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IDEE, イデー, 小林夕里子 DATE 2021.09.03

家を購入した人が抱く「もし2軒目を建てられるなら……」という次なる想い。
1軒目では見送ってしまったこだわり、本当は叶えたかった小さい頃からの憧れなど、家づくりを体験したからこそわかる知識や経験も全部詰め込んで。更なる理想の住まいを求め、まだまだ湧いてくる妄想を語っていただき、そこから見えてくる‟家づくりのヒント”を学ぶ新企画です!

初回のゲストは、IDÉE・小林夕里子さん。 2軒目のテーマは、ずばり “赤毛のアン”ハウス。
インテリアのプロが本気で描く2軒目は、 空間の中で優しい色が交差する、窓一面に緑が広がる夢の舞台でした。

小林夕里子さん

オリジナルの家具や国内外からセレクトした雑貨を扱う、インテリアショップ〈イデー〉のディスプレイを監修。2017年に、神奈川の住宅街に建つ中古マンションを購入し、 “雑貨や家具が映える空間” をテーマにリノベーション。壺をこよなく愛するご主人と暮らす。

“ものを素敵に飾る舞台” を求め、4年前に中古マンションを購入し、リノベーションした小林さん。寝ても醒めてもものが好き、という彼女の現在の住まいは大好きな雑貨やアート、家具が映えるように、白を基調とした余計な装飾のないプレーンな空間に仕上げたといいます。

さらに、思い入れのあるワークデスクが空間にバランスよく収まるように間取りを変更するなど、“ものファースト” で内装プランや間取りを決めたとか。「ものが主役の家みたいですよね」と笑う小林さんですが、好きなものを重ねて飾る彼女の住まいは小さなギャラリーのようで、どこを切り取っても心地よい空気が流れています。

そんな小林さんにとって家は、家族と心地よく過ごす場所であると同時に “ものの引き立て役” という立ち位置。どうやら、2軒目もそのスタンスは変わらずのようだ。
まずは外観から、理想を伺うことに。
「小さい頃から繰り返し読んでいる『赤毛のアン』の影響で、窓いっぱいに緑が見えるお家に憧れていたので、2軒目は一軒家にしたいと思います

小林さんの2軒目は緑と暮らす“赤毛のアン”ハウス!

「ベースは白と木を組み合わせつつ、シャープな外観にしたいので、屋根や柱を黒にして意匠的に黒を取り入れたいです。家の周りにはウッドデッキを設置して、階段で玄関まで上がるつくりが理想。“窓から木が見える家が憧れ” と言っておいてナンですが、虫が苦手なので、家の中に入ってこないように、家の高さを底上げしたいんです(笑)。
家のまわりにはミモザの木を植えて、玄関アプローチの両脇には季節のお花を少し飾って。お庭は広すぎると管理が大変そうなので、少しだけガーデニングが楽しめる広さがあれば十分です」

次に小林さんが2軒目で挑戦したいことは、壁ごとに色を変えて、色の重なりを楽しむこと。

「仕事でフランスに行った時に、ル・コルビュジエの建築を見に行ったことがあって。四方八方の壁が違う色で塗られていて立体的に色が重なっていたんですよね。それを見た時に、家の中で色が交錯するのって面白いなーって思って。色の重なりを楽しむためにも、家全体が立体的にワンルームのようにつながる1.5階建てが理想ですね」。

1Fリビングから見える、壁の色の重なり

「二階は一階の半分くらいの広さで、階段を上がるとワークスペース、ウォークインクローゼット、寝室がある。水回りゾーンや二階の壁の一部をそれぞれブルーグレー、ベージュ、グレーと彩度の低い色にして、真鍮やナラ材といった素材感のある階段を(水回りエリアの前を通るように)斜めに渡したら、色と素材の重なりが面白そう!」

夢の小林邸には、今の住まい同様、雑貨やアート、オブジェを素敵に飾る工夫が散りばめられている。

 

「窓は、リビングの東側の窓以外は、腰窓で。ものを飾る背景として考えれば壁がベストなので、窓の下に壁付けのキャビネットを置いて、その上に花器やオブジェ、アートをたくさん飾りたいです。玄関を壁で仕切るのは、壁面を確保するためでもあり(笑)。二階部分まで続く大きな白いキャンバスには、アートを連貼りしたりしてディスプレイを楽しみたいですね」

「『赤毛のアン』の中に、寝室の窓から緑が見える描写があるんですが、それがすごく印象に残っていて。小さい頃からの憧れと、ものを素敵に飾るための理想を詰め込んだ家が出来上がりました」と小林さん。

小林さんが描く理想の2軒目は、多彩色が交錯し、視線の変化が楽しめる立体ハウス。同時に、ものへの深い深い愛を感じさせる、温かなこだわりが詰まった家でした。

Photography /原田教正 Text/平田桃子 Illustration/Yunosuke