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BOOK AND BED TOKYO SHINJUKU DATE 2022.09.07

本棚の中で眠る。歌舞伎町にできた泊まれる本屋
BOOK AND BED TOKYO SHINJUKUの空間のアイデア

新宿・歌舞伎町。さまざまな人が行き交い、夜も元気なこの街に登場した「泊まれる本屋」をコンセプトとしたホステル〈BOOK AND BED TOKYO〉新宿店。常時3000冊の本が並び、その奥には宿泊ができるベッドスペースがあります。お気に入りの本を読みながら寝落ちするのは至福の時間。そんな夢を叶えてくれる唯一無二の空間の魅力について伺いました。

大きな本棚に囲まれた空間で、思う存分に寝落ちを体験する

このホステルのコンセプトは「寝落ち体験」。手がけたクリエイティブディレクターが、バーで飲んでいた際、このまま寝落ちできたらどれほど気持ちいいだろう、と思ったのが最初のスタート。その心地よさを突き詰めていったところ、本を読みながら眠るのが寝落ちとしては最高に幸せなのでないかと、本と宿泊をドッキングすることを思いついたそう。

場所はどこからでもアクセスがしやすい新宿・歌舞伎町。夜の街としても知られていますが、映画館や劇場があり、巨大エンタメ施設も建設中と、老若男女、多様な人が集まるエリアでもあります。そんなキャッチーな歌舞伎町らしさをさりげなく取り入れているのも、ここの見どころのひとつ。

「オレンジのネオン管を全体に巡らせ、奥の空間にはミラーボールもあります。それらを配置することで新宿のギラギラ感を表現しています。でも、下品になってしまわないよう、あくまで場所をイメージさせるアクセントとして取り入れています」

本に囲まれた空間で眠る。ブックラウンジのデイユースも可能な新しい体験には、家づくりのアイデアが、いろいろ隠れていそうです。

IDEA1:好きなものを吊るすことで、空間に楽しさを

ここを訪れてまず目を引くのが、天井から吊るされたマンガのページの数々。飾られているのは大友克洋のマンガ『AKIRA』。このマンガの舞台となる近未来都市が新宿にも通じると、この場所を象徴するアイテムとして、メイン空間に配置されています。

「特徴的でインパクトがあるので、海外からのゲストにも覚えてもらえます。歌舞伎町の持つフューチャリスティックなイメージが、ネオン菅とあいまって効果的に生かされていると思います」

よく見ると、天井には木材が格子状に組まれています。これを取り付けることで、自由にハンギングができる仕様に。格子でなくても、例えば部屋の天井の一部にハンギング用バーを設置するだけでも、このアイデアは実現可能。さらに、部屋の床面積が狭くてもできるのが、このアイデアのいいところ。縦の空間を有効に活用することで、インテリアの幅が広がります。照明や植物だけでなく、子どもが描いた絵や写真、お気に入りの布など、自由な発想で好きなものを吊るしてみては。他にない、オリジナリティのある空間に仕上がります。

IDEA2 : 本は見せる収納でインテリア性をアップ

ものを隠すのではなく、あえて見せるように置く。そんな収納術がここ数年注目されています。クローゼットにあえて扉をつけず店舗のように洋服を並べたり、食器を一望できる食器棚にしたり。目で認識することで、今まで仕舞い込んでいたものの活用度が高まるという利点があります。

〈BOOK AND BED TOKYO〉の本の並べ方も見せる収納の一例。ひな壇になっているエリアでは、本の表紙を正面に見せて並べています。これにより手に取る回数も増える上、写真集や作品集ならば、アートと同様の感覚で飾ることができます。

「表紙が見えるほうが読みたくなるのか、手に取る方が多いですね。本棚でもところどころ表紙を見せて置いています。ただ背表紙が並んでいるよりも空間にリズムも生まれます」

ひな壇を作ることはできなくても階段に1冊ずつ置いてみたり、窓の額縁部分に置いたり、壁に立てかけておくだけでも十分。時々、入れ替えればちょっとした模様替えにもなりそう。せっかく美しい本を持っているのならば本棚にしまっておくだけではもったいない。ビジュアルとして生かしてみることもお勧めです。

さらに、雑誌の収納の仕方にも工夫があります。バーにかぶせるように雑誌を掛けて、インテリアの一部に。表紙を季節感のあるものにしたり、イラストばかりでまとめるなどテーマを決めれば、自分らしさも出てきます。

IDEA3 : 空間をゾーニングして気分を変える

本棚が仕切りの役割を果たし、ひとつの空間をゾーニングしているのもここの特徴。

「オープンのようにも見えますが、実は本棚を絶妙に配置することで、路地のようになっていて、ソファに座ったときでも他の人と視線が交わらないように設計されています。満室になっても、それほど人が混雑している感じがないので、自分の世界に浸ることができます」

窓辺にソファを並べたり、囲われる場所を作ったり。ちょっとずつ雰囲気を変えることで、気分に合わせて居場所を定めることができます。自分の家でも例えば本棚やチェストなどの置き家具を壁際にくっつけるのではなく、あえて部屋を仕切るように置いてみる。窓際の一角を家具などで囲って椅子を置くだけでもサンルームのようになって、気持ちが変わってくるはずです。

また、ベッドも本棚の一部になっているものもあれば、カプセルホテルのように2段になっている場所も。2人で泊まれる広めの個室も用意されています。そのまま真似することは難しくても、子ども部屋のベッドを収納家具と一体にしたり、寝室には何も置かず、あえてベッドのみするなど、参考になるエッセンスはいろいろ。

本と一緒に眠る。寝落ちという幸せな瞬間を空間によって作り上げた〈BOOK AND BED TOKYO〉。そのコンセプトに添うように、誰もがくつろげるディテールが、そこかしこに散りばめられています。天井からの空間の使い方、本の収納の見せ方、空間を仕切るアイデアなど、好きなものを生かした自分らしい家づくりをするためのアイデア、ぜひ参考にしてみてください。
BOOK AND BED TOKYO SHINJYUKU

東京都新宿区歌舞伎町1-27-5 歌舞伎町APMビル8F
営業時間:カフェ12:00〜24:00、デイタイム(ブックラウンジ使用)13:00〜21:00(20:00最終受け付け)
宿泊:¥3,720〜 全55室 シャワールームあり 
チェックイン:16:00〜 チェックアウト:〜11:00
HP

Photo / 川村恵理 Text / 三宅和歌子