DATE 2026.01.08
「和」を今の感性で翻訳する。NIHON NOIE PROJECTで見つける、あたらしい日本の家の住まい方。
日本の家がずっと大切にしてきた、光の入り方や風の抜け方。そんな伝統の知恵を「今の暮らし」の延長線上で、もっと自由に楽しむとしたら?
Doliveがつくった家「NIHON NOIE PROJECT」は、単なる懐古趣味ではなく、現代の家具や遊びがしっくり馴染む「あたらしい日本の家」です。テキスタイルブランド「SOU・SOU」と共に目指したのは、凛とした空気感がありながらも、住まうほどに自分自身が整っていくような心地よいスタンダード。今回は、その魅力の核心と、理想の空間を叶えるためのインスピレーションを紐解きます。
日本の伝統を、今の感性で楽しむ「NIHON NOIE PROJECT」

「NIHON NOIE PROJECT」は、「あたらしいのに、なつかしい。」をコンセプトに日本人が古来より大切にしてきた知恵や素材を、現代のライフスタイルに合わせて再定義した住宅です。単なる「和風の家」の再現を目指すのではなく、今の私たちが心地よいと感じるデザインや機能性をこの家に落とし込みました。
ともに作ったのは、京都のテキスタイルブランド「SOU・SOU」。私たちが目指したのは、古き良き日本を単に紹介するのではなく、今の暮らしの延長線上で楽しめる「現代の和」を表現すること。それは、伝統的な和のルールに縛られるのではなく、日本らしい機能美を今の感性で使いこなすことで生まれるはずです。この家が提案するのは、住まうほどに自分自身が整っていくような、新しい和の住まいのスタンダードです。
外と中をフラットに繋ぐ「通り土間」という自由な居場所

このプロジェクトが大切にしているのは、暮らしの中に「余白」を作ること。その象徴とも言えるのが、入口から奥へと続く「通り土間」です。これまでの日本家屋における土間は、あくまで作業場や通路としての役割が中心でした。
しかし、「NIHON NOIE PROJECT」ではここを「家の中で一番自由なプレイスポット」として楽しむことも。お気に入りの自転車や植物をラフに並べてギャラリーのように楽しむこともできれば、汚れを気にせず趣味のメンテナンスに没頭することもできる。内と外をゆるやかに繋ぐこの場所は、住む人の個性を一番自由に表現できる舞台になります。
「縁側」は、家で一番身近なアウトドア・リビング

深い軒に守られた「縁側」も、「NIHON NOIE PROJECT」には欠かせない要素です。窓を全開にすれば和室が庭まで広がるような開放感が生まれ、椅子を置かなくても段差に腰掛けるだけで、そこは最高の特等席に変わります。
朝のコーヒーを飲んだり、お風呂上がりに涼んだりと、わざわざ遠くへ出かけなくても、日常の中で季節を肌で感じることができる。そんな一番身近なリフレッシュスポットが、家に備わっています。天候に左右されにくい深い軒があるからこそ、雨の日の匂いや風の音を愉しむといった、日本ならではの贅沢な時間が流れます。
現代の家具が映える、開放的なフローリングリビング

リビングスペースは、現代のライフスタイルに合わせ、あえてフローリング(板間)で構成されています。これにより、お気に入りの椅子やテーブルといった洋風の家具を自由にレイアウトすることが可能です。
一方で、大切にしているのは日本らしい「低座」の視点。板間のリビングでありながら、隣接する和室や庭との繋がりを意識した設計により、重心を低く保った落ち着きのある空間が広がります。無垢材の足触りや、障子越しに広がる柔らかな光を感じながら過ごす時間は、ノイズを削ぎ落とし、自分本来のリズムを取り戻させてくれます。板間だからこそ、ラグを敷いたり、ローソファをレイアウトしたりと、自分らしい寛ぎの形を柔軟にアレンジできるのが、このリビングの魅力です。
HOUSE RECIPEを参考に、あなただけの和モダン空間を
「NIHON NOIE PROJECT」の世界観をより楽しむヒントが詰まった、3つの具体的なインスピレーションのもと、HOUSE RECIPEを紹介します。
01. 現代の素材でつくる、大正モダンな喫茶空間


渋谷にあるバー「THE BELLWOOD」のレトロモダンな空間。あえてアンティークを使わず、現代の素材にエイジング加工を施した木材や、ヨーロッパの壁紙、現行品の幾何学模様パネルを組み合わせることで、唯一無二の世界観を構築しています。「和」という枠組みの中で、ストーリー性のある装飾をどう楽しむかのヒントが詰まっています。
02. 吉野檜の大黒柱が主役。人が集まる温かなリビング


編集者の徳さんが目指したのは、人が自然と集まるようなリビング。空間をゆるやかに仕切る吉野檜の大黒柱(錆丸太)を主役に、温かみのあるナラ材の床、そしてDIYで仕上げたシリカライムの壁が、実家の居間のような安心感を生んでいます。収納付きの長いベンチを「床の間」感覚で使うなど、現代の板間リビングに和の落ち着きを添えるアイデアが光ります。
03. 石と木を使い、心休まる静寂を


世田谷代田にある温泉旅館「由縁別邸 代田」。伝統的な欄間の格子の幅をあえて15mmと細くしてモダンに見せる工夫や、目地のない滑らかな床石、室内の「小さな自然」の配置など、細部にまで美学が宿っています。伝統的な意匠を現代風にどう「翻訳」して取り入れるか、さまざまなアイデアがここにつまっています。

