家 ⇄ 外の新たなスタイル、おうちでVAN LIFE
レジャーからライフスタイルへ。“アウトドアのインドア化”が進み、おうちキャンプの楽しみ方もニーズに合わせて多様化している昨今。もしその空間にクルマがあったなら・・・?
今回は、新たなライフスタイルとして注目されるVAN LIFEとの掛け合わせ、「おうちでVAN LIFE」に秘められた魅力をお伝えします!
おうちでVAN LIFE??
近年のアウトドアブームを受け、“おうちキャンプ”と共に着目されている「VAN LIFE(バンライフ)」。
クルマを移動手段としてだけでなく、ベッドや生活用品を載せる“移動式拠点”として旅に出るオルタナティブなライフスタイルで、キャンパーの間でも「ソーシャルディスタンスを保ちながらアウトドアを楽しめる」と話題を呼んでいます。
そんなVAN LIFEを自宅で? そう、今回のテーマは“おうちキャンプ”ならぬ、“おうちでVAN LIFE”。おそらくほとんどの方がこの言葉に違和感を覚えているのでは?
というのも、家を持たずにクルマだけで生活するのが本来の意味の「VAN LIFE」。一方、家が拠点となる“おうちキャンプ”は移動がないだけにクルマは本来不要なのです。
しかし、そこはやはりアウトドアな世界観。アウトドアとクルマは切っても切れない縁で、クルマはサイトに彩りを添える大きな存在。
セカンドリビングやベッドスペース、キャンプギアを積んでおくガレージとしての役割が、“おうちキャンプ”と融合したとき、より一層有意義な空間を作り上げてくれます。
これからの新定番となりうる「おうちでVAN LIFE」。その模様をお届けします!
普段と違う、衣・食・住。家と外の“いいとこどり”
紅葉が見頃を迎えるこれからのシーズン。気候も穏やかになり、家族揃ってお出かけするのに好都合な季節です。しかし、小さなお子様連れのファミリーにはちょっとした不安もつきもの。特に、初めて訪れるような場所で最初は良い子で居てくれた子供も「もうヤダ」「帰りたい」とぐずり出すことはしばしば。早めに予定を切り上げて帰宅というパターンもよくありますよね。
しかし、“我が家”という慣れ親しんだ環境であれば、そのような親の不安もどこ吹く風。日常的な空間でありながらもキャンプギアを散りばめれば、SNS映えもバッチリな“非日常”的な空間へと生まれ変わり、子供の可愛い姿を収めるシャッターチャンスも盛りだくさん。何より、普段の暮らしの延長として楽しめるのも魅力ですよね。
移動がない分、朝はのんびりとスタートします。ミルを使ってガリガリと豆を挽き、時間をかけて丁寧にドリップ。コーヒーメーカーで淹れる一杯とは一味違い、キャンプ特有のアナログ感と開放感が相まって美味しさもひとしおです。サイト設営後のホッと一息つきたいとき、傍らにコーヒーがあるだけで最高のひとときに。
お腹が空いたら、キャンプ飯の定番であるBBQを楽しむもよし、自宅のキッチンを利用して本格料理を調理するもよし。家が拠点なだけに、普段の利便性を賢く併用するのも一つの手。
家の中で使用している家具をそのまま外に持ち出せば余計にキャンプ道具を広げる必要はなく、片付けの手間も省けます。寒くなったらクローゼットから一枚アウターを持ってきて……。一般的なキャンプであればかなりシビアな衣食住の確保も、キャンプサイトが家ならばイイ意味でルーズに、気軽に楽しめます。
秘密基地のようなワクワク感を演出する車内は、いつしかお腹いっぱいで眠くなった子供たちのベッドルームに。厚みのあるマットを仕込んでおけば、シートの凹凸を気にすることなく快適な寝床を作ることが可能。もしもこれから本格的にVAN LIFEを始めたいと考えているのなら、場所を取らずに積載しておけるエアベッドを備えておくのがおすすめです。
子供達がお昼寝中、パパとママは日没に備えて灯りの準備を。LEDタイプのランタンなら、車内で使用しても安心・安全。合わせてデコレーションライトを備えれば、夜の帳をより一層ムーディーに演出してくれます。
お昼寝から目を覚まし、ウッドテラスに戻ってきた子供たち。日はすっかりと暮れ始め、眼下には幻想的な空間が広がります。「あ、ふねー!」「いち、に、さん、し、ご……」と、いつも目にしているはずの景色ですが“おうちでVAN LIFE”という特別な空気感からなのか、少しテンション高めに遠くの海に浮かぶ船を数え始めました。
やがてあたりは暗くなり、すっかり夜に。満点の星空のもと、巨大なスクリーンで好きな映像を楽しむ「アウトドアシアター」がキャンプシーンで流行していますが、今回は野外ではなく車内空間を活用。リアゲートにスクリーンを張り、モバイルプロジェクターをセットすればクルマが貸切の映画館へと早変わり。おうちキャンプにクルマが一台加わるだけで、その楽しみは無限に広がります。
家のフィールドを拡張させる、セカンドリビングとしてのクルマ。
我が家をオートキャンプサイトのように楽しむ、おうちでVAN LIFE。今回のようなウッドテラスを備えた家はもちろん、駐車場の空いたスペースをキャンプサイトとして活用したり、もしくは縁側という限られたスペースでも、フィールドを拡張してくれるクルマがあれば、家のカタチに合った「おうちでVAN LIFE」楽しめるはず。
新感覚な体験を、ぜひご家庭で味わってみてはいかがでしょうか。
※表示価格はすべて税込価格です。
Photography / dai yamamoto Styling / 遠藤慎也(BOOTSYORK.style) Edit&Text / GGGC