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3階建て住宅, 凹んだバルコニー DATE 2022.03.15
街を歩いていると、外観のデザインを見ただけで入ってみたくなる魅力的な建築に出会うことがあります。「外観探訪部」は、そんな気になる建物の外観にフォーカスし、家づくりのアイデアを学ぶ企画。思わず足を止めてしまう外観デザインから、その魅力の秘密を探ります。

「今」を楽しむ工夫と住む人のぬくもりを感じられる外観

世田谷区、昭和の風情が残る商店街から程近い場所に、スタイリッシュな3階建ての住宅があります。内側に凹んだバルコニーにあるカフェのようなスペースや、中がそのまま見える大きなガラスの扉が特徴のワクワク感のある外観です。「子供が住んで楽しいおうち」がテーマだというこの住宅。家主の岡本さんに、外観デザインに込められた想いを伺いました。

POINT1: フェンス扉で内側が見えるオープンなガレージ

岡本さんが家づくりで意識したことが「隠さない」ということ。1階のガレージもフェンスや塀などで隠さず、通りを歩く人から見えるデザインになっています。ご主人の趣味であるバイクを見せることで、ご近所さんから声をかけられることもあるのだとか。

2階のバルコニーからガレージにはロープが下げられており、お子さんがお友達と一緒に遊んだり、地域とゆるやかにつながっています。 ほかにも、外から見える位置の扉にあえて透明なガラスを使ったりと、岡本さんのオープンマインドな考えが外観に反映されています。

「この家に引っ越してきてから、お隣さんを始め地域の方とのコミュニケーションが増えました」と岡本さん。外観を考える際は、その地域とどう関わっていきたいのかをイメージすると、より理想に近い家づくりができそうです。

POINT2: バルコニーに「外食堂」をつくって憩いの場に

この家の外観のもうひとつの特徴が2階のバルコニー。窓の上に取り付けられたストライプの日よけがまるでカフェのような雰囲気を演出しています。家族から「外食堂」と呼ばれているこのスペースは、岡本さんの一番のお気に入りポイント。

窓の内側にはキッチンがあり、料理をバルコニーのテーブルへすぐ運ぶことができます。知人を招いて食事をしたり、憩いの場として大活躍しているのだとか。

POINT3: 軒に木材を使い、ファサードにあたたかい表情をつける

バルコニーから上を見上げると、個性的な軒天(軒の天井部分)が存在感を放っています。土地の制限(建物面積や延べ床面積)を考慮して、バルコニーを内側に凹ませるように設計した結果、軒天はユニークな形に。この個性的な形が、ここだけ木材を使うことで引き立っています。窓枠やドアも揃えて木材を使用。グレーの外壁と木のコントラストが生まれ、ファサードに柔らかい表情をつけることができました。

スタイリッシュでありながら、ぬくもりを感じられる岡本さん宅の外観。その理由はガレージをオープンにして地域とのコミュニケーションの場にしていること。素材をうまく使いわけ、ファサードに表情を出していることに秘密がありました。バルコニーは四角形の家からせり出しているイメージが一般的ですが、岡本さん宅のように「内側に凹ませる」という選択を頭に入れておくと、家づくりの幅が広がりそうです。

Photography/上原未嗣 Text/豊泉陽子(Roaster) Composition/大倉詩穂(Roaster)