住み手の趣味やライフスタイルに合わせた使い方・過ごし方を楽しむ人が増え、家の楽しみ方はまさに住人十色。
「アノ人のGARAGE LIFE」では、家の主役にならない“ガレージ”にフォーカスし、ガレージを意外な方法で堪能している人たちを紹介していきます!
車庫としてだけではなく、収納として、趣味空間として…好きなモノに囲まれ、好きなコトをして過ごす「ガレージライフ」。あなたも参考にしてみては?
元・和室がガレージ(土間)に?
今回訪れたのは、築22年の一戸建てをフルリノベーションした三塚さん(@322_ka)のご自宅。5DKだった間取りから開放感あふれる2LDKへと一新し、ここ2階にあるリビングは元々3部屋あったのをひと続きにしたもの。
「家族が別々の場所にいても気配を感じられるような。そんなリビングにしたかったので、視界を遮る壁を大胆に取っ払いました。耐震強度の問題でどうしても抜けない柱とかはあるんですけど、これも味かなと思っています」
改築により梁や柱などは露わになったものの、もとより「木を多用したい」と切望していた三塚さんにとっては好都合。床には温かみのあるパイン材を敷き詰め、調理をしながらリビング全体を見渡せるL字テーブルにも木目が美しい天板をセレクト。奥にあるステンレスキッチンとU字型になるよう連結させることで、調理台は広々、かつ無駄のない動線が作業効率を高めてくれます。
そんな快適動線を考えられた空間は、一階にも。
「普段は2階のリビングで過ごすことが多いんですけど、気分転換になる空間が欲しくて、元々和室だったのを土間に変更し、多目的なスペースを作りました。子供がまだ小さく、十分に外遊びができない今は、ここで趣味のキャンプ道具をメンテナンスしたり、DIYをしておうち時間を満喫しています」
日本的ガレージハウス? 玄関から土足で行き来できる、半屋外空間。
「基本的に、アウトドアのチェアとテーブルはこのような感じで出しっぱなしです。子供もよく、この土間に遊びにきますよ」
親子の遊び場となっている土間は、ガレージとしての役割も。
「以前住んでいたマンションは収納スペースがほとんどなく……。当然、キャンプ道具を置ける場所もなかったので、当時は車に積んだまま。なので、ガレージのような空間には強い憧れがあったんです」
自作したというキッチンテーブルの下は、コンパクトな冷蔵庫のほか、キャンプで使用するカセットコンロやカトラリー置き場に。隣にあるウッドボックスも三塚さんがDIYしたもので、こちらの中にもアウトドアな小物たちが。
“魅せる収納”と“隠す収納”を上手に使い分けながらも、「ハンドドリップコーヒーを楽しんだり、休日はあえてここでアウトドアギアだけを使い、家族揃ってキャンプ料理を楽しんだりも」と、実際に生活空間としても機能させることで、一部屋を納戸として潰すことなく居心地の良いスペースに。
自宅で味わうアウトドアな擬似体験はもちろん、玄関にそのままアプローチできる土間はリアルキャンプでも大きな力を発揮します。
「元々ここにも壁はあったんですが、2階のリビング同様に取っ払うことで玄関と土間をひとつなぎに。駐車場も玄関出てすぐなので、キャンプ支度がかなりラクです」
可動式のウォールシェルフ&テントを干すのに便利なフック
趣味を最大限に堪能できる自宅を手にした三塚さん。大きさの異なるキャンプ道具も、可動式のウォールシェルフを採用することできれいにディスプレイしていました。
「リノベーションする際にレールだけつけてもらって、棚は必要に応じて自分で購入したものを。荷物が増えたら棚を増設できるので、レイアウト変更も容易です」
こちらの小さなフックは、キャンプ好きのとある悩みを解消するための一工夫。
「キャンプから帰ってくると、テントやタープなどはカビないように一旦袋から出して干さないといけないんです。でも、案外干す場所に困って……。それで、テントを引っ掛けられるフックを部屋の四隅に取り付けました」
自分好みにできるのがリノベーションの醍醐味
そして、この土間は三塚さんご家族だけのプライベートなキャンプ場にもつながります。
「元々縁側があったんですけど、そこに自分で板を足してウッドテラスに。道路に面しているので、周りからの視線が気にならないようにD.I.Yでフェンスを取り付けて、オルタナティブ柄も自分で描いてみました」
プライバシー保護が本来の目的ではあるものの、このようにデザイン性を加えればモダンな雰囲気に。
「天気の良い日は、テラスにチェアやコットを出して、のんびりとした時間を過ごしています。夏はここでBBQもしますし、キャンプに行けない日もここがプチキャンプ場として活躍しています」
ビルドインガレージとは一味違う、玄関土間。
海外と違って、土地が比較的狭いここ日本では「ガレージのある暮らし」は難しく思われるかもしれません。しかし、ガレージのカタチは人それぞれ。
今回お邪魔した三塚さんの土間は、厳密に言えばガレージではないけれど、ガレージ同様に家と外のライフスタイルをつなぐ空間として機能する。これは、ガレージそのものと言えるのではないでしょうか。
Doliveが提案する「THE HOUSE GARAGE PROJECT」は今の時代に合ったガレージライフとは?を、模索しカタチにした家。
好きなことをなんでも表現できて、大切な仲間たちと思う存分くつろげる。
家まるごとガレージの新空間に「自分らしさ」を詰め込んで、家族との時間も、自分の時間も目一杯楽しめる「THE HOUSE GARAGE PROJECT」は、そんなライフスタイルをお届けします。
Photography / 菊池貴裕 Text / GGGC