まるで3兄弟!2匹の猫とゆづきくんが仲良く暮らす秘訣 ー前編ー
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こにゃちは!ボク、Doliveの看板猫たわし。いろんな先輩にゃんこの暮らしを見学して、猫にとって居心地のいい家やライフスタイルを勉強しているんだ。
第7回目の今回は、小学生の子供「ゆづき」くんと、2匹の元保護猫「おいも」さん&「ももも」さんがいっしょに暮らしているという新井さんのご家庭を訪問するよ。
新井さんによると、「2匹はゆづきの成長には欠かせない存在で、お互いが生活の一部になっている」という仲よしぶり。関係性がうまくいく秘訣を教えてもらおう!
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初めまして〜!2匹はもともと愛媛県の出身で、はるばる飛行機にのって、東京にやってきたって聞いたよ。
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うん。ぼくは愛媛の保護主さんのところから東京のシェルターへ移って、さらに保護活動をしているmaiさんのところでお世話になっていたんだ。それから、ゆづきにいちゃんが8才のときに、今のお家に迎えてもらったよ。
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わたちがこのおうちに来たのは、その半年後。子猫のときは同じ愛媛の保護主さんのところにいたの〜。
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お母さん(飼い主さん)は、飼い主のいない保護猫を家族に迎えたいっていう想いがあって。ぼくが誰とでも仲よくなれる性格だったから、もう1匹迎える決断ができたんだって。
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ママ、羽田空港まで直接お迎えに来てくれたのよ。
〈今日のテーマ〉
子供と猫が、いい関係を築くには?
●猫を怖がらせないスキンシップ
体の小さい猫からすると、ちょっかいを出してくる「子供」の存在は、ちょっと怖い存在になりがちです。でも、小学校3年生のゆづきくんは、おいもくん&もももちゃんと、“3兄弟”みたいに自然に接しています。
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正直にいうとね、僕、ニンゲンの子供がちょっと怖いんだよね。突然、大きな声を出したりするからびっくりしちゃうんだ。じゃらしおもちゃで頭ペシペシされたり、しっぽを引っ張られたこともあったよ...。
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大変だったのね...。ゆづきにいちゃんは、そんなことしないよね。
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うん。「猫ちゃ〜ん!」「触らせて〜!」みたいに追いかけたりしないから、いっぱい甘えちゃう。キャットタワーでのんびりしていても、まず、指先のニオイを先に嗅がせてくれたりする。猫同士でする鼻先を近づけるご挨拶みたいだから、安心できるんだ。
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ゆづきにいちゃんは、僕たちの気分をよく察してくれるんだ。たとえば猫って、お腹をなでられてて気持ちよくても、だんだん怖くなってきちゃう時があるよね?
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あるある〜。思わずパンチしたり、噛んだりしちゃうときがあるよ。
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「愛撫誘発性攻撃行動」っていうんだよね。にいちゃんは、僕たちのそういう習性のこともわかってくれてる。1回怒ったら、それ以上は触らないでくれるんだよ。
●猫をよ〜く「観察」する
ゆづきくんが新井さんに怒られて泣いていると、おいもくん&もももちゃんが「どうしたの?」と言いたげな表情で近づいてきて、寄り添ってくれるそう。そんな、ゆづきくんの「変化」にも敏感な2匹ですが、一方でゆづきくんも2匹の気持ちを、声やしぐさ からよく読み取っているようです。
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わたちが鳴くときの「にゃ〜」の声の高さでも、今は「『うれしい』のにゃ〜」だとか「『怖がってる』のにゃ〜」だって、当ててくれるの!
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そうそう。名前を呼んでくれるとき、「にゃ〜」ってお返事したくても、どうしても眠くってしっぽを動かすだけで済ましちゃうときもあるんだけど......。それもちゃんと「お返事」なんだって、わかってくれるんだよ。
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わたちなんて、耳だけ向けて済ませるときもあるけど、ちゃんと見ててくれる。
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へ〜!ゆづきくんは、猫から送る細かい気持ちのサインを見つけながら、コミュニケーションをとってくれるんだね。
●おやつとごはんで、コミュニケーション
2匹の食事は、朝と夜の1日2回のカリカリごはん。おやつは1日1回。どちらも、あげるのは、ゆづきくんの担当です。
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ゆづきくんが、ごはんもおやつもくれるんだ。いいね〜!
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ももは、「わ〜い!ごはん〜!」って慌てて走っちゃって、ゆづきにいちゃん に体当たりするときもあるよね。でも、絶対踏まないように気を付けてくれる。
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えへへ。わたちたち、お腹の調子が整うように乳酸菌のタブレットも飲んでるの。それをスプーンですり潰して、パウチに混ぜてくれるのも、ゆづきにいちゃんなの。
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僕たちのこと「猫の中で一番かわいい男の子、一番かわいい女の子」って呼んでくれる。美味しいおやつまでくれて、もっと大好きになっちゃうよ。
●自然を取り入れて、遊びもわくわく!
ゆづきくんの存在は、「おいもくんにとっては完全に甘え相手」で、「もももちゃんにとっては楽しい遊び相手」なのだそう。
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ゆづきくんは、よく遊んでくれるの?
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ボール状のおもちゃを転がして追いかけさせてくれたり、じゃらしおもちゃで遊んでくれるの〜。最近一番好きなのは、市販のおもちゃじゃなくて、お庭の木を剪定したときの枝木なの。
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わかるわかる! 外の自然のニオイがするものって、嗅ぐとちょっと興奮しちゃうよね。
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ゆづきにいちゃんは「学校から帰るときも、猫ちゃんのこと考えちゃう」んだって。帰り道に、猫じゃらし代わりになる草を拾ってきてくれることがあるんだ。植物は猫が口にすると中毒になっちゃう種類もあるけれど、そういうものは食べさせないようにお母さんがちゃんと見ててくれるんだよ。
【まとめ】
子供と猫が、いい関係を築くには?
- 猫を怖がらせないスキンシップ
- しぐさをよ〜く「観察」する
- おやつとごはんでコミュニケーション
- 自然を取り入れて、遊びもわくわく!
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ゆづきくんは、おいもさん&もももさんを「本当の家族みたい」って話してたよ。「大好き」の気持ちだけで接するんじゃなくて、やさしく見守ったり、2匹の様子をよく見て、それぞれのペースを尊重してくれている。だからこそただ「仲よし」なだけではなく、お互いに「心を許しあえる安心できる存在」になっているんだね!
photography/服部希代野 text/本木文恵