きーさんPROFILE
北海道出身。イギリス滞在時に現在のオーストラリア人のパートナーに出会い、その後オーストラリアへ移住。シドニーで18年ほど過ごし、2年前から南オーストラリアの平屋住宅で二人暮らしを漫喫している。古い建築物の写真を撮ることが好き。
Instagramはこちら北海道出身。イギリス滞在時に現在のオーストラリア人のパートナーに出会い、その後オーストラリアへ移住。シドニーで18年ほど過ごし、2年前から南オーストラリアの平屋住宅で二人暮らしを漫喫している。古い建築物の写真を撮ることが好き。
Instagramはこちらイギリス滞在中に今のパートナーに出会い、ビザが切れるタイミングで準備期間を経て、きーさんもオーストラリアへ移住することに。
「オーストラリアにはまったく興味がなかったんですけど、住んでみたらすごく暮らしやすいですね。有給が取りやすいので、みんな仕事のあとにビーチに行ったり、パブに行ったりしていて。自分の暮らしを大切にしている人が多い印象です」
長年シドニーで暮らしていたきーさんですが、家賃が高いシドニーでの暮らしは大変なことも多かったのだとか。
「私たちが住んでいたのは街まで電車で15分くらいの場所で周辺相場の半分ほどの家賃だったのですが、その分、築60年ほどと年季が入った物件で。オーナーさんが自分で修繕をしていたのですが、すごく中途半端な修理だったんです(笑)。雨が続くと湿気がすごくて、さすがにこの家に住むのは限界だなと思っていました」
そんなとき、ある日突然、パートナーから南オーストラリアで家を購入したことを告げられたそう。
「パートナーがちょくちょく実家のある南オーストラリアに帰っていて、おかしいなと思っていたんですけど(笑)。そのときに物件を探していたようなんです。住み慣れた場所に帰りたかったみたいで」 きーさんにとっては予想外の展開だったそうですが、シドニーを離れて南オーストラリアに引っ越すことが決定しました。
引っ越しが決まってから、きーさんたちはコンテナを購入。荷造りをして庭に置いたコンテナに運んでを繰り返し、少しずつ準備を進めたそうです。家具は拾ってきたものが多かったのでほとんど処分し、ベッドと冷蔵庫、洗濯機だけを持っていくことに。
コンテナは業者さんに運んでもらい、2人は約1600キロ離れた南オーストラリアの新居に向かったのです。
パートナーが雰囲気を気に入って購入したという新居は、ラウンジとベッドルームが1つずつある平屋の家。建物の中央部分には、この家の特徴とも言える、レンガで囲まれた空間があります。
「どうやら、前のオーナーさんが趣味で自分で建てた家みたいです。家の中央のレンガのスペースはほかでは見たことがない造りですし、なんでこういう造りにしたのかさっぱりわかりません(笑)。雰囲気はいいけれど、この構造のせいでデッドスペースが多いのはちょっと気になりますね」
築30年ほどの物件ですが、きーさんは「オーストラリアでは築30年は新しいほうかな」と言います。オーストラリアでは古い住まいを受け継いで、自分たちで手を加えて住むというのが一般的なのだそう。
引っ越してきて、きーさんたちはまずはガスと水道を通しました。また、ベッドルームはリフォームすることに。断熱材が一切入っていなかったので壁を壊して断熱材を入れて、床をはりかえたそうです。
続いてキッチンをステンレスにリフォーム……する予定でしたが、パートナーの興味が庭に向いてしまい、キッチンは後まわしに。
「キッチンのリフォーム、全然やってくれないんです(笑)」
きーさんのパートナーがこの家を買った理由の1つでもある広い庭。それだけに、「パートナーはすっかり庭づくりに夢中です。今はフェンスを作ろうとしています」ときーさん。
広い庭では、タマネギやキュウリなどさまざまな野菜を育てています。家で食べる野菜はほぼ庭で育てたもの。食べるのが好きなきーさんにとっては、自分たちで育てた野菜を使って「今日は何を作ろうかな」と考える時間は楽しいひとときなのだとか。
「毎朝収穫してサラダやスープを作っています。結構な量が収穫できるのですが、2人で全部食べちゃいますね。この辺りはレストランが1軒もないので外食はほとんどしません。自分たちで作ることが当たり前になっているんですよね」
もともと新しいものより、古いもののほうが好きというきーさん。今の自宅の家具は中古で購入したものが多いそうです。
「アンティークショップはお値段が張るので、チャリティのお店によく行きます。意外な掘り出しものを見つけるのが好きなんです。リペアが必要なものは避けて、状態のいいものを選んでいます」
また、古いもの好きということで、街中で見つけた古い建物の写真を撮ることがきーさんの趣味の1つなのだそう。アデレードに出かけるときに見つけた建物などを写真におさめ、Instagramにもアップしています。
「手を加えられていない、昔ながらのものがそのまま残っているのが好きなんです。今はオーストラリアでも古い建物を壊して開発を進めることが増えてきて、なくなってしまう前にたくさん見ておきたいなと思います」
海外に暮らしていると、日本と比較してどうしても不便さを感じることも。けれど、きーさんは「不便なのはもう慣れました。水の出が悪いとか、日本にいたら気になるけれど大きな問題ではないかなと」と言います。
最初は田舎暮らしには反対していたというきーさんですが、今ではこののどかな暮らしを漫喫しています。
「パートナーも庭造りに夢中になっていて、好きなようにやっていて楽しそうです。毎日はりきっています(笑)。私も今日何食べようかなって考えるのが楽しいですし。やりたいことといえば、早くキッチンのリフォームを完成させたいですね」
ほしいものや食べたいものは自分たちで作る。自然に囲まれた土地で、のんびり、ゆったり、2人らしい暮らしは、これからも変わらずに続いていきそうです。