Dolive 家をもっとカジュアルに楽しむメディア

DATE 2022.04.12

Dolive meets ≪ Fashion ≫
BEAMS土井地博とFreada小笠原希帆が考える、こんなファサードの家がイイネ。

ファサード研究会とは?

「家ってもっと住む人自身がラフに楽しくデザインできたらいいよね。それができたら、街並み全体がもっとオシャレで可愛くなるはず」という想いを胸に、家の顔であるファサードにフォーカスして研究していく企画。毎回、とある業界のオピニオンをゲストに迎え、家づくりをもっと自由にオシャレに発想するためのアドバイスを伺います。

今回の研究テーマ
「ファッション業界のオピニオンと考える、家のデザインや街並みって?」

「ファサード研究会」略して「ファサケン!」の第1回目ゲストは、ファッション業界の2人。BEAMSの土井地博さんと、FREAK’S STOREのブランドFreadaの小笠原希帆さんです。Dolive主宰の林が「ファッション業界の人こそ、家を作ったら絶対おしゃれなものできるはず!」と期待をかける2人とともに、これからの「家のデザイン」について話し合います。
土井地博 さん

ビーアット代表取締役/ビームス 執行役員 コミュニケーションディレクター
約20年PR宣伝を担当し現職に至る。現在は同社初の合弁会社である「株式会社ビーアット」のCEOや国内外の企業、ブランド、人とのコミュニケーションを繋ぐディレクターを担う。

小笠原希帆 さん

Freada ディレクター
2007年にFREAK’S STOREに入社し、ショップスタッフ、PRを担当。新作と古着をミックスする自由なスタイルでブランドの顔に。2017年には「Freada(フリーダ)」を立ち上げ、ディレクターに就任。

なんでこうなる? 日本の単調な街並み

  • 編集部
    編集部

    この企画のテーマ、家づくりって、ファッションみたいにもっと楽しく、自由に、おしゃれにできるはず、という想いから、ファッション業界のお2人をお呼びしました。

  • 林さん
    林さん

    ファッション業界の人って、いろんなデザインのものを自由な感覚でコーディネートするプロですから。家ももっとファッションみたいなノリで考えられたら、街並みもおしゃれになるかもなって。

  • 土井地さん
    土井地さん

    見ていてかっこいいと思う街も既にありますけどね。尾道とか、電線もないし、昔の街並みがキープされてて。倉敷や丹後の舟屋とかも。昔ながらのコミュニティが生きていて、「木を見て森を見ず」にならずに、自分の家を森の一部(その地域の一部)だとみんなが捉えて住んでいるようなところはいいよね。

  • 林さん
    林さん

    確かにそうだね。ただ、新しく建てる家に関しては、もっと家で楽しいことしよう!っていうマインドを持てればいいと思うんです。服を買うときみたいに、オシャレになりたい!こうなりたい!って自由な発想で家を作ってほしいなって。

  • 土井地さん
    土井地さん

    家への意識はここ1〜2年で劇的に変化してるよね。今だと「都内23区に住まなきゃいけない」っていうのもなくなってきてるし。実際に家で過ごす時間が増えたから、これからもっと変わるんじゃないかな。

  • 林さん
    林さん

    ファッション業界の人って、考え方が柔軟で、魅力を伝えるのがうまいから、「これいいね!やっちゃおうよ!」みたいなファッションのノリが家作りにもほしい。

  • 土井地さん
    土井地さん

    住宅業界でも洋服的な観点でコーディネートするのっていいよね。日本人って、いろんなものをミックスして自分らしく合わせるのが得意だから。セレクトショップ的なブランドミックスの提案は、世界でも珍しいから、それが家づくりでもできたら、他の国の人が驚くようなことができるんじゃないかと思います。

ファッションの「あえて外す」感覚で
家もデザインしたい!

  • 編集部
    編集部

    小笠原さんが家をコーディネートするとしたら、どんな家にしますか?

  • 小笠原さん
    小笠原さん

    木とタイルとか、違う素材を合わせたいなあ。服でいうと、ボロボロのTシャツにパールのネックレスを合わせる感覚がかわいいですよね。「冷たい」と「温かい」の異なる質感を合わせる感じがおしゃれ!

  • 林さん
    林さん

    異素材を組み合わせる! いいね!

  • 土井地さん
    土井地さん

    マテリアルは、洋服の肝ですからね。

  • 小笠原さん
    小笠原さん

    あとは、家を買うときにタイルとか壁の色を定期的に変えられるチケットがついてたらいいなあ。飽きたら年2とかで変えられるんです(笑)。私は、最初は淡いオレンジと黄色とピンクみたいな、思い切り派手な色を部分使いしたい! 素材は土壁×タイル×木を組み合わせて……。

  • 土井地さん
    土井地さん

    メキシコみたいな街並みになりそうだね。あとは、素材だけじゃなくて、時代とか値段も超えて、みんなが編集者みたいに好きなものを選んで家を作る感覚ってすごくいいよね。

みんなが編集者になって、好きな形や色を合わせる家

  • 土井地さん
    土井地さん

    今、異素材とか新旧のミックスがいい!って考え方は増えているよね。IKEAで買ったものと、骨董を混ぜるとか、MUJIの家具もあればミッドセンチュリーの家具もある、みたいなのが今っぽい。逆に、全部真っ白の家具とか、ちょっとしんどくない? 好きな人もいるけど。

  • 小笠原さん
    小笠原さん

    服でも全身ひとつのブランドってちょっとダサいですよね。やっぱりそこに、何かを混ぜる着こなしがセンスがいいと思う。

  • 林さん
    林さん

    ファッションでいうところの「外す」感覚だよね。

  • 小笠原さん
    小笠原さん

    そうそう。我々の腕の見せ所ですよね。(笑)

  • 土井地さん
    土井地さん

    ただ、合わせるものは何でもいいってわけじゃなくて。安いけどかっこいい、ここに置いてあったらかわいいって。僕たちは仕事でその感覚が自然と身についてるけど、最近は一般消費者のリテラシーもそうとう高いよ。インスタとかを見ててそう思う。

  • 小笠原さん
    小笠原さん

    今の若い子たちが家を買い始めたら、かわいい家が増えるかもしれないですね。

家を作る側じゃなくて
買う側の意識が変わるのもいい

  • 編集部
    編集部

    次世代の家がどうなるか楽しみですね!では、今の人たちが「もっとおしゃれな家に住んだら楽しいよね!」って意識を持つにはどうしたらいいでしょうか?

  • 土井地さん
    土井地さん

    家を買う時ももっと選択肢が増えたらいいですよね。例えば、FREAK’S STOREさんの家とかBEAMSの家みたいな、今ある以外の選択肢があって、誰かがちゃんと提案をしてくれると消費者の満足度は上がるんじゃないかと思います。

  • 林さん
    林さん

    今、ファッション業界って、服だけじゃなくてライフスタイル全体をプロデュースしてるじゃないですか。住宅業界もそれに倣ってライフスタイルの提案をしていけたらいいよね。

  • 土井地さん
    土井地さん

    確かに、家を売る人が「売れた後に、そこに住む人がどう暮らしていくのか」までを提案するようになると、違ってくるよね。住む人にとっては、買ってからが暮らしのスタートなんだから。

  • 編集部
    編集部

    では、家を作る側がまず変わった方がいいってことでしょうか?

  • 林さん
    林さん

    それもある!でも、まず消費者が「好きな家を好きなように作っていい!」って思えるようになることも大事だと思うんだよね。建築のプロだけじゃなくて、他業界からも、おしゃれな家は作れるよ!って提案できるようになって、消費者が住みたい家を具体的にシミュレーションできるようになってほしいんです。

  • 小笠原さん
    小笠原さん

    やっぱり、買う側への提案が大事ですよね。洋服だと、高級ダウンって黒が一番売れるんですよ。高い買い物で思い切って赤にしよう!とはならないんですよね。だから正直、家を買うときにみんなが無難なデザインになっちゃうのも分かる気がするなあ。

  • 編集部
    編集部

    小笠原さんがおっしゃっていたように、家を変えるチケットがついていて、簡単に家を変えられたら、もっと好き勝手やってみよう!って思えますよね。

土井地さんの考える
これからの「かっこいい家」

  • 編集部
    編集部

    土井地さんが家をまるっと提案するなら、どんな家になりますか?

  • 土井地さん
    土井地さん

    僕はもともとモダンでインダストリアルなトーンが好きなんだけど、提案したいのは、あえて日本らしい家ですね。昔の長屋みたいなイメージじゃなくて、高層ビルを木造で作るとか、そういう和の取り入れ方が始まっているじゃないですか。先人の知恵を、今のテクノロジーと感性で蘇らせるような作り方の家に、興味あるし、かっこいいと思います。

  • 林さん
    林さん

    木造がいいってこと?

  • 土井地さん
    土井地さん

    木だけじゃなくて、例えば真鍮とか銅とか、日本が長年産業として持っていたものをうまく混ぜると、現代の「日本的なインダストリアル」ができると思うんだよね。我々がイメージする普通の日本家屋じゃなくて、もっと「現代的な日本」みたいなものが今やりたいです。

そこに住む人の多様性が共存する
好きな色、形が溢れる街並み

  • 編集部
    編集部

    いろんな話が出ましたね。結論として、どんなデザインの家がいいでしょうか??

  • 小笠原さん
    小笠原さん

    うーん、もしみんながそれぞれやりたいように家を作っちゃったら、街としてはどうなるんですかね。うちの壁はピンクで、お隣さんは真っ青だったりして、かっこいい街並みになるかなあ?

  • 土井地さん
    土井地さん

    メキシコのカラフルな街並みはそれに近いかもね。海外でも、おそらく日本でいう景観条例のようなルールが決められていると思うんだけど、今後はそのルールも取り払って、好き勝手な家を建てた方が、結果的にかわいい街になるのかもしれない。特定のエリアに住みたい人たちが集まって、多様性をキープしながらひとつの街のようなものを作っていくと、面白い街並みができるんじゃないかな。

今回の研究結果
「洋服のように自由にコーディネートをした、住む人の多様性が見える家がステキ!」

ファッション業界で活躍するお2人と「おしゃれな家と街並み」について話し合った第1回「ファサケン!」。研究結果として分かったのは「服のコーディネートを考えるようなカジュアルなノリで家作りができたら、もっとおしゃれでかっこいい街並みが増えるかも」ということ! 小笠原さんのデイリーコーデや、BEAMSのショップディスプレイにこそ、これからの家づくりに必要なアイデアが秘められているかもしれません……。

Photography /原田教正 Text/赤木百(Roaster) Illustration/高城琢郎