林 哲平 PROFILE
BETSUDAI Inc.TOKYO / CEO
広告、出版系の企業にて映画・ファッション業界をはじめ、さまざまな企業の広告・プロモーションに携わった後、新築規格住宅のフランチャイズ『LIFE LABEL』、住宅エンターテインメントメディア『Dolive』の2つのネットワークの主宰として、両ブランドの商品開発から広告・マーケティングまでを手掛ける。 2020年4月には「株式会社社外取締役」を設立。オンラインサロンの運営、様々な企業や商品のプロデュースを仕掛ける。
BETSUDAI Inc.TOKYO / CEO
広告、出版系の企業にて映画・ファッション業界をはじめ、さまざまな企業の広告・プロモーションに携わった後、新築規格住宅のフランチャイズ『LIFE LABEL』、住宅エンターテインメントメディア『Dolive』の2つのネットワークの主宰として、両ブランドの商品開発から広告・マーケティングまでを手掛ける。 2020年4月には「株式会社社外取締役」を設立。オンラインサロンの運営、様々な企業や商品のプロデュースを仕掛ける。
GORDON MILLER(ゴードンミラー) / ディレクター
グラフィックデザイナーなどの経験を経て、2019年からGORDON MILLERに参画。以降ブランドディレクターとして、ブランディングの統括や制作物のデザイン、PR、プロダクト監修など多岐にわたる領域を一手に引き受ける。
<心踊るガレージライフ>をテーマにスタートしたブランド。ガレージユースやカーライフを前提とした機能的なデザインのガレージウェアやファニチャー、アウトドアギア、ツール、カーインテリア、カーウォッシュなどのさまざまなプロダクトを通して、愛車のある“ガレージ”から拡張していくライフスタイルを提案しています。
−さっそくですが、DoliveとGORDON MILLERとの出会いについて、まずは訊かせてください。
たしか、4年くらい前のこと。その頃ちょうど、僕らはFREAK’S STOREさんとのハウスプロジェクトを進めていて。もともとFREAK’S STOREにいた猿渡さんが、転職してGORDON MILLERに入ったということは、うちの社内の人間たちからなんとなくは聞いていました。
たしか、あるとき音楽フェスで偶然お会いしたんですよね。
そうそう、40℃近い猛暑のなか、飼ってるワンちゃんをカンガルーみたいに胸元に入れて歩いてきたのが猿渡さんで(笑) そこで軽く話をして、その後、一気に話が進んでいったんだよね。
−ひょんなタイミングで再会して、急にプロジェクトが動きはじめたと。それだけ心動かされるポイントがあったということでしょうか?
GORDON MILLERの世界観には、衝撃を受けました。たしか、最初はブランドカタログかなにかを見せてもらったんです。それで、「めっちゃおしゃれじゃん!」と。
ほとんど知名度もない、はじまったばかりのブランドでしたから。最初にお話をいただいたときも、自分はまだ就任したての頃。打ち出した方向性でその先も続けていけるのかも、いくべきなのかも、正直わからないような状況のときでした。そんななか、ブランドの世界観に「いいね」と言っていただけたことは、本当に嬉しかったですね。
GORDON MILLERのように、ブランドの世界観をきちんと表現している車のブランドって、ありませんよ。ハイエースやNVをメーカー協力のもとおしゃれにいじっちゃうっていう考え方も、個人的にすごく好きでしたし。もちろん社内の声も、「ゴードンさんとならいいよね」ということで一致していました。なにも迷うことなく、すぐに話を進めることにしました。
−そもそも、ガレージハウスをつくりたいとは、Doliveとしてはかねてから考えていたことなのですね。
最初の頃から考えていました。欧米では、住宅とガレージはセットで設計されるのがほとんどであることに比べて、日本では、基本的にカーポートといった外構は専門メーカーに外注してしまうんですよね。
−たしかに、アクリル板の屋根がついたタイプのカーポートは、よく見かけます。
そう。あれが家の前にあるだけで、もう住宅のデザインは破綻しちゃうじゃないですか。だからこそ、カーポートやガレージまでを一貫してクリエイティブディレクションする住宅を手がけたかった。
−ガレージハウスをつくりたいという想いがふつふつとしていたところに、GORDON MILLERの世界観に出合ったことで、プロジェクトが途端に現実味を帯びてきたというわけですね。
そうですね。一緒にタッグを組む相手は、つねに探していましたから。
−「新しいガレージライフの提案」。それが、今回のハウスプロジェクトの大きなコンセプトですよね。新しいガレージライフについて伺う前に、まず、これまでのガレージライフについて訊かせてください。猿渡さんは、これまでガレージにどのようなイメージを抱いてきましたか?
黒光りした鉄骨に囲まれた、男だけの趣味部屋。そういったイメージはやはりありますよね。それって、そのまま車業界にも通じるものだと思うんですが。そうした固定概念を崩すのが、今回のハウスプロジェクトの目標のひとつでもありました。
GORDON MILLERとのコラボレーションに迷いがなかったのもまさにそこで、もともと猿渡さんは、ガレージというアイデアにアウトドアやファッションといったライフスタイルの要素をうまく落とし込んでいましたから。とくに、インダストリアルなものをあえてしっとりと表現していたところが面白かった。
−「インダストリアルをしっとりと表現する」ですか?
僕がクリエイティブをするときには、「有機物になるように」とつねに心がけているんです。
有機物、なるほどすごくわかります。そういう見せ方がすごくうまいですよね。
ガレージや車って、放っておくとどうしても無機質になりがちですから。なので、たとえば撮影のときには、フィルムで撮影してもらう。有機的にするにはなにを選べばいいのか、という目線は、つねに指針にしています。それが、林さんの言う“しっとり”なのかもしれませんね。
−そうしたアナログ的な作法というのは、同時にいまの世の中のムードにも寄り添っていますよね。アナログレコードがふたたび注目を浴びていたり、キャンプを通してあえて不便さを楽しむというようなことも、同じ流れのなかにあるような気がします。
−ガレージライフと聞くと、外遊びとの相性もよさそうなイメージです。そうした趣味のための空間としても機能するのは、今回のガレージハウスにおいてもしかりでしょうか?
たしかにそうした使い方もできるかもしれませんが、どちらかというと、アウトドアと家のなかのハブになればいいなと考えています。アウトドアでの暮らしを、ガレージ通して家のなかに持ち込む。家でのライフスタイルを、そのまま大草原や海に持ち出す、みたいに。
「拡張するガレージライフを提案する」というGORDON MILLERのブランドコンセプトにも通じるところがあります。ガレージ自体をどうするというのではなくて、家のなかも外出先も、心地よく過ごすための中継地点。広い意味でのガレージライフとでも言うのでしょうか。さまざまなライフスタイルの起点を、新しいガレージが担っていくと思います。
−ガレージを設計することが、結果的に、暮らしや遊びの選択肢を広げていくことにつながると。ほかに、新しいガレージライフはどのような特徴を持っていますか?
「父親の趣味部屋、以上」となってしまうことも避けたかったんです。趣味や好きなことを、家族と離れずに楽しんでほしい。「ガレージにいてもひとりにならない」ということも、新しいガレージライフのキーポイントのひとつです。
つねに家族がともに時間を過ごせるよう、ガレージが、そのためのコミュニケーションポイントになってくれるはずです。