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DATE 2022.04.15

築100年の長屋を改装した、和と洋が調和する都心のカフェ

街を歩いていると、外観のデザインを見ただけで入ってみたくなる魅力的な建築に出会うことがあります。「外観探訪部」は、そんな気になる建物の外観にフォーカスし、家づくりのアイデアを学ぶ企画。思わず足を止めてしまう外観デザインから、その魅力の秘密を探ります。

伝統的な日本家屋の特徴と洋風のテイストが絶妙にマッチ

恵比寿や広尾から徒歩圏内の「白金北里通り」、この一角に一際目を引く昔ながらの長屋があります。カフェ「HAPPY HOUR」は、築100年以上とも言われているこちらの長屋をリノベーションしてオープンしました。和と洋を上手にミックスした「HAPPY HOUR」の外観から、家づくりのヒントを学びます。

POINT1:木の質感と瓦屋根の“THE昭和”な雰囲気をそのままに

リノベーションをする上で意識したところは「伝統的な日本家屋の特徴を残したまま、新しい要素を取り入れる」ということ。2階はこの長屋の特徴である木の外壁と瓦屋根というレトロな質感をそのまま残すことで、商店街の中で独特の存在感を放っています。古き良き部分を個性として活かすことは、古民家リノベーションの醍醐味です。

POINT2:1階はガラスやモルタルを使い、洋風テイストにまとめる

一方、1階部分は道路に面した壁がガラス張りになっており、2階とは全く違う洋風の表情を見せています。ガラスにした理由は「お店の中が見えることでお客さんが入りやすくなる」ということと、「古い質感とのバランスを取る」という意図があったから。

横についているドアも、大部分がガラスのため店内がよく見えます。こちらはオーナーが目黒区の家具屋で見つけたフランスのアンティークのもの。明るい色味の木材とガラスがカジュアルな印象で、お店の雰囲気にマッチしています。例えば家をつくる際に、ただの木製のドアではなく“1点だけアンティークのドアを取り入れる”などしてみると、空間にグッと深みが増すのではないでしょうか。

入り口の壁にはモルタルが使用されています。「ネオンの看板が映えるように」と素材選びをしたのだとか。直角が特徴的なデザインで、ファサードの印象を引き締め、スタイリッシュに仕上げています。

POINT3:窓を向かい合わせにつけ、明るさと開放感を取り入れる

2階を見上げて印象に残るのが、通り側の窓から反対側の外側までが突き抜けて見通せること。大きな窓を向かい合わせに配置することで、視覚的にも気持ちの良い抜けが生まれました。室内は元々あった2階部分を取り壊して吹き抜けにしたため、両側から光を取り込み、明るい空間が広がっています。外観づくりにおいて、窓は重要な要素のひとつ。個人宅でも、このような配置で窓を取りつけると、室内だけでなく外観にも開放感を演出することができます。

日本家屋の趣を残しつつ、洋風テイストを見事にミックスした「HAPPY HOUR」の外観。築100年の長屋にフランスのアンティークのドアをつけるという“古き良きもの”のコラボにはロマンが感じられます。ガラスやモルタルなどのモダンな要素を取り入れ、クリーンな印象に仕上げるアイデアも、家づくりの参考にしてみてください。

Photography/上原未嗣 Text/豊泉陽子(Roaster)