並ぶのは猫の本だけ!3匹の猫店員に会える本屋
−Cat’s Meow Books【後編】−
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こにゃちは!ボク、Doliveの看板猫たわし。いろんな先輩にゃんこの暮らしを見学して、猫にとって居心地のいい家やライフスタイルを勉強しているんだ。
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前回に引き続き、猫店員に会える本屋「Cat’s Meow Books(キャッツミャウブックス)」にお邪魔しているよ。今回は、3匹の猫店員さんとお客さんが、お互いに心地よく過ごせる工夫について詳しく教えてもらうんだ!
〈今日のテーマ〉
猫と人が、互いに心地よい本屋って?
●猫店員は奥で待機
Cat’s Meow Booksの店内は、約8坪の縦長の空間を引き戸で仕切り、手前と奥でスペースを分けています。手前は写真集やコミックなど、さっと読み切れるものを中心に。奥は古本も並び、じっくり読む小説や実用書などが揃っています。また、猫店員が過ごすのは奥のスペースのみ。そのため、猫が苦手な人でも入店しやすいことが特徴です。
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ボク達って警戒心が強いから、知らない人が近づいてきたら、まずは観察したいよね。その点、扉越しにお客さんの気配を感じられるのは、心構えができていいね。
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そうそう。いきなり鉢合わせすることなくて、安心やで。奥まで来るお客さんは、猫店員と少しでも交流したい人がほとんど。うちらもすぐに気を許して、側に寄って行けるんや。
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それに、気分が乗らないときはすぐ2階へ上がれるようにって、天井に穴が空いてるの。
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わっ!本当だ。これは珍しいね〜。
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お父さんが設計士さんに相談したら、すぐ作ってくれたらしいで。万が一のために、逃げ道があると思うと安心やな。
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なるほどね〜。猫店員の心理的な負担が少ないように設計されているんだね!
●売り場は猫店員の居心地を重視
店内奥スペースは、本の売り場でありながら、猫店員の遊び場や寝場所の役割も果たしています。天井近くには、室内を一周できるキャットウォークを設置。さらに、キャットウォークから本棚、床へと猫達が移動できるよう、棚板には丸い穴が。安村さんがお店をオープンする際「一番実現したかった」という、猫と本を同時に愛でられる本棚です。
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この本棚、たーのしーい!ボク高いところを上り下りするの大好き!ジャンプで飛び乗れる場所もあるし、みんなで追いかけっこするのにも最適だね。
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そうやろ?あちこちに寝床もあるし、外も見えるし、勤務時間中もめっちゃ快適!
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それに、私達3匹ともすごく仲良しなの。本当の姉妹じゃないけど、チョボ六が長女、さつきが次女、私が末っ子って感じ!みんなが職場環境に満足してるから、ケンカもなく楽しく働けるわね。
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本棚の下に、猫トイレもあんねん。中で換気扇が回っててニオイもこもらんし、人目も気にせんでええし、気に入ってんねん。
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ニオイってボク達も気になるけど、お客さんだって気になるもんね。猫トイレが隠れてると、猫も人もストレスフリーだね!
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今、お店は開店時間が14時〜19時半。でも、うちら朝の7時半から夜の22時くらいまで、店内で気ままに過ごすことがほとんどやで。
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そっかあ。それだけ居心地がいいんだね。お客さんが出入りするのに、それだけリラックスできるってすごいなあ。
●ゆったり過ぎる時間を楽しむ
猫店員のいるスペースには長テーブルと椅子が置かれ、ビールやコーヒーを注文して座って飲むことができます。ドリンクを飲みながら購入した本を読み、猫店員を眺めたり、お客さん同士で交流したり。思い思いに時間を過ごすことができるのも、Cat’s Meow Booksの魅力の1つ。「ぜひ店内でゆっくりして、本棚の隅から隅までじっくりと眺めてほしいですね」と、安村さん。
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お店には本が何冊くらいあるの?
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だいたい4000冊、並んでるらしいわよ。
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そんなにたくさん!?読み切れないくらいあるね。
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せやけど、棚にさりげなく増えた本にすぐ気がつく常連さんもいるんや。お店のこと、しっかり見てくれてるな〜って感心するわ。
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それにしても、ここ、本当に落ち着くね〜。照明も明るすぎないし、外も静かだし、ボク達が寝るにも、お客さんが本を読むにも最高かも。
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お客さんがリラックスしてくれると、うちらも膝に乗りにいきやすいし、ウトウトもできるし、お互い、ええ感じに過ごせるんや。
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ここは猫も人も、ホッとできる場所なんだね。ボク本は読めないけど、近所にあったらきっと通っちゃうな!
【まとめ】
猫と人が、互いに心地よい本屋って?
- 猫店員は奥で待機
- 売り場は猫店員の居心地を重視
- ゆったり過ぎる時間を楽しむ
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猫が苦手な人にも配慮して店内を前後に仕切ること。猫の遊び場や寝床にもなる売り場であること。これが、Cat’s Meow Booksの、猫と人が心地よく過ごせる秘訣なんだ。リラックスした猫店員と心を通わせながら、本を片手にビールを一杯!そんなステキな時間を過ごせたら、また来ようって思えるよね〜。
photography/黒坂明美 text/橘川なおこ