Dolive 家をもっとカジュアルに楽しむメディア

DATE 2022.02.02

長年親しまれ続ける、ちょっと変わった街のシンボル「顔の家」

思わず足を止めて二度見してしまうインパクトのある外観を紹介する「外観探訪部 -おもしろ外観編-」。どうしてこんな外観デザインになったのか、ベールに包まれたその秘密を探るべく、Dolive編集部が取材しました。

デザインも機能も“人の顔”な家

京都地下鉄「丸太町駅」近くの、古き良き町家が軒を連ねる「衣棚通(ころものたなどおり)」。京都らしい風情ある景色の中を歩いていると...地面からにょきっと飛び出してきたような、大きな“人の顔”が!

初めこそ驚いてしまうものの、丸や四角の単純な形で構成されたその顔は、目が合うと思わずクスッとしてしまうコミカルなデザインです。 異彩を放つその建物の名前は、見た目の通り「顔の家」。そしてこの建物、実は個人邸なんです。その家主の辻勇佑さんが、父から受け継いだ家なのだそう。

昭和48年頃、当時デザイン事務所を営んでいた辻さんの父は、「デザイン事務所の看板になるような目立つ建物を」と、建築家の山下和正さんに「自宅兼事務所」の設計を依頼したのがきっかけです。

2階は、辻さんが現在も住んでいる実家なのだそう。耳はベランダ、右目はリビングルーム、左目はダイニングルームの窓になっていて、鼻は換気口になっています。

そして1階の口の部分は、DIYキットのお店「creative studio&shop OOO」の入り口です。

ベランダは外の風や音を通す「耳」、左右の窓は外をうかがう「目」、換気口は空気を入れ替える「鼻」、そして1階の入り口は人が出入りするための「口」。
建物のそれぞれのパーツの役割が“人の顔”と似ているように思える設計が秀逸で面白い!

街や時代の“顔”として残していきたい

完成した当初は奇抜な存在でしたが、時間と共に地域の人にも親しまれるようになり、少しずつ街に馴染んできたように感じると辻さんはいいます。その見た目通り、これからも街や時代の“顔”のような存在として建物を大切に残していきたいと語ってくれました。

Photography/川村恵理 Text/大倉詩穂(Roaster)