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ガレージハウス,和ガレージ,和の家 DATE 2021.10.01

日本家屋を現代風に落とし込んだ、和のガレージハウス

街を歩いていると、外観のデザインを見ただけで入ってみたくなる魅力的な建築に出会うことがあります。「外観探訪部」は、そんな気になる建物の外観にフォーカスし、家づくりのアイデアを学ぶ企画。思わず足を止めてしまう外観デザインから、その魅力の秘密を探ります。

和のテイスト+家の中から車が見える家

ヴィンテージカーをこよなく愛す家主の齋尾さんご夫婦は、車が家の中から見える和テイストの家を建てました。愛車に似合うインダストリアルなデザインも好みだったそうですが、長い目で見たときに落ち着ける空間がいいと和の家をオーダー。和とモダンの要素が絶妙にミックスされた、ヴィンテージカーの雰囲気にも鎌倉の景観にも馴染むアイデア溢れる新しいガレージハウスです。

POINT1:「ガレージ」×「和」意外な組み合わせから「新しさ」をつくる

ヴィンテージカー2台が収まる、珍しい「和のガレージハウス」が特徴の齋尾さん宅ですが、建築事務所へのオーダーは「ガレージハウスを作りたい」ではなかったそう。居心地が良い「和のテイスト」かつ「家の中から車が見えて、愛車が雨風をしのげるスペースがある家」を希望したところ、この和モダンなガレージが完成しました。

緑の多い鎌倉の景観に馴染むよう、外壁は焼き杉を使用。伝統的な日本家屋らしさもありながら、無駄のないシンプルな設計に新しさが感じられます。木の色をそのまま活かしたガレージの格子扉は「和」と「モダン」をミックスさせたデザインで、洋風ヴィンテージカーの雰囲気と絶妙にマッチ。「求めている家の雰囲気」と「家主の趣味」が、一見すると反対の雰囲気に見えても、合わせてみると「意外な新しさ」を生んだ良い例になっています。

POINT2:縁台など日本家屋らしい要素は現代風にアレンジ

ガレージの反対側は、緑道を眺められる大きな窓と縁台がついたデザイン。こちら側だけ長めに設計された屋根の庇(ひさし)が縁台の上に心地よい影を生み出しています。要素は和がメインの建築ですが、黒い窓枠や柵などが並んだデザインは、シャープでモダン。「昔ながらの建築」をそのまま取り入れるのではなく、現代の街並みや暮らしに馴染むよう整える。齋尾さん宅から、そんな家づくりのコツを学ぶことができます。

POINT3:外壁の素材や色は周囲の景観に合わせて決める

「和」というオーダーを受け、壁の色や素材は最終的に周囲の環境に合わせて設計士さんが決めたそう。緑が豊かな土地だったから、景色に映えて程よく馴染む真っ黒な「焼杉」をチョイス。齋尾さん宅のように、家主の好みだけを重視するのではなく、まわりの景観や地域性に馴染むデザインを考えることが、良い外観へのヒントなのです。

家主の好きな和テイストとヴィンテージカー、そして鎌倉という土地への愛情が詰まった「鎌倉・齋尾さん宅」。「ガレージ×和」という空間の既成イメージに囚われないデザインの面白さと、周囲の環境や住みやすさに配慮した外観の魅力を発見することができました。

Photography/藤井由依(Roaster) Text/大倉詩穂、赤木百(Roaster)