仕上げの外壁。
「PICNIC MOTEL House Project」の中心となるのが、このダイニングです。空間を“囲む”ように設計され、自然と人が集まり、会話が生まれる場所。キッチンは作業をするだけの場ではなく、家族や友人とのコミュニケーションをつなぐハブのような存在です。
大きな窓から差し込む光に包まれるダイニングは、まるで絵画のよう。 ガラス越しに感じる風や季節の移ろいが、日常の食卓に豊かな情緒を添えてくれます。 中庭ともゆるやかにつながり、外と中の境界があいまいになることで、暮らしがより開放的に広がります。
平日の夜は静かにひとりで過ごす時間を、週末には友人と集い賑やかな食卓を。 どちらのシーンも心地よく楽しめるように工夫されており、日常のあらゆる瞬間が少しだけ特別に感じられる場所です。
心地よい朝食も語らうひとときも、キッチンと繋がるモーテル風ダイニングは、誰もがくつろげる場所。
吹き抜けから自然光が注ぎ、ハーブや野菜を育てられる中庭は、季節ごとに違う景色をデザインします。
素焼きの土で仕上げたような風合いと柔らかな色調のタイルは空間全体にぬくもりを与えてくれます。
絵画のようなダイニング&リビングを完成させているのは、空間だけではありません。 そこで過ごす時間を豊かにするインテリアや小物の存在が、この部屋の世界観をさらに深めるはず。
例えばこんなインテリアコーディネートだと、「映画のワンシーンのような、フィルムのような雰囲気」スタイルに。少し色褪せたようなノスタルジックさに、アートのような遊び心を掛け合わせは、ナチュラルでもシックでもなく、ちょっとアーティーで“大人カラフル”。中と外の境界線があいまいに設計された「PICNIC MOTEL House Project」の大きな窓からは光や風、景色が自然と室内に溶け込んでいきます。
曲線が美しいワンシーターソファが、空間全体にやすらぎの印象を。読書や音楽鑑賞など、心からリラックスできる時間を包みこんでくれる。脚はスチールのため、ラフな印象も。
アクセントになっている、コーヒーテーブルはポルトガル家具ブランドのもの。天板のグリーンを差し色した、脚のデザインも特徴的で抜け感あるデザインになっている。
スツールは、コンテンポラリーな印象が出る様にバランスよく配置。ステンレス素材感や黒の色味が空間にシックな要素をプラスしてくれる。
そして「PICNIC MOTEL House Project」の寝室は、ただ眠るための場所ではありません。
一日の終わりをやさしく包みこみ、朝には風や光とともに目覚める。 やわらかなグリーンで包まれた空間と、大きく開く窓が、心と体を自然に切り替えてくれます。
窓の向こうには、もうひとつのリビングのようなウッドデッキで広がりが。 外と内がゆるやかにつながることで、くつろぎながらも開放感を感じられる空間になっています。
ここは、自分と向き合い、感性を整えるための静かな寝室。
本を読んだり、音楽に耳を傾けたり、ただぼんやりと過ごす時間も心地よく受け止めてくれる、そんな場所です。
開放感のある窓と1Fとつながる吹き抜けは風と光を運び、部屋に広がりを作っています。
日差しが心地よい約17平米のウッドデッキは、もう一つのリビングのような特別な場所に。
ブランドカラーの緑が基調の壁と各所に配置された木の素材が全体に落ち着きをもたらします。