京都住宅,京都外観 DATE 2022.10.11

グレーと檜の組み合わせが心地よい、3階がリビングの家

街を歩いていると、外観のデザインを見ただけで入ってみたくなる魅力的な建築に出会うことがあります。「外観探訪部」は、そんな気になる建物の外観にフォーカスし、家づくりのアイデアを学ぶ企画。思わず足を止めてしまう外観デザインから、その魅力の秘密を探ります。

3階のリビングから見晴らしの良い景色を楽しめる家

京都市の山並みに囲まれた閑静な住宅街にある、3階建てのJさん宅。設計・施工を担当したのは「アルツデザインオフィス」代表の水本さんです。Jさん宅の周囲は見晴らしが良く、「この開放的な景色を楽しみたい」という希望に合わせて、思い切って3階にリビングを設けたのだそう。今回は、そんな自由なアイデアが光るJさん宅の外観から、家づくりのヒントを学びます。

POINT1:木とアイアンフレームのコーナー出窓がアクセントに。

京都住宅の出窓

家の周囲は建物の高さが低く、見晴らしが良かったため、思い切って3階にリビングを設けたというJさん宅。

「向かって右手にマンション、左手に住宅があり、マンションのある右手側は壁面にすることでプライバシーを確保。見晴らしの良い左手側にはコーナー出窓を設置し、山並みを一望できるようにしました」と水本さん。
外観を見ても、木とアイアンで縁取られた3階の大きなコーナー出窓がアクセントになっています。夏には、この窓から花火を見ることができるのだとか。

POINT2:リシン吹き付けで落ち着いた印象のグレーに

京都住宅のリシン吹き付けの外壁

Jさん宅は、京都市の景観法の対象地域にあり、家を建てるときに、外壁の素材や仕上げ方法などに制限があったのだそう。

「制限がある中でもコスト面や景観に配慮しつつ、『リシン吹き付け』という方法で仕上げました」と水本さん。
『リシン吹き付け』は、モルタルをベースに骨材(小さな石や砂)を混ぜて専用のスプレーで吹き付けて仕上げる方法のこと。艶が抑えられ、建物全体が落ち着いた印象に仕上がっています。

POINT3:ドアには大きな檜の引き戸を採用

京都住宅の檜の引き戸

広い土間になっているという1階のドアは、3枚の扉が重なるように開閉する大きな引き戸になっています。土間は来客とパーティーをしたり、犬と遊んだりするのに使っているそうで、ドアをオープンにして外と繋がった広い空間を作ることもできるのだそう。素材は、日本で昔から愛されてきた檜を採用。外壁がグレーで一見無機質な印象ですが、入り口に大きく檜を使うことで温かな雰囲気がプラスされています。

京都住宅の外観
周囲の街並みや環境に配慮しながら、シンプルで飽きの来ないデザインを目指したというJさん宅の外観。見晴らしの良い風景を楽しめるようにと3階にリビングとコーナー窓を設けたり。景観法の制限があるなかでも自由な発想が光る外観デザインから、新たなアイデアを見つけることができそうです。

Photography/安川結子 Text/大倉詩穂(Roaster)

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