Dolive Doliveってなに?

AM6 HOUSE,古谷俊一,松本龍彦 DATE 2021.03.19

ふたりのクリエイターが語る、早起きしたくなる部屋『AM6 HOUSE』が、生まれた理由。

CREATORS PROJECTとは?

「あのクリエイターが"暮らし"について語ったらどうなるんだろう?」「実はあの人ってこんなこと考えていたんだ!」などなど、さまざまな分野で新しい価値を生み出すクリエイター達だからこそ考えつく暮らしのあり方が、みなさんの暮らしや家をもっとカジュアルに「楽しむ」きっかけになるのでは?!
そんな想いから生まれた、Doliveとクリエイターが"暮らし"にまつわるテーマについて語り合う企画です。

クリエイター視点の家や暮らしってどんなものだろう
建築家と建築とは異なる分野のクリエイターが暮らしを考えると自由な発想の家がで生まれるのでは?!

Doliveが思いついたアイデアを具現化しようとお声掛けをしたのは、建築家でありながら造園家としての顔をもつ古谷俊一さんとアートディレクターの松本龍彦さん。
こうして出会った、建築家とアートディレクターの2人のクリエイターによって導き出されたコンセプトは「早起きしたくなるような空間」。このコンセプトをベースにして出来上がったDoliveの商品『AM6 HOUSE』とインフィルスタイル『AM6:GREEN』『AM6:BROWN』。

今回、開発に携わった2人のクリエイターに開発秘話を伺ってみました!
古谷 俊一さん

建築家・造園家。
植物を主軸にした住宅や商業施設の建築設計、ランドスケープデザインを行う。昨年末にはベツダイDoliveとコラボした新商品「AM6 HOUSE」を発表し、現代の住まいに新しい息吹をもたらす。著書に「みどりの建築術 古谷デザイン建築設計事務所作品集」(エイ出版)。
古谷デザイン建築設計事務所

松本 龍彦さん

Wab Design INC.代表取締役/アートディレクター
広告やアパレルを中心にプロモーション・ブランディングを手掛ける。主な仕事にEMBLEM HOSTEL,1LDK,shu uemuraなど。アジア太平洋広告祭、ニューヨークフェスティバル等受賞。
Wab Design INC.

朝型生活っていいかも?!

  • 編集部
    編集部

    本日はお時間ありがとうございます。今日は『AM6HOUSE』の開発秘話をお二人にお伺いできればと思っています!
    このプロジェクトのきっかけとして、クリエイター視点の暮らしを一緒に考えてみませんかとご相談させていただきましたが、その話を聞いた時の印象はいかがでしたか?

  • 古谷さん
    古谷さん

    まず、『Dolive 』が提案している「家づくりをもっとカジュアルに楽しむ」という姿勢を 強く感じましたね。それに、「住宅」という分野に「クリエイター」という人種を結びつけるコンセプトに新しさに共感をしました。

  • 松本さん
    松本さん

    そうですね。僕自身、「暮らしを考える」ということに強い関心があって、「僕らの視点だからこそできるプランとは何か?」と、色々なアイデアを出し合うところからプロジェクトがスタートしました。

  • 松本さん
    松本さん

    建築的な部分よりも、まず、「新しい価値観」をコンセプトにできないかなと考えました。そこで辿り着いたのが「早起きしたくなる部屋」。僕らクリエイターは、仕事柄、どうしても夜型になりがちなんです。でも、年齢やキャリアを重ねていく中で、クリエイターにこそ、太陽とともに生活するような朝型ライフサイクルが必要なんじゃないかと感じるようになりました。それが実現できる空間をイメージしたら、何より自分がほしいと思えたんですよね。

  • 古谷さん
    古谷さん

    そうですね。実は「早起き」「朝型生活」については、ここ数年、個人的にもふつふつときていたキーワードだったので、「やっぱりそうなるよね」という感覚がありましたね。

  • 松本さん
    松本さん

    最近は早朝からやっているお店も定着してきてますよね。これって早起きしている人が増えているからなんですよ。「早起きしている人は時間の使い方が上手い」「朝の方が仕事の効率も上がる」。そんなメリットや魅力に気づいた人たちが朝型のライフスタイルにシフトしている。こうしたことから「早起きしたくなる部屋」を軸にコンセプトメイクを進めていきました。シンプルに「早朝」をイメージさせる『AM6』という名前も、その中で自然に生まれてきたんですよね。

外でも中でもない?!アウトドアリビングという空間

  • 松本さん
    松本さん

    具体的な打ち合わせを重ねる中で、僕が、過去に泊まったことがあるロッジの話をしていたんですよね。「ベランダとかウッドデッキがあって、外と中の境界が曖昧な感じの空間が好きだ」という話題になって。

  • 古谷さん
    古谷さん

    建築的には「中間領域」と呼ばれる空間ですね。日本の伝統的な家屋に見られる縁側などとも通じます。僕ももともとそういう空間が好きだったので、早速、そのアイデアを活かして、「アウトドアリビング」という方向性でデザインをつくりました。

  • 松本さん
    松本さん

    最初にスケッチを見たときの驚きと高揚感は忘れられませんね。僕自身、建築家の方と何かをかたちにするという経験がはじめてだったので。

  • 古谷さん
    古谷さん

    このスケッチを受けて、松本さんたちから出てきたのが「カフェ」というキーワードでしたね。

  • 松本さん
    松本さん

    はい。「自宅にカフェ」というと、よくあるライフスタイル提案みたいに聞こえますが、ここでいう「カフェ」は、ちょっと意味が違うんです。

  • 古谷さん
    古谷さん

    ええ。僕も「カフェ」という言葉の意味は、そっちじゃないと思いました。

  • 松本さん
    松本さん

    「カフェ」って、現代のライフスタイルを象徴する空間だと思うんですよね。例えばノートパソコンやタブレットを開いてカフェにいる人って、仕事をしているのか、遊んでいるのか、友だちとメッセージをやりとりしているのか、買い物をしているのか・・・・・・見ただけでは区別が付かない。実際、これらの行動って、クリエイターにとっては明確な境目がなくなっているし、全てがつながっていたりします。だから、こうした行動を丸ごと内包できる「カフェ」のような場所こそ、クリエイターが住む部屋には必要なんじゃないかなって。

  • 古谷さん
    古谷さん

    造作ではなくて、感覚なんですよね。だから、「ここをカフェらしく仕上げなければ」みたいなことではなくて、植物が心地よく視界に入ったり、質感のいい家具に囲まれたり・・・・・・というライフスタイルの容れ物をつくって、そこに共感してくれる人に届くようなスタイルに仕上げようと考えたんです。

何もせず、ただそこでゆっくりと

AM6 GREEN

AM6 BROWN

  • 編集部
    編集部

    こうして、植物との相性を意識した『AM6:GREEN』と、スタイリッシュなカフェの雰囲気をイメージした『AM6:BROWN』のインフィルスタイルが完成したんですね。

  • 古谷さん
    古谷さん

    『AM6:GREEN』では明るさや、空気のよどみを感じさせない空間を意識して、リビングに扉を付けずに抜けをよくしています。その方が植物たちも美しく見えますからね。あと、実際、植物と付き合っていくことを考慮して、床にはコルクタイルを使用して、水や土をこぼしてしまってもお手入れしやすいよう配慮しています。

  • 松本さん
    松本さん

    『AM6:BROWN』では『AM6:GREEN』の特徴や心地よさを踏襲しつつも、ビジュアル的に「カフェ」の雰囲気に寄せたイメージですね。ヴィンテージ感のあるスタイルで、より男性的な雰囲気を演出しています。

  • 古谷さん
    古谷さん

    インフィルスタイルのラインナップとして2つの名前を付けましたが、イメージした「早起きしたくなる部屋」という心地よさはどちらも同じです。昨年出来上がった『AM6 HOUSE』がどちらのスタイルの良いところを総合的に組み合わせたスタイルになっていますね。

AM6 HOUSE

  • 編集部
    編集部

    最後に、『AM6HOUSE』に住む人にはどんな風に過ごしてもらいたいでしょうか?

  • 松本さん
    松本さん

    そうですねえ。お気に入りのパン屋に行って、自分でゆっくり豆挽いて、欲しいなって思っているアイテムをインターネットで眺めながら……とか、色々イメージはしたんですけど……何もせずまどろみたい。ただそこでゆっくりと朝を過ごしてもらえれば嬉しいですね。

  • 古谷さん
    古谷さん

    いいですね。僕もそうしたいなあ。
    あと、『AM6 HOUSE』を通じて改めて思ったのは、住宅って、もっと好みとか感性でつくるべきだということ。多くの人は、車も服も時計も自分のセンスで選ぶのに、家だけはその感覚と違う部分で選ばれている・・・・・・と、以前から感じていて。大きな買い物であるが故に「好き・嫌い」だけで選べなくなるんですよね。でも、「好き・嫌い」をもっと前面に出して考えた方が楽しい。建築家に直接オーダーするような家でなくても、それができるのが『AM6 HOUSE』なんですよ。決められたデザインコンセプトがあるから、住む人が参加しやすいんです。そういう意味でも、つくる段階から『AM6 HOUSE』が提案するライフスタイルを楽しんでいただけたらと思います。