いしまるあきこ,建築家,猫,ネコLIFE,平井ねこのいえ DATE 2020.02.26

築60年の長屋をリノベ、猫5匹と暮らすレトロな家 ―建築家・いしまるあきこさん【前編】―

第5回目の訪問先は、建築家のいしまるあきこさん宅。築約60年の長屋をご夫婦でリノベーションし、住まい兼事務所として生活されています。家の中は、飼い猫のしろ、くろ、ものくろ、しま、みけの5匹と里親募集中の子猫がいて、とても賑やか!そんな猫達と、人とが心地よく過ごせるよう、いしまるさんは家の中をDIYしているんだそう。

木造平屋の長屋。江戸川区平井にあるため、いしまるさんは「平井ねこのいえ」と名付けた

猫小物がたくさんある、いしまるさん宅。こちらは足元で目を引く、玄関横の招き猫

〈今日のテーマ〉 古い家で猫が楽しく過ごすには?

⚫梁や障子など、古いものを猫用に活かす

2016年1月から今のお宅に住んでいる、いしまるさん。築約60年の趣に魅力を感じた長屋は、古い建物のため雨漏りがあり、あちこちに穴が開いていたそう。そこで引っ越し前にご自身で修繕をし、天井を取り払って梁をむき出しにするなど、リノベーションを行っています。

梁の素材は、昔の家屋でよく使われた赤松など。ザラザラした質感が、猫の足元の滑り止めにもなる

障子は、破れにくい強化和紙を使用。障子枠が、猫が1匹ずつ通るのに丁度いい大きさ。猫くぐりには、白いビニールシートを垂らしてある

いしまるさんがオークションサイトで購入した、「ほくさんバスオール」という床置き式ユニットバス。コンパクトなサイズと、レトロな家にぴったりな佇まいが魅力

⚫猫の暮らしぶりを見て、少しずつDIYする

引っ越した後も、壁に漆喰を塗るなど、家のリノベーション作業は続きました。いしまるさんは、以前住んでいた家でもDIYをしながら生活していたため、変化していく家の光景に猫達もすっかり慣れています。

大きさを決め、ホームセンターで板を切ってもらい、組み立てる。猫は大きな音が苦手なので、家の中の作業を最小限にしてDIYできるように努めるそう

梁から「ねこだな」へ降り、いしまるさんの机の上へ。甘えに来たり、ご飯をねだりに来たり、仕事場へも猫達がやって来る

⚫レトロな空間に合うインテリアを選ぶ

古い家の空気感を損なわないよう、インテリアにはなるべく古い物を選ぶ、いしまるさん。日用品は、オークションサイトやリサイクルショップで購入し、猫グッズも、市販の猫専用品を極力使わないようにしています。

綿ロープを巻きつけて作った、爪研ぎ器。柱での爪研ぎを防ぎ、見た目も美しい

しまと、子猫が猫草をよく食べる。補充しても、あっという間になくなってしまう

インテリアに調和し、どこかレトロさを感じさせるポットや湯のみ

⚫雨戸や障子にひと手間かけて、寒さ対策をする

古い家は構造上、外気の影響を受けやすく、寒さ対策が必須。そこでいしまるさんは、建物をリノベーションする際、斜め天井の内側に羊毛断熱材を入れ、断熱しているそう。また、障子で部屋を間切りするなど、暖かい空気を逃げにくくする工夫をしています。

古い家ならではの木製建具と、トタンの雨戸。雨戸にサイズがピッタリ合う厚めの発泡スチロールをはめこむと、冷気が遮断される

猫の寝床下には、ペットヒーターを設置。背面にオイルヒーターもあり、暖かいので猫達が自然と集まってくる

主に猫が過ごすのは、室内の床近く。そのため室温計も柱の下のほうに取り付け、室温管理を。人も猫も快適な20℃〜28℃を保つようにしているそう

【まとめ】
古い家で猫が楽しく過ごすには?

  1. 梁や障子など、古いものを猫用に活かす
  2. 猫の暮らしぶりを見て、少しずつDIYする
  3. レトロな空間に合うインテリアを選ぶ
  4. 雨戸や障子にひと手間かけて、寒さ対策をする

photography/黒坂明美 text/橘川なおこ 

いしまるあきこさん著『猫と住まいの解剖図鑑』(エクスナレッジ)が3/22より発売中。
多頭飼いについてのアドバイスも掲載しています。

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