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Single O Hamacho, カフェ DATE 2022.04.30
古くから住む人たちと、真新しいオフィスで働く方々が混じり合う街、日本橋・浜町。この地に2021年オープンし、早くも「街の顔」といった雰囲気を漂わせるカフェが、今回紹介する「Single O Hamacho」。

「シングルオリジン」つまり単一の豆を使ったコーヒーを味わいながら、開放的かつ落ち着いた空間でゆったりした時間を過ごすことができると評判のカフェ。そんなお店の成り立ちから空間づくりのアイデアまで、広報を担当する安村大甫さんにお話を伺いました。

オーストラリア発、両国の焙煎所を経由で、浜町にカフェを。

Single O Hamachoのルーツとなるのは、オーストラリア・シドニーのサリーヒルズにあるカフェ、Single O。日本にもシングルオリジンコーヒーの魅力を紹介したいと、両国に焙煎所を構えたのは2014年のことです。

「当初はパンケーキで有名なbillsなどに焙煎したコーヒー豆を卸すという営業形態だったのですが、焙煎の香りに誘われて店を訪れる人たちからの要望もあり、2017年から土日限定のテイスティングバーという形で抽出したコーヒーを飲めるようにしたんです」と安村さん。

そこからさらに4年が経ち、ここ浜町にオープンしたのが、日本の旗艦店とも言えるSingle O Hamacho。とてもユニークなのが、「タップ」のサーブ方法。手渡されたカップを好きな銘柄のタップに置くだけで、まるで蛇口のようにコーヒーが注がれてゆき、10秒足らずですぐ飲むことができます。

「店舗デザインは、日本とオーストラリアの間でやり取りしながら、じっくり時間をかけて決めていきました。本国同様、随所にサステナビリティというメッセージを散りばめながら、日本橋に馴染むような形でローカライズを加えています」

その思い通り、この街にしっくりと馴染んだこの空間から、家づくりでも真似したくなるアイデアを探っていきます。

IDEA1:空間を活かしつつ「アートピース」でポイント付け

開放的な店内でまず目を惹くのが、高めの天井に浮かぶまるで雲のようなオブジェ。この作品「cloud」は、リサイクルされた厚紙をキャンバスにアーティスト・Ren Fernandoさんが珈琲や紅茶でペインティングを施したのち、形作られたもの。シドニーで飾られていたものをリユースしているというこのアートピースは、空間全体の一体感を生むと同時に、訪れる人を入口から奥へと誘うような動線も生み出しています。

そして奥に飾られているのは、アーティスト・鷲尾友公さんの手によるシドニーと日本橋のイメージがミックスされたペインティング。中心にいるのは鷲尾さんオリジナルのキャラクター「手君」。

「どこにでもありそうなものより、少しだけ個性的なもののほうがコミュニケーションのきっかけになると思うんですよね。『よく見るとエアーズロックや日本橋が描かれている』という点もポイントですね。これがあることにより、見知らぬお客さん同士での会話が生まれたりしているようです」

さらに床に目を移すと、コンクリートに埋め込まれたコインが。実はこのコイン、コーヒー豆の生産地のものだとか。これも「しっかりと生産地にお金を落とす」というメッセージのようにも思えてくるのが面白いところ。

こんな風にポスターやアートピースを使って、自分好みのテイストで空間にアクセント付けするのも素敵。サイズは大きめのものを、色使いはモノトーンやシンプルなものを選ぶと、より空間を引き立てることができるかもしれません。

IDEA2:素材をミックスしつつ「テーマカラー」を散りばめる

落ち着いた雰囲気でありながら、「ありがちなシンプル」とは一線を画しているのが、Single O Hamachoのインテリア。

「全体のイメージとしては、現代的な焙煎場ですね。木材や金属など素材をミックスしてインダストリアルな雰囲気を出しながら、Single Oのテーマカラーであるオレンジをいろいろなところに散りばめて仕上げています」

そんなお話を聞きながら周りを見渡してみると、吊り棚やタップなどの什器はもちろん、飾られた花やコーヒーのパッケージ、さらにメニューのステッチまでオレンジでポイント付けされていることに気付きます。

とはいえ、そのバランスは「言われてみると気付く」くらいの絶妙な加減。全体は落ち着いたトーンにまとめつつ、主張しすぎない程度にテーマカラーをポイント使いするというコーディネートも、参考になりそう。

IDEA3:サステイナブルも意識した、ユニークな「オリジナル家具」

タップや収納などが埋め込まれたカウンターや、天井から吊り下げられたカップディスペンサーなど、実用的でありながら見せ方に一工夫加えられたオリジナルの家具が使われているこのお店。

さらに「サステイナブルを意識している」とお話しされていたように、収納も兼ねたベンチは、木片を固めたOSBと呼ばれる環境に優しい板を使用したもの。さらにシックなグレーの壁は、衣類を再利用して作られているのだとか。

動線や収納を考えつつ、壁や天井などのスペースを上手に使った作り付けの家具やリサイクル素材などの取り入れ方も、ぜひ真似してみたいアイデアのひとつです。

IDEA4:室内にも外の雰囲気を取り入れて「開放的な空間」に

それにしても居心地のいいSingle O Hamacho。広くはないながら、開放的な雰囲気は、どこから来ているのでしょうか。

「入り口をフラットで大きく開かれた形にしていると同時に、統一感のあるテーブルを使うことで中と外の雰囲気を揃えているからかもしれません。オーストラリアでは、こんな風に間口の広いカフェも多いんですよね。通りからも店内の雰囲気がよく分かるし、室内にいても開放的な気持ちになると思います」

自宅においても、庭やベランダにウッドタイルを敷いたり、室内外で同じテイストのテーブルや椅子を配置したり、、室内でも屋外の雰囲気を感じる部屋づくりができそうです。

「居心地のいい空間で、ゆったりとした時間を過ごしてほしい」というSingle O Hamachoのホスピタリティの気持ち。それはお店のスタッフの接客はもちろん、空間づくりにも現れています。程よく個性も主張しつつ、訪れる人が心地よく過ごすことのできる空間づくりのアイデアを、ぜひ自宅でも試してみてください。
Single O Hamacho

東京都中央区日本橋浜町3丁目16-7
tel.03-4361-0479
7:30〜19:00、8:00〜19:00(土日)
HP

Photo / 川村恵理 Text / 木村浩章