DATE 2023.03.31

ライフスタイルの変化に対応できる、余白のあるガレージ。
≪ ログハウス × ビルドインガレージ ≫

住み手の趣味やライフスタイルに合わせた使い方・過ごし方を楽しむ人が増え、家の楽しみ方はまさに住人十色。
「アノ人のGARAGE LIFE」では、家の主役にならない“ガレージ”にフォーカスし、ガレージを意外な方法で堪能している人たちを紹介していきます!
車庫としてだけではなく、収納として、趣味空間として…好きなモノに囲まれ、好きなコトをして過ごす「ガレージライフ」。あなたも参考にしてみては?

置いて、立てて、吊り下げて。多趣味をサポートする、ビルドインガレージ

「地元の友達が集まれる、遊び場が欲しくて。もともとは独身時代に建てたセカンドハウスなんですけど、今では夫婦共通の趣味も多く、家族の遊び場にもなっています」

そう話すのは、サーフィンにスノーボード、スケートボード、キャンプ、釣り、サイクリング……と、多くのアウトドアな趣味を持つ内田ユースケさん(@shikemoku_uchida)。日本一深い駿河湾と、日本一の高さを誇る富士山を望む静岡県沼津市で生まれ育ち、「子供の頃から外遊びが日常で、当時よく、親に連れられてスキーにも行っていました」と、幼少時代からアウトドアには親しみがあったよう。

後付けした自作の棚に趣味道具を綺麗に収納

「趣味が多いので、当然ギアも多く……。セカンドハウスを作る上で、このビルドインガレージは外せない条件の一つでした」

ガレージの壁面収納を見るだけでもヒシヒシと伝わってくる、アウトドアへの情熱。趣味道具のサイズに合わせて空間を無駄なく活用しながらも、バスケットの上には少しのマージンを取ることで物を出し入れしやすい状態に。

愛用のタックルは、突っ張り棒を駆使してロフトの梁に。出入り口付近の天井には電動式のウインチを取り付け、自転車を吊り下げて収納していました。

動線の邪魔にならないよう壁や天井をうまく活用し、より多くの趣味道具を保管する内田さん。足場をしっかりと確保しているため、ガレージ内での作業はもちろん、遊びの支度もスムーズに。

住まう人の環境によって変化する、ガレージのカタチ

薪割り用の自前のチェーンソー&手斧

アウトドアなライフスタイルを思う存分にサポートしてくれる、実用性に優れたガレージですが、そのほとんどが彼による“手作り”というのだから驚きです。

「後から自分でカスタムできるように、壁をOSB合板にしてもらったんですよ。実はここを引き渡されたときはまっさらな状態で、ライトから棚の取り付けまでそのすべてがセルフ。OSBボードなら誰でも簡単に加工できますし、棚を打ちつけた後で『やっぱりやめた』というときも残ったネジ穴が気にならないのでおすすめです。ガレージは趣味の道具をいじるだけでなく、空間そのものをいじるのもやっぱり醍醐味ですからね」

使い勝手だけでなく、そのときの趣味嗜好によっても姿形を変える内田家の遊び場。左の写真は3年ほど前の内装で、現状とは大きく異なります。

「セカンドハウスが完成してすぐは、クライミングウォールを設置していました。当時ボルダリングにハマっていたこともあり、『家にウォールがあったら面白いんじゃないか』と板を調達し、以前通っていたクライミングジムからホールドをもらい、課題(ルート)も複数製作。ジムのように、課題別にテープの色分けもしていました。けれど、次第にガレージが手狭になってきて。それでウォールを撤去して、新たにロフトを設けました」

ロフトにはキャンプギアが収納され、クローゼットに入りきらないシーズンを終えた洋服なども保管されていました。

「ギア選びにはそこまでこだわりがある方じゃないんですけど、寝床作りにはこだわりがあって。例えば、ラックの上にあるナンガの二人用ダウンシュラフはお気に入りですね。というのも、二人用のシュラフって化繊が多くて、ダウンタイプってあまりないじゃないですか。なので、ショップに直接お願いして取り寄せてもらいました。おかげで、めちゃめちゃ軽くて暖かいシュラフをゲット。早くこれで、娘と一緒にキャンプしたいですね」

“欲しい”をたくさん詰め込んだ第二の拠点

セカンドハウスで手に入れた、彼のいう“遊び場”はガレージだけではありません。家の前に鎮座する大きなスケートランプこそ、“遊び場”作りの原点だったよう。

「スケートランプの大きさをどうするか。それをどこにどう置くか。そんな話から設計が始まったので、家のサイズや間取りは二の次。まずは、いろんなスケートショップを巡って『調子の良いアールの角度は?』『ボトムの長さは?』など、お店に置いてあるランプをとにかくリサーチしました。そうやって作りたいランプのイメージを固めていき、最終的に全長が決まったあと、『じゃあ、残ったスペースに家を作ろう』と」

大開口窓を全開にすると土間とウッドデッキが一つに。

「なので、この家は本来理想とされる南向きではなく、西が正面になっています。ランプの位置に重きを置いた結果ではあるんですけど、西側には近隣の家がないので人目を気にすることなく、さらに騒音対策にもなるので、かえってこの作りで良かったかなとも思っています」

ランプ作りを中心に「家の間取りは二の次」と言いながらも、本邸では実現できなかった“欲しい”をたくさん詰め込んだ第二の拠点。開放的な吹き抜けや薪ストーブの導入も、長年の夢を実現したもの。木材を多く使ったログハウスのようなこの作りも「木の温もりを感じられるように」という想いがあったからだそう。

遊びを存分に楽しむための、ほっとくつろげる“遊び場”

土間玄関から直接アプローチできるガレージ

「子供が小さいので外遊びに行く機会は減りましたけど、たまに家族3人で海に行って、一本のボードを夫婦交代で乗っています。もちろん、待っている間も夫婦交代でコハル(取材時、1歳2ヶ月)の子守り。そういえば、娘を背負ってスノーボードにも行きましたね。今のところ、彼女も外で遊ぶのが好きみたいです。でも、そんな外遊びの拠点でもあるこのガレージを、そのまま残すか、それとも違うカタチに変えてしまうか……。ちょっと迷ってもいまして」

「ゆくゆくは、このセカンドハウスを本邸にしようかなと考えているんですよね。ただ、独身時代に建てたということもあり、家族で住むとなると部屋数が足りず……。なので、いっそのことガレージに床を張って、ここを部屋にしてしまおうかなと。壁にはもともと断熱材を仕込んでいるので、部屋に変えても問題ないんですよ。ガレージは、余ったスペースにまた作ればいいだけの話で……」

自分たちの手で作り上げていく「ガレージのある暮らし」の魅力を、改めて実感させてくれた内田家のセカンドハウス。あえての“余白”を残しておけば、趣味嗜好の変化にも、ときにはライフステージの変化にも応えてくれ、自分好みに仕上げていく過程にすら喜びを感じさせてくれるはず。家を建てる際、「あれもこれも」と欲は出てしまいがちですが、ここは思いっきって“余白”から。暮らしのなかで彩りを少しずつ足してみてはいかがでしょう。

Photography / Ryosuke Yuasa  Text / GGGC

Doliveが提案する「THE HOUSE GARAGE PROJECT」は今の時代に合ったガレージライフとは?を、模索しカタチにした家。
好きなことをなんでも表現できて、大切な仲間たちと思う存分くつろげる。

家まるごとガレージの新空間に「自分らしさ」を詰め込んで、家族との時間も、自分の時間も目一杯楽しめる「THE HOUSE GARAGE PROJECT」は、そんなライフスタイルをお届けします。

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