Dolive Doliveってなに?

DATE 2022.11.01

00(ゼロ)でどう暮らす?
#1 優しい距離感で地域とつながるシェアハウスOKARA

誰と、どこで、どう暮らす? この組み合わせ次第で暮らし方は無限大。自由な組み合わせを選んでいる人の暮らしを覗いて、これからのライフスタイルのヒントにしてみるのはどうだろう。Doliveの新しい家「No.00(ナンバーゼロ)」を想像のベースに、さらに新しい暮らしのアイデアをインタビュー。もしあなたが「No.00」に住むのなら、誰と、どこで、どう暮らす?
Doliveの新しい家「No.00(ナンバーゼロ)」って?

暮らしへの自由な想像の邪魔をしない、プレーンでノンデザインな家。オリジナルのままでもカッコイイし、そこから自由にアレンジしてももちろんOK。「No.00」に自分らしいライフスタイルを味付けして楽しもう。

地域に開いたリノベ一軒家でクリエイティブに暮らすシェアハウス「OKARA」

豊島区の住宅街に建つ、昔ながらの一軒家。ここは、当時建築を学ぶ東大生だった木村七音流(きむら・ないる)さんが2017年に友人と始めたシェアスペース「OKARA」。2022年現在はシェアハウスとして、年齢も職業もバラバラの7人が生活しています。

「リノベーションスクールっていう、空き家を区で集めて、使いたい人とマッチングさせるイベントがあったんです。そこに参加していた僕の友人が、この物件の存在を教えてくれて。最初は、この地域の人に使ってもらう場所にする、という目的でリノベーションをしたんですけど、コロナで人が集まりにくくなって、だんだんとシェアハウス色が強くなりました」(木村さん)

シェアスペースを始めた頃は「誰かが2階に暮らしながら、1階を地域に開放して暮らす」というコンセプトだった為、あえて「人と人とが自然に距離を取れるように」リノベーションをしたのだそう。

「リビングはわざと人が集まる場所を分散させています。誰かが喋っているとき、そこに参加してもいいし、しなくてもいい、みたいな距離感をつくりたくて。ちょうどこの家を作る前くらいに、大学で『家をどう地域に開けるか』という課題があって、『街に大きく開いて、誰でもいつでもウェルカム!』みたいな案も出ていたんですけど、そこで暮らすのって難しいよなと思ったんです。なので、住人に負担がかかり過ぎない距離感で街の人とも繋がれるような家がいいなと思いながらOKARAをつくりました」

2022年現在は創作活動をするメンバーのラボになっている部屋が、元々は地域に開放していたコミュニティスペース。壁には近所に住む子どもたちが描いた絵が残っています。

「最初は外にもテーブルを置いて、縁側からコミュニティスペースに入ってもらう動線にしていました。住人の玄関は別にあって、リビングを挟んでいるので、軽く挨拶する程度の人はコミュニティスペースでコミュニケーションをとり、仲良くなってくるとリビングに入ってくる。そういう何段階かのゆるいフィルターをつくったので、程よい距離ができたかなと思います」

コミュニティスペースとリビングの間には半透明の黄色のツインカーボを採用。「人がいることは分かるけれど、無理にコミュニケーションを取らなくていい、距離感をつくれる素材です」(木村さん)

住む人、利用する人の色に合わせて、表情が変わる家

シェアハウスとして住人が増える前は一泊「トンカツ定食程度」の宿泊料で友人がよく泊まっていたのだそう

そこにいる人たちがお互い程よい距離をつくれるからか、コロナ禍で積極的に人を呼べなくなった後も、知り合いが集まり、住人が増えていったOKARA。住む人が増えたり、入れ替わることで、家自体の表情も徐々に変わってきたと言います。大きな変化としては、コミュニティスペースだった場所が最初はテレワーク部屋になり、その後、構造エンジニアの下田さんやファションデザイナー・プロさんのラボ兼アトリエになったこと。

奥の棚は元々あった障子戸の枠を利用して作った棚。下田さんの作品が飾られています

「あとは例えば、冷蔵庫の掲示板はここ1、2ヶ月ぐらいでできたものです。マサヒロくんっていう子が引っ越してきて、みんな働いていて家にいない時間が多いので、コミュニケーションが取れる仕組みが欲しいってことで、掲示板をやることになりました。それと、微妙な違いではあるんですけど、料理をする人が増えたので調理道具を置く場所が広くなったり」

ダイニングの隣にある段違いの畳スペース。その時住んでいる人によって壁に貼ってあるものや本棚に並ぶ本のテイストが少しずつ変化してきたそう。

また、家の外に設置された「机上のものご自由におもち下さい」コーナーも新しい変化のひとつ。「(コミュニティスペースを地域に開けなくなった後、)何か代わりにできることがないかなって思っていたときに、近所の方に荷物を処分したいから『ご自由にお持ちください』みたいなこと、あなたの家でできない?って言われて、置くことにしたんです。そしたら、別の方も不用品を置きたいって、徐々につながっていって。積極的に始めたというより、気づいたらそうなっていました。割とすぐいろんな物がはけていくんですよ。冷蔵庫とかテレビとか、ぬいぐるみとかも意外と早くなくなるんです」

シェアハウスにつけられた「OKARA」という名前は、家主が近くの商店街でお豆腐屋さんをやっている方だったこと、オカラのように「使われなかったもの(空家)を使っておいしいものを作っている」ことが由来のひとつだそう。人に合わせて変化できる柔らかさを持ったことで、自然と人や物が集まり、親しみやすい味が生まれているところも、なんだかオカラに似ています。

地域と繋がる、新しい家。OKARAメンバーが暮らす「No.00」

そんなOKARAのメンバーたちが「No.00」に住むとしたら、どんな家と暮らしになるだろうか。現メンバーのうち4人が住人、他3人は遊びに来たり、働きに来たりする仲間、という設定で考えてもらいました。

マサヒロさん:
今のOKARAはドミトリーみたいな感じやんか。この家も、できるだけシェアスペースに広い空間をとって、寝る場所とかは最小限でいいかも
木村さん:
いいと思う。基本のプランにあった1階の1部屋はなくして、玄関入ってすぐのスペースをもっと広く使うのもありだよね。食べ物を売ったりするなら、1階にキッチンがあってもいい
マサヒロさん:
近所の人が自然に立ち寄ったりする今の感じは残したいよな。この前、プロさん、クレープ屋さんやろうかなって言ってたやん?
木村さん:
クレープ屋は、屋台みたいな発想じゃダメかな? 広い土間って縁側的な役割になると思うから、お店は家から出しちゃった方がやりやすい気がする
下田さん:
確かに。屋台は庭に出して、普段は土間にしまっとけばいいね
マサヒロさん:
あとは、今のOKARAにある感じも入ってると面白いと思う。1階に居場所がたくさんあって、基本プランでは部屋になっているスペースを小上がりにして、自由に入れるようにするとか

1F:左奥の小上がりは、現在のOKARAのような雑魚寝もできる畳のスペースに。ツインカーボの障子戸でゆるく分断されています。お絵かき用の壁も。

「OKARAのNo.00」は、現在と同じ、地域の人と程よい距離感でつながれる1Fのシェアスペースが基盤に。屋台で販売するクレープを買って帰るだけでもいいし、顔見知りになった人は畳の小上がりでゆっくり食べてもOKのようです。遊びに来たOKARAメンバーも畳でごろ寝の予定。2階は一体どうなる……⁈

プロさん:
2Fのリビングも、半分はシェアオフィスでもいいんじゃないかな
オオワダさん:
2Fで仕事するから、リビングとキッチンを分けたいね
木村さん:
本棚でスペース分ける?
アベさん:
いいね。図書館風にするとかは? 1Fのシェアスペースとは性格が違う、もうちょっと静かに過ごす場所にするとか
アベさん:
そしたら、1Fから靴は脱がずに、そのまま階段を上って行きたくなるね
木村さん:
じゃあ、2Fのコワーキングスペースはそのまま靴で入れるようにしようか。で、コワーキングスペースとリビングの間に、腰くらいの高さの本棚を置いたら、程よく空間を区切れるんじゃないかな
下田さん:
いいね。窓際にデスクを作れば景色を見ながら仕事もできるしね。あとは、プロの服をこのフローリングのスペースに置きたいですね

2F:完全にプライベート空間となっている現在のOKARAとは違い、No.00では2Fにもコワーキングスペースを。1Fの土間からそのままつながるような研ぎ出し(細かい石をモルタルに混ぜた素材)の床にしたいそう。

リビングにはテレビではなくプロジェクターを置いて……などなど、No.00での暮らしの想像は少しずつ具体的に。7人と地域の住人たちが、それぞれの関わり方でゆるくつながるOKARAハウスのスタンスをまるっと引き継いだ、風通しのいい家になりそうです。

「OKARAに住んでいなかったら日々バタバタしているんですけど、帰ってきて誰かと喋ることでアイデアが浮かぶこともあります」とメンバーの下田さん。No.00で暮らしたとしても、そこに居る人と人とが影響し合いながら、家にそれぞれの味つけがされていく様子は、今と変わらないかもしれません。

Photography/宮前一喜 Text/ 赤木百(Roaster) Illustration/谷水佑凪(Roaster)