街を歩いていると、外観のデザインを見ただけで入ってみたくなる魅力的な建築に出会うことがあります。「外観探訪部」は、そんな気になる建物の外観にフォーカスし、家づくりのアイデアを学ぶ企画。思わず足を止めてしまう外観デザインから、その魅力の秘密を探ります。
サウナ×蕎麦の新感覚な複合店舗
恵比寿駅から徒歩5分の駒沢通り沿いにある「恵比寿サウナー」。雑居ビルの1、2階をリノベーションしてオープンしました。1階が蕎麦居酒屋、2階が完全個室サウナという、これまでにない新しい組み合わせの複合店舗です。サウナや蕎麦は本格的でありながらも誰でも気軽に立ち寄れる雰囲気が、ニューレトロな外観デザインに表れています。今回はそんな「恵比寿サウナー」の外観デザインから家づくりのヒントを探ってみましょう。
POINT1:サインを引き立たせるシンプルなモルタル外壁
ビルの1階に手を加え、暖簾(のれん)やネオンサインが目立つようシンプルに仕上げたというファサード。キャッチーなネオンサインや、和を感じさせるアイテムを使いつつ、外壁はモルタル塗装でグッとモダンな雰囲気に。
間口が開放的で立ち寄りやすいお店でありながらも、サウナや蕎麦は本格派な「恵比寿サウナー」の特徴がファサードにも表れています。
POINT2:サウナの湯気と蕎麦を表すレトロなネオンサイン
「夜でもお店が開いていることが分かりやすいように」と、お店の顔となるロゴ看板はネオンサインを採用。サウナの湯気と、箸で持ち上げているお蕎麦の2つのモチーフを合体させ、赤と青の2色で展開しています。日が暮れて、2色のネオンがぽっと灯る姿は、どこか懐かしさも感じられるニューレトロな雰囲気。
POINT3:老舗のお蕎麦屋さんのような雰囲気を今風に
お店の目印でもある、古い字体で「そば」と書かれた大判の暖簾。くぐった先では必ず美味しいお蕎麦に出会えそうな、老舗の名店のような雰囲気です。椅子やベンチも昭和レトロなアイテムをチョイス。
モルタル外壁のモダンな雰囲気と、昔ながらのお蕎麦屋さんのような雰囲気がセンスよくMIXされています。
本格的なお蕎麦とサウナが気軽に楽しめる新感覚のコンセプトが外観にもうまく落とし込まれています。昭和レトロなアイテムと、現代らしいモダンな雰囲気がMIXされた、まさに“ニューレトロ”なデザインです。「恵比寿サウナー」のように、異なる年代のアイテムを合わせて独自のテイストを作り出せると、家づくりがもっと楽しくなりそうです。
Photography/上原未嗣 Text/大倉詩穂(Roaster)
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