あむさんPROFILE
千葉県・我孫子市在住。2017年長男出産を機に、ご夫婦の地元である千葉県へ引っ越し。奥様と通称 “つむ坊” と “なーくん” の4人暮らし。インスタグラムでは、古道具への偏愛っぷり、古いツールを使ったキャンプ(ノスタルピング)、愛車の日産パオ、“家族の日常” を切り取った投稿を中心にアップし、人気を呼んでいる。。
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千葉県・我孫子市在住。2017年長男出産を機に、ご夫婦の地元である千葉県へ引っ越し。奥様と通称 “つむ坊” と “なーくん” の4人暮らし。インスタグラムでは、古道具への偏愛っぷり、古いツールを使ったキャンプ(ノスタルピング)、愛車の日産パオ、“家族の日常” を切り取った投稿を中心にアップし、人気を呼んでいる。。
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あむさん一家が暮らすのは、千葉県我孫子市の田園地帯にある賃貸戸建。この地へ越してきたのには、紆余曲折があるようで……。
「結婚前、妻と住んでいたアパートの階下の住民がデリケートで。室内をすり足で移動する “忍者生活” に疲れてしまったんですよね」 長男の出産を機に「のどかな環境で、伸び伸び育てたい!」と、夫妻の地元である千葉県内で物件探しをスタート。現在の住まいは、古い家ならではのつくりや広い庭に惹かれただけでなく、“程良い田舎” を希望していたお二人には理想の地だったと言います。
「まだ子どもが小さいので、何時間もかけてスーパーや病院に行くような場所に住むのは現実的ではないなと。ここは周りは田んぼだらけだけど、車を20分走らせば市街地に出られる。そのさじ加減がちょうど良かったんです」
ご近所には高齢者が多く、息子さん達は “みんなの孫” に。「愛情と温もりを与えてくれる人がたくさんいるのはありがたい」と環境には満足していますが、お家は築48年ゆえ、改善が必要なところも多々あり。
「DIYでキッチンに棚を増設したり、年季の入った玄関のタイルをフローリング仕様にしたり。あとはリビングの掃き出し窓と庭の段差を解消するためにウッドデッキを設置し、床面をフラットにしました。手を加える “隙” があるのは、僕的にはむしろありがたいです(笑)」
光がきれいに入り込む木造家屋にすっと馴染んでいるのが、使い込まれた家具や古道具の数々。聞けば、古いものを偏愛するようになったのは、ある “キャラメルの紙” がきっかけだったとか。
「たまたま骨董市で買った軍服のポケットに “8粒10円” と書かれた当時物のパッケージの紙が入っていて。それまで、ヴィンテージ=人の手を通ってきたもの、という認識はあったけど、誰かの所有物だったということを妙にリアルに感じたんですよね。それが巡り巡って自分の元に来た。古いものの奥にある背景を想像したらゾクゾクしちゃって。ものひとつひとつにストーリーがあるのが、古いものの魅力だなと思います」
以来、愛車のパオを走らせ、骨董市や地方の古道具屋に足繁く通う日々。最近では、家具や小物のみならず、身に付けるもの、着るものまで古いものに傾倒しているそう。
「気がつけばシャツ、ジャケット、パンツ、めがね全てが昭和初期の “戦前ファッション” ということも。ここまでくると古いものに宿る、付喪神に取り憑かれたんじゃないかなと。 」
ちなみに、パオも30年ほど前に、期間限定で発売されたクラシックカー(旧車)なんですよ。中学2年の頃にイカしたお兄さんが乗っているのを見て、完全に心が吸い込まれたというか。 『将来、絶対乗る!』と決めていました。25歳の時に初めて迎えて、今のパオは3代目。思えば、その時から古い物好きの片鱗を見せていたのかもしれませんね(笑)」
そんな古道具に傾倒しているあむさんですが、今は息子さん二人が小さいこともあり、家族が集うリビングにはあまりものは置かないように心がけているのだとか。
「古道具に囲まれた生活をしたい、という欲求は『ノスタルピング』で満たしています。ノスタルピングとは、ノスタルジーとグランピングを掛け合わせた造語。古道具を活用したキャンプなんですけど、僕的には(道具に)活躍の場を与えられて嬉しいし、最高にリフレッシュになります」
“ノスタルピングの楽しみをいずれ息子と共有したい” という想いから、週末には「庭ノスタルピング」を開催! 「“慣らし保育” ならぬ “慣らしキャンプ” です。今は自宅の庭にテントを張って楽しんでいるけど、ゆくゆくは外で本格的にやりたいですね」
外遊びが好き。クラシックなツールが好き。家族が好き——。 庭ノスタルピングの時間は、あむさんにとって「幸せでしかない」のだそう。
ちなみに、最近のマイブームは “古道具屋さんごっこ” とか。
「古道具を並べて、長男が店番をするという遊びです。息子も古いものを好きになってくれると良いな、という願いも込めて(笑)。完全に親のエゴだけど、その景色を眺めるのが楽しいです」
日々、おうちで幸せな時間を紡いでいるあむさんファミリーの夢は「カフェスペースを併設した古道具屋を開くこと」。 奥様がカフェを運営し、革細工職人として働くあむさんは古道具屋の店番をしながら、傍で革小物を作るという未来予想図を描いています。
「僕の父親がそうだったように自分の好きなことを仕事にして、誰かに喜んでもらい、家族を養っていくのが理想だなって。その前向きな背中を息子達に見せていきたいんですよね」
その夢を叶えるための一環で力を入れ始めたのが、インスタグラム。はじめは、自分の感性や活動に共感してくれる人を増やす “宣伝ツール” になると思っていたそうですが……。
「宣伝と言っておきながら、フォロワーさんの反応に心満たされている自分がいます。最近はより関係を深めるために、焚き火を囲みながらライブ配信する “焚き火インスタライブ” にもハマっているんですよ」
あむさんのインスタグラムといえば、“家族の日常” を切り取ったような自然なカットが特徴的。聞けば、撮影時はNGカットを連発しているとか(笑)。
「タイマーを使って撮影しているのですが、2歳の長男がカメラに興味津々で、どんどん歩いて近づいてしまうんですよ。それが悩みでもあり『もうまたダメじゃんー!』と言い合うのが、楽しかったりするんですけどね」
そう幸せそうに語る向こう側では、子ども達が庭を走り回る楽しそうな姿が。家族と古道具に全力の愛を注ぐあむさんの日々は、おだやかな時間で満たされていました。
text/平田 桃子(verb)