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オーストラリア家,南オーストラリア DATE 2021.04.19

家も庭も自分たちで手を加えていく。南オーストラリアの田舎暮らし

18年住んだシドニーを離れて、現在はオーストラリア人のパートナーの出身地である南オーストラリアで暮らす、きーさん。 少し風変わりな平屋の家で、庭で収穫した野菜を使って料理をしたり、庭造りを楽しんだりといったのんびりとした毎日を過ごしています。どんな日々を過ごしているのか、海外の住宅事情や暮らしぶりとあわせて、教えてもらいました。
きーさんPROFILE

北海道出身。イギリス滞在時に現在のオーストラリア人のパートナーに出会い、その後オーストラリアへ移住。シドニーで18年ほど過ごし、2年前から南オーストラリアの平屋住宅で二人暮らしを漫喫している。古い建築物の写真を撮ることが好き。

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ある日、パートナーが家を買っていた

イギリス滞在中に今のパートナーに出会い、ビザが切れるタイミングで準備期間を経て、きーさんもオーストラリアへ移住することに。

「オーストラリアにはまったく興味がなかったんですけど、住んでみたらすごく暮らしやすいですね。有給が取りやすいので、みんな仕事のあとにビーチに行ったり、パブに行ったりしていて。自分の暮らしを大切にしている人が多い印象です」

長年シドニーで暮らしていたきーさんですが、家賃が高いシドニーでの暮らしは大変なことも多かったのだとか。

「私たちが住んでいたのは街まで電車で15分くらいの場所で周辺相場の半分ほどの家賃だったのですが、その分、築60年ほどと年季が入った物件で。オーナーさんが自分で修繕をしていたのですが、すごく中途半端な修理だったんです(笑)。雨が続くと湿気がすごくて、さすがにこの家に住むのは限界だなと思っていました」

そんなとき、ある日突然、パートナーから南オーストラリアで家を購入したことを告げられたそう。

「パートナーがちょくちょく実家のある南オーストラリアに帰っていて、おかしいなと思っていたんですけど(笑)。そのときに物件を探していたようなんです。住み慣れた場所に帰りたかったみたいで」 きーさんにとっては予想外の展開だったそうですが、シドニーを離れて南オーストラリアに引っ越すことが決定しました。

引っ越しが決まってから、きーさんたちはコンテナを購入。荷造りをして庭に置いたコンテナに運んでを繰り返し、少しずつ準備を進めたそうです。家具は拾ってきたものが多かったのでほとんど処分し、ベッドと冷蔵庫、洗濯機だけを持っていくことに。

コンテナは業者さんに運んでもらい、2人は約1600キロ離れた南オーストラリアの新居に向かったのです。

受け継いだ家に、自分たちで手を加えていく

パートナーが雰囲気を気に入って購入したという新居は、ラウンジとベッドルームが1つずつある平屋の家。建物の中央部分には、この家の特徴とも言える、レンガで囲まれた空間があります。

「どうやら、前のオーナーさんが趣味で自分で建てた家みたいです。家の中央のレンガのスペースはほかでは見たことがない造りですし、なんでこういう造りにしたのかさっぱりわかりません(笑)。雰囲気はいいけれど、この構造のせいでデッドスペースが多いのはちょっと気になりますね」

築30年ほどの物件ですが、きーさんは「オーストラリアでは築30年は新しいほうかな」と言います。オーストラリアでは古い住まいを受け継いで、自分たちで手を加えて住むというのが一般的なのだそう。

引っ越してきて、きーさんたちはまずはガスと水道を通しました。また、ベッドルームはリフォームすることに。断熱材が一切入っていなかったので壁を壊して断熱材を入れて、床をはりかえたそうです。

続いてキッチンをステンレスにリフォーム……する予定でしたが、パートナーの興味が庭に向いてしまい、キッチンは後まわしに。
「キッチンのリフォーム、全然やってくれないんです(笑)」

広大な庭で、食卓に並ぶ野菜を栽培

きーさんのパートナーがこの家を買った理由の1つでもある広い庭。それだけに、「パートナーはすっかり庭づくりに夢中です。今はフェンスを作ろうとしています」ときーさん。

広い庭では、タマネギやキュウリなどさまざまな野菜を育てています。家で食べる野菜はほぼ庭で育てたもの。食べるのが好きなきーさんにとっては、自分たちで育てた野菜を使って「今日は何を作ろうかな」と考える時間は楽しいひとときなのだとか。

「毎朝収穫してサラダやスープを作っています。結構な量が収穫できるのですが、2人で全部食べちゃいますね。この辺りはレストランが1軒もないので外食はほとんどしません。自分たちで作ることが当たり前になっているんですよね」

古いものが好きで、家具はセカンドを愛用

もともと新しいものより、古いもののほうが好きというきーさん。今の自宅の家具は中古で購入したものが多いそうです。

「アンティークショップはお値段が張るので、チャリティのお店によく行きます。意外な掘り出しものを見つけるのが好きなんです。リペアが必要なものは避けて、状態のいいものを選んでいます」

また、古いもの好きということで、街中で見つけた古い建物の写真を撮ることがきーさんの趣味の1つなのだそう。アデレードに出かけるときに見つけた建物などを写真におさめ、Instagramにもアップしています。

「手を加えられていない、昔ながらのものがそのまま残っているのが好きなんです。今はオーストラリアでも古い建物を壊して開発を進めることが増えてきて、なくなってしまう前にたくさん見ておきたいなと思います」

好きなことをする。それだけで、毎日が楽しくなる

海外に暮らしていると、日本と比較してどうしても不便さを感じることも。けれど、きーさんは「不便なのはもう慣れました。水の出が悪いとか、日本にいたら気になるけれど大きな問題ではないかなと」と言います。

最初は田舎暮らしには反対していたというきーさんですが、今ではこののどかな暮らしを漫喫しています。

「パートナーも庭造りに夢中になっていて、好きなようにやっていて楽しそうです。毎日はりきっています(笑)。私も今日何食べようかなって考えるのが楽しいですし。やりたいことといえば、早くキッチンのリフォームを完成させたいですね」

ほしいものや食べたいものは自分たちで作る。自然に囲まれた土地で、のんびり、ゆったり、2人らしい暮らしは、これからも変わらずに続いていきそうです。