DATE 2020.06.22

ヘンテコ暮らし -番外編-
モダンガール淺井カヨさんのおうち時間

Doliveで取材をしたあの人は、おうち時間をどんな風に過ごしているのだろう?
昭和の家を再現した家で配偶者の郡さんと暮らす、モダンガールこと淺井カヨさん。携帯や電気冷蔵庫を使わない生活に不便はないの?仕事はどうしているの?退屈な時間はないの?気になるアレコレをリモートで聞いてみました!

※ご本人より頂いた原稿をそのまま使用しております。
旧仮名などタイムスリップしたような表現も出てきますが、浅井さんの世界観でぜひお楽しみください。 
淺井カヨさん(44)

1976年(昭和51年)、愛知県生まれ。「日本モダンガール協會」代表。大正、昭和初期に関する執筆、催事の企画、展示、講演等を行う。2016年晩秋に、昭和初期の洋館付き住宅を模した「小平新文化住宅」が完成。著書に『モダンガールのスヽメ』(原書房)、共著に『東京府のマボロシ』(社会評論社)など。

取材記事はこちら
前編 : 後編

Q.おうち時間が長くなり、変わったことはありますか?

淺井さんが住む「小平新文化住宅」。1920〜30年代にかけて流行した和洋折衷の「文化住宅」を参考にし2016年に竣工。

「週末は、自宅の小平新文化住宅にて『蓄音器鑑賞会&建物紹介』といふ有料催事(一日二回、一回定員六名樣)を夏季以外は行つてをりましたが、全て休止で、お客樣との時間はなくなりました」

音楽史研究家の夫・修彦さん。蓄音器「ビクトローラ4-40」は1929年(昭和4年)、アメリカ製。

以前はよく使用していた公衆電話の使用を控えているため、連絡手段はパソコンと黒電話(3号電話機)のみに。

Q. 夏は氷式冷蔵庫を使用されていると以前お伺いしましたが、現在はどのように食材を保管していますか?

氷式冷蔵庫。板氷を上部に入れ、冷気で食品を保存する仕組み。

 

「板氷を外へ買ひに出掛けなければならない爲、使用を休止してをります。今は、氷冷藏庫を貯藏庫として使用中ですが、また氷の使用を再開したいと考へてをります」

乾物や缶詰などの長期保存ができる食品を都心の百貨店でまとめ買いをしている。(淺井さん撮影)

Q. 「小平新文化住宅」だからこそ楽しめる過ごし方はありますか?

小平新文化住宅の2階にある淺井さんの書斎をバーに模様替え。(淺井さん撮影)

「二階の私の書齋の出窓部分に、家中からお酒を集めまして、蓄音器を設置し(修理濟の完動品で、飾りではありません)、蝋燭を燈し、家庭内「Barカヨ 」を拵へました。配偶者の郡修彦と私以外は誰も入れません。バーカヨ、です」

毎日、お茶の時間も作っているそう。ベトナムの薔薇の紅茶です。自宅で咲いた薔薇の「モガ」を添えて。(淺井さん撮影)

Q. おうち時間に新しく導入した日用品や習慣があれば教えてください。

「虎斑竹専門店 竹虎」という老舗竹材メーカーの通販で購入した「月桃円座」。(淺井さん撮影)

 

昨年、宮古島へ初めて出掛けた際に、月桃の苗木を贖入しまして、この植物にとても魅かれ、今後は家にゐることも多いと思ひまして贖入しました。獨特の香りと風情があり、自宅の濡れ縁で使用しても良い雰圍氣です」

Q.家にいて退屈になることはありませんか?

「何もすることがなく暇な時間は、ありません。これからもモダンガールと同時代の研究を続けることでせう」

お家時間が長くなった分、いつもは後回しにしていた本棚の整理を。大正・昭和時代の参考資料がずらり。(淺井さん撮影)

テレビもスマホも持っていないが、淺井さんには暇な時間がないという。私たちの生活は便利なものに囲まれ不自由がないように思えるが、逆に不便になっているのかもしれないな……と少し考えてしまいました。まだ続くおうち時間は、断捨離をするいい機会なのかもしれませんね!

Photography/枦木 功 Special thanx/淺井カヨ

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