Aさん プロフィール
静岡県在住。自営業のご主人、7歳の娘さん、3歳の息子さんの4人暮らし。趣味は、DIYと北欧の雑貨やファブリックをコツコツ集めること。特にDIYの腕前はプロ顔負け。ドアを塗ったり、壁に大きな棚やフックをつけたり、ご主人とタッグを組んで、より自分達好みの空間に仕上げています。
緑豊かな環境にある、築33年の一軒家をリノベーションして暮らすAさん。ご主人と小学生の娘さん、幼稚園に通う3歳の息子さんの4人家族です。リビングのドアを開けると、開放的なひとつづきの部屋越しに、広々とした庭が目に飛び込んできます。内装のテーマは “作り込まず、ごくごくシンプルに” 。自分たちで手をかけながら、生活にフィットした住まいをつくる、Aさんの心地よい暮らしを覗いてみましょう。
静岡県在住。自営業のご主人、7歳の娘さん、3歳の息子さんの4人暮らし。趣味は、DIYと北欧の雑貨やファブリックをコツコツ集めること。特にDIYの腕前はプロ顔負け。ドアを塗ったり、壁に大きな棚やフックをつけたり、ご主人とタッグを組んで、より自分達好みの空間に仕上げています。
Aさんご夫婦が物件を探し始めたのは、4年ほど前。当初は “新築信者” だったそうですが、立地や予算を考慮すると、新築物件では選択肢が限られてくると思い、リノベーションできる中古戸建に照準を絞ったのだそう。
探し求めていたのは、大きな庭のある家。現在の住まいも、燦々と光が降りそそぐ南向きの庭に惹かれて購入を決めたといいます。
「夫も私も家に閉じこもることが苦手なので、外の空気や緑を感じられるような家に住みたくて。晴れた日はデッキで食事をしたり、友人を呼んでバーベキューをしたり。夏場は水遊びもできるので、子どもたちもお庭が大好き。特別なものはなくても、外で食べるというだけで何でも“ごちそう”になるんですよね。自宅にいながら、四季の変化を感じられるのは、本当に贅沢だと思います」
「以前住んでいたアパートは狭くて、たくさんのものに囲まれて暮らしていたので……。新しく住む家は、家族の存在を感じながら、伸び伸びと暮らす。そんなイメージがありました」
間仕切りや和室を取り払い、庭側にキッチン、ダイニング、リビングをひとつながりに配置したのはそんな想いから。天井を高めにとり、開口を全開にできる折れ戸を取り入れるなど、空間の広がりを感じられるリビングスペースは、家族みんなのお気に入りです。
間取りを決める際、もうひとつ譲れなかったポイントがあります。それは、ご主人の趣味部屋を確保すること。
「夫はアウトドア志向で、趣味は釣りと潮干狩り。かなり本格的で釣り具の量も半端ではないので、部屋をすっきり保つために、設けざるを得なかったというか(笑)。ただ、新鮮な魚介をふるまってくれるのは嬉しいですね。先日の戦利品はイカ。夫がマイ包丁でさばいてくれて、お刺身にしていただきました」
「この家に引っ越してから、以前より食卓が豪華になったかも」とAさん。娘さんも「パパがとってきたあさりでお味噌汁とパスタにしたの!」と嬉しそうに報告してくれました。
内装は白を基調に、床は無垢のタモ材をセレクト。造り付けの収納や建具などは極力作らず、潔いほどシンプルに仕上げたのは “その時々に必要なものを合わせられるように、フレキシブルに対応できる形にしたかった” ため。
余白を残した分、いざ住んでみて「ここにこれがあると便利だよね」と夫婦で意見が一致したものは、迷わずDIY! キッチン背面のカウンター、サブの靴箱、リビングに設置したストリングシェルフ、カーテンレール、バッグなどをかけるフック……と、これまで設置したものはたくさん。
「夫は面倒だと思っているかもしれませんが(笑)、私的には手をかけられる “楽しみ” をあえて残してもらったような感覚です。住みながら、自分達の生活にフィットした住まいを作っていくのは心地いいですね」
リノベーションした時が完成ではなく、状況に応じて家をカスタマイズ。それこそ、等身大の心地よい暮らしを送る秘訣なのかもしれません。
白と木の色で構成したシンプルな空間のリビングには、Aさんお気に入りの北欧雑貨やファブリックがアクセントを添えています。ここでのんびり過ごす時間は、まさに至福の時。
「自宅と職場が車で5分ほどなので、お昼休みに一旦帰宅するんですが、窓と玄関を開けると風が通り抜けて気持ちがいいんです。ソファにごろんとして、コーヒーを飲みながら好きな映画を観たり、インテリアを考えたりする時間が最高に幸せ。子どもたちが帰ってきたら、夜寝るまで怒涛のママ業が待っているので、貴重な充電期間ですね」
「今は忙しくてあまりできていないので、今後はもっと庭づくりをしていきたいです。庭のレイアウトや植栽を、少しずつイメージに合うものに変えていきたいなって」
引っ越してから3年が経った、Aさん一家。今後は庭づくりだけでなく、勝手口の屋根を木に変えたり、リビングのストリングシェルフを壁一面に拡張したり、2階の子ども部屋の木枠を白にペイントしたり……。Aさんの暮らしを楽しむアイデアは、まだまだ尽きそうにありません。
「まだまだやりたいことがたくさんあるので、 数ヶ月後、数年後の姿が楽しみです」
最初から完成されたキメキメの家も素敵だけど、余白があれば “今、家族が必要とするもの” を、自分達の手で補っていくことができる。白と木のニュートラルな空間を、少しずつ自分達の色に染めていくように、“住まいを育てる”という感覚も、素敵な家づくりの鍵なのかもしれません。
撮影協力:ORANGE HOUSE