Dolive Doliveってなに?

林哲平,谷尻誠,土井地博,若林剛之 DATE 2022.05.18

ついに完成した、現代の“和”を表現した家。クリエイターたちが「NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU」の魅力を語る

〈これまでの記事はこちら〉
・Vol.1 SOU・SOU×株式会社社外取締役 〜これまでになかった“和”の暮らしを考える〜
・Vol.2 SOU・SOU×株式会社社外取締役×Doliveによる「家づくりプロジェクト」が始動!
・Vol.3 家づくりから発信していく、現代の”和”「NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU」


伝統的な“和”を現代の感覚に合わせてポップに表現しているSOU・SOUと、建築家・起業家、コミュニケーションディレクター、マーケティングプロデューサーの個性豊かな3人からなる株式会社社外取締役(以下、社外取)。独自な世界観で話題を集める、2組のクリエーター同士の対談をきっかけに生まれた家づくりプロジェクトが「NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU」です。

2020年夏に初めて対談してから約2年。ついにNIHON NOIE PROJECT by SOU・SOUの1棟目が大分・由布院に建ちました!果たして、社外取の3人とSOU・SOU代表/プロデューサーの若林さんは、今どんなことを感じているのか……4人に話を聞きました。
若林 剛之 さん

SOU・SOU代表 / プロデューサー
1967年京都生まれ。オーダーメイドの紳士服を学んだ後、東京のDCブランドで企画・パターンを担当。退社後、ニューヨークやロンドンで買い付けた商品を扱うセレクトショップを京都にてオープン。2002年にSOU・SOUを発足、現在国内13店舗、海外1店舗を展開している。

株式会社社外取締役

建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE 代表 谷尻誠、BETSUDAI Inc. TOKYO CEO 林哲平、BEAMS コミュニケーショ ンディレクター 土井地博によって設立されたプロダクション。オンラインサロンやプロデュース業務など、今後の動向が注目されるユニット。

クリエイター同士が交じり合うことで生まれた、新しい家のあり方

  • 編集部
    編集部

    ついに大分・由布院にNIHON NOIE PROJECT by SOU・SOUが建ちました!実際にカタチになったNIHON NOIE PROJECTを見て、いかがですか?

  • 若林
    若林さん

    初めて見たときは感動しましたよ。遠くから歩いてくると、徐々に視界に入ってくる。近づいていくにつれてワクワクが止まらなかったです。若い世代が初めて触れる、新しい“和”の家が提案できたんじゃないですかね。

  • 林さん
    林さん

    これまでもさまざまな家を手がけてきましたが、実は“和”をテーマにしたのは初めて。だから、僕も感慨深かったですね。

  • 谷尻さん
    谷尻さん

    住宅商品でここまでコンセプトもデザインも優れているのって本当にすごいこと。普段建築家としてオーダーメイドで住宅を設計している私自身、一層気を引き締めようと思いましたね。

  • 土井地さん
    土井地さん

    「これまで寝食の場所でしかなかった家を、新たな角度で捉え直そう」という会話はプロジェクトの発足当初からあって。時間と共に育てていくという家との関わり方だったり、ファッションのような自己表現の手段だったり。そんな家のあり方をアップデートする提案がしっかりかたちになったと思っています。

  • 編集部
    編集部

    社外取のみなさんも、SOU・SOUも、これまでさまざまなコラボレーションを経験してきたかと思いますが、今回のコラボレーションを改めて振り返ってみていかがでしたか?

  • 谷尻さん
    谷尻さん

    普段建築家として活動している私の場合、目の前のひとりのクライアントに向き合うことが多いんです。でも、今回一緒に取り組んだメンバーはみんな圧倒的に世の中と向き合っている人たち。自分が「こうした方がいい」と思っていたことも、「より社会から求められるのには」というほかのメンバーの視点が加わることで、また新たなアイデアが湧いてくる。その体験は、新鮮でしたね。

  • 若林
    若林さん

    そもそもコラボレーションって、相手次第で完成形がガラッと変わるのが魅力じゃないですか。それぞれユニークな視点を持ったこのメンバーが交じり合ったらどんな家になるのか、ずっとワクワクしながら進めていましたね。

  • 林さん
    林さん

    ある意味ここからが、コラボレーションの本番。というのは、つくって終わりではなくて、より多くの人に伝えるところまでやり切って初めてNIHON NOIE PROJECTの成功があると思っているから。みなさんの力をまだまだ掛け合わせて行きたいですね。

  • 土井地さん
    土井地さん

    これまでの住宅のPRって業界内に閉じてしまっていた側面があると思っていて。でも、NIHON NOIE PROJECTは、ライフスタイルやカルチャーなどの文脈とも相性がすごくいい。今まさに家の購入を考えている方だけでなく、20代前半の若者たちにも興味を持ってもらえるよう魅力を伝えていきたいですよね。

「ふるさ」が「あたらしい」。NIHON NOIE PROJECTで見出した“和“の可能性

  • 編集部
    編集部

    みなさんがNIHON NOIE PROJECT by SOU・SOUで気に入っているポイントを教えてください。

  • 土井地さん
    土井地さん

    縁側ですかね。縁側って外部とのつながりの場所だと思うんです。個人的にも、幼い頃祖母が近所の人と縁側で話していた記憶があるので、なんとも思い出深いんですよ。NIHON NOIE PROJECTでは、屋根のような大きな軒の下に縁側があって、外とのつながりを保ちつつも家の内部にある。この奥まったつくりが、異空間のような独特な雰囲気を漂わせていて気に入っています。

  • 若林
    若林さん

    私は通り土間がお気に入りです。のれんをくぐって玄関まで歩いて行くと、右手に縁側があって雪見障子越しに和室が見えるんですよ。その風景が象徴的な“和”の趣があっていいなって。

  • 林さん
    林さん

    僕が気に入っているのは外観。今はスクエア型の住宅が人気だけど、NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOUでは、あえて軒をしっかり出しました。もしかすると年配の方からしたら、馴染みのあるデザインかも。でも、若い世代にとってみたら新鮮な景色に映るはず。日本の住宅で忘れられていた“和”の風景を、現代に合わせてセットし直す……外観にはそんな想いを込めましたね。

  • 谷尻さん
    谷尻さん

    NIHON NOIE PROJECTで感じられる「あたらしさ」って、実は「ふるさ」なんですよね。これまでになかった新しい何かをつくり出したというよりは、忘れられていた何かを改めてかたちにしただけで。

  • 編集部
    編集部

    「ふるさ」の中に「あたらしさ」を見出すことが、NIHON NOIE PROJECTが考える現代の“和”なんですかね。

  • 谷尻さん
    谷尻さん

    そう。たとえば、NIHON NOIEでは、「暗さ」がひとつのテーマになっています。これって、明るさを求める日本の住宅トレンドとは真逆をいくような発想ですが、実は理に適っていて。暗さって自分や目の前の対象に向き合う環境としてはとても優れているんです。陰影の中に美しさを見出してきた“和”の精神性を、NIHON NOIE PROJECTでは表現しています。

おとなも好むかわいさを表現したSOU・SOUのスタイリング

  • 編集部
    編集部

    ポップに和の風情を表現しているSOU・SOUのテキスタイルも、NIHON NOIE PROJECTの特徴のひとつかと思います。スタイリングする際のポイントはありますか。

  • 若林
    若林さん

    一般的に和柄と言えば昭和以前のものが多いですね。でもそういうものの焼き直しではなく、今を生きる人たちが住んでて楽しくなる様なポップで飽きの来ない和のテキスタイルデザインをクリエイトし提案しました。

  • 編集部
    編集部

    一見伝統的な市松模様にも見えますが、手描きのゆらぎや伝統色を使ったポップな配色が他にはないデザインですね。

  • 若林
    若林さん

    今でこそ壁紙にはベーシックな無地を使われる家が多いんですが、昔は障子にふすま絵を描いたりと、壁全面に模様や柄などを入れることは決して珍しいことではなかったんですよ。
    また、空間に馴染みやすいのは“ちょうどいい”かわいさがあるから。単にかわいいだけだと、家全体が子ども部屋のようになってしまう。でも、“和”をベースにしたかわいさは、大人も受け入れられやすいんですよ。

あらゆる世代を越えて、“和”の可能性を伝えたい

  • 編集部
    編集部

    このNIHON NOIE PROJECT by SOU・SOUの1棟目には、サウナが離れとして付いていますよね。

  • 林さん
    林さん

    このサウナは、NIHON NOIE PROJECTの価値をより多くの人々に伝える試みのひとつ。つくるだけではなく、伝えないとプロジェクトの意味がありません。サウナと“和”は、実は相性が良い。しかも、サウナは現代のスタンダードになりつつある。そこで、“和”をテーマにしたサウナをここに建てたんです。

  • 谷尻さん
    谷尻さん

    このサウナは、昔の茶室のような役割だと思っています。刀を置いて身分問わずお茶を飲み交わす……茶室で行われていたそんな営みは、服を脱いで身分関係なく汗を流すサウナと通じていると思うんです。

  • 土井地さん
    土井地さん

    サウナに入ると「整う」って言うじゃないですか。先ほど谷尻さんが話した「暗さ」の話にもあったように、自分と静かに向き合ってチューニングするきっかけになると思うんですよね。

  • 若林
    若林さん

    あと大分・由布院の原風景をもっと楽しめるようにもなるはず。夕焼けを眺めたり、川のせせらぎを聞いたり。リラックスしながら自然豊かなロケーションを味わってもらえると思います。

  • 編集部
    編集部

    最後に、読者にメッセージをお願いします!

  • 林さん
    林さん

    NIHON NOIE PROJECTは、あえてターゲットを設定していません。シニア世代も若い世代も関係なく、より多くの人々に“和”の可能性を感じてもらいたい。そんな想いが少しでも届いたらいいなと思いますね。

  • 若林
    若林さん

    僕も同感です。住む人がどこの誰でもいい。とにかく住んだ人が自由に楽しんでくれれば、それ以上のことはありません。

  • 土井地さん
    土井地さん

    道ですれ違うほぼ全ての人に家があって、そこで生活を送っていると考えると、家ってものすごく重要な存在だと思うんです。だからこそ、NIHON NOIE PROJECTの思想に触れて、少しでも家についての見方が変わったり、共感してくれる人が増えたらいいなと思いますね。

  • 谷尻さん
    谷尻さん

    ある意味、家も非日常な体験になったらいいなと思うんです。どこかに泊まりに来ているような、ワクワクする要素が毎日の暮らしの中にあったらとても豊かな人生になるはず。そのきっかけを届けられたらいいなと思います。

ついに完成したNIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU。「あたらしくて、なつかしい」……この家を訪れると、きっとそんな新鮮な感覚を味わえるはずです。