![成功の鍵は、いかに“好き”を伝えるか。家主のキャラクターをにじませる家づくり術。](https://resumu-prod.s3.amazonaws.com/uploads/12/f0199ba6c23a9cc676a29c561fafcfe48eb7c880.jpg)
一度見たら憧れる、おしゃれでこだわりが詰まった家。でも、「そんな家ってどうやったらつくれるんだろう」「建築のプロじゃないとつくれないのでは」と感じている人もいるのでは。“あの人の家づくり手帖”は、個性的な家をかたちにした経験者から具体的な家づくりアイデアを伺う企画です。
今回登場いただくのは、広告代理店に勤務するtatuaさん。都内にあるマンションの一角を購入し、思いのままにリノベーション。徹底したイメージ収集と独自のイメージ共有により、家主の“好き”を凝縮させた家づくり術に迫ります。
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- 家ができるまで
設計士のセンスに委ねるために、
インテリアにとどまらない“好き”を判断軸に。 - 家づくりアイデア①
ひと目惚れした建材こそ、複数のサンプルを吟味。 - 家づくりアイデア②
造作キッチンに合わせた、臨機応変なアレンジ。 - 家づくりアイデア③
近い未来に向けた“余白”のあるオープン収納。
設計士のセンスに委ねるために、
インテリアにとどまらない“好き”を判断軸に。
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tatuaさんは広告代理店に勤務。お仕事柄、店舗の内装に携わることも多いとか。それだけにインテリアへの造詣が深く、さらには少年期の経験からも「いつかは自分だけの家を」と考えていたといいます。
「部屋が足りなくなるくらいの大家族で育ったため、自室がわりにプレハブの小屋をあてがわれていたんです。当時は勉強机やベッドの配置を工夫するくらいでしたが、あの原体験があったからこそ、家づくりに強い興味を覚えたのかもしれません」
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「予算的に、一軒家はちょっと厳しい。それなら」とリノベーションを選択。その段階から家づくりに対する明確なビジョンを持っていたのかと思いきや、意外にも答えはNO。
「理想を細かく思い描いても、物件の構造や広さに左右されてしまう。そうした体験談を目にしていたので、本格的に考え始めたのは物件の決定後。水回りの位置は維持しつつ、大枠はスケルトンにすることを前提に、想像を膨らませていきました」
想像を膨らませるために用いたのはPinterestやInstagram、それに「Dolive」も参考にしてくださったそう。画像共有のSNSやWEBメディアから理想のインテリアをすくい上げ、それらを元にさらに画像検索。自分の好みにも、物件に当てはめても違和感なくハマるイメージソースを突き詰めていったとか。
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そうして固めた理想像を設計士に伝えるため、tatuaさんはイメージボードを作成。画像の共有はもちろん、具体的な要望は文字で書き出し、資料の最後にはご自身のプロフィールまで添えたというから驚きです。
「理想の細かなニュアンスまで伝えきるのは、なかなか難しい。最終的には設計士さんの感性に委ねるしかないと思うんです。そこで、ひとつの判断軸をお示しした感覚ですね。簡単な経歴に加えて、好きな映画や音楽、ファッションのテイストも箇条書きにして」
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インテリアにとどまらない好みを共有し、その好みを判断軸に設計を一任する。「理想の家に仕上がりました」とtatuaさんが顔をほころばせる理由は、独自のイメージ共有にあるのかもしれません。
tatuaさん宅から紐解く、家づくりアイデア
家づくりアイデア①
ひと目惚れした建材こそ、複数のサンプルを吟味。
≪キーワード≫
#リビング #昭和の建築家の住まい #コペンハーゲンリブ #床材 #パーケット
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tatuaさんの家づくりのテーマは、昭和の建築家の住まい。なかでもテーマを具現化しているのが、リビングに張られたウッドの壁。明るすぎず暗すぎず、どこか渋みのある色合いに、懐かしくもモダンな印象が漂います。
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「この壁はコペンハーゲンリブといって、音響効果のある建材なんです。SNSで一目惚れした画像を保存して、設計士さんにも共有して。ただ、ひと口にコペンハーゲンリブといっても、色のニュアンスだったり、縦に入った窪みのピッチだったり、表情はいろいろ。複数のサンプルを用意してもらって、かなり吟味しました」
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テーマにぴたりとハマった建材だけに、妥協はゼロ。パーケットの床材も複数のサンプルを請求し、壁との調和を見ながらセレクトしたとか。そのこだわりがあってこそ、テーマに忠実な住まいの姿を実現させています。
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家づくりアイデア②
造作キッチンに合わせた、臨機応変なアレンジ。
≪キーワード≫
#キッチン #アイランドカウンター #240cmの天板 #ステンレス #人が集まれるキッチン
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「手料理で人をもてなすのが好きなんです。でも、壁に面したキッチンだと、料理をしている最中は友人との会話もままならない。それって寂しいじゃないですか(笑)」
寂しさを解消すべくアイランドカウンターを選択し、天板の幅は約240cm。調理中にも友人との会話を楽しめるよう、3・4人が座れるだけの広さを確保しています。また、調理とのしやすさと食事のしやすさを重視するため、高さにもこだわったとか。
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「その結果、キッチンの高さに合うイスが見つからなくて(苦笑)」という想定外に見舞われるも、そこは臨機応変に。脚をカットしてくれる家具屋さんを探し出し、ご自身のこだわりと居心地を見事に両立させています。
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家づくりアイデア③
近い未来に向けた“余白”のあるオープン収納。
≪キーワード≫
#土間玄関 #クローゼット #オープン収納 #ガチャ柱
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玄関の土間に設えられたクローゼットも、こだわりの器や調理具が並んだキッチンも、tatuaさんの住まいの収納はオープンスタイルが基本。家具としてキャビネットがある以外は、基本的に閉じた収納がありません。
「扉のある収納を造作すると、部屋の開放感が損なわれる気がしたんです。それに僕自身、今の生活がずっと続くとは限らない。インテリアの趣味が変わるかもしれないし、誰かと一緒に住むことになるかもしれない。そのための余白を残しておきたくて」
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tatuaさんがオープン収納を選んだ理由は、近い未来に備えた余白。オープン収納にはガチャ柱が用いられ、棚板の位置が変えられる仕組み。これもまた、今後、増減していく器や衣装に向けた備えです。
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もっと知りたい、tatuaさん宅のアイデア
“好き”を詰め込めば、家が好きになる。
「工務店さんの力を借りながら、“自分でつくった”という実感があります。自分の好みを凝縮した空間だけに、ここに引っ越して以来、家が中心の生活。仕事が忙しくなると、どうにかして家で過ごす時間を捻出しようと躍起になるくらいです(笑)」
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ちなみに、tatuaさんの最近の趣味はキャンプ。「道具も増えてきたので、土間にキャンプ用の収納を作ろうと思っていて」だそう。
玄関に設えた広々とした土間のスペースも、tatuaさんが残したひとつの余白。家主の好みを凝縮した家づくりは、これからも続いていきます。
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Doliveアプリには、あなたのこだわりを助けてくれるアイデアがたくさん。 気になった記事に「いいね!」を押して保存すると、後から見返すことができるあなただけのアイデア帖に。さらに理想の外観・内観をシミュレーションできる機能も搭載。具体的な仕様まで検討できるので、実際に家づくりを行う際のイメージとして活用できます。
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photo/中野理 text/大谷享子 illustration/kozo