映画のワンシーンのような外観デザイン。
ミントグリーンが映えるサンドイッチショップ
街を歩いていると、外観のデザインを見ただけで入ってみたくなる魅力的な建築に出会うことがあります。「外観探訪部」は、そんな気になる建物の外観にフォーカスし、家づくりのアイデアを学ぶ企画。思わず足を止めてしまう外観デザインから、その魅力の秘密を探ります。
横浜・元町、街行く人の足を止めるキャッチーな外観
横浜市元町に佇むおしゃれな外観デザインのサンドイッチショップ『BUY ME STAND MOTOMACHI』。渋谷の本店を見て気に入ったオーナーの江口さんが、横浜を盛り上げたいとフランチャイズ店舗を元町に構えました。元の建物を生かしたリノベーションによる、人目を引く外観から家づくりのヒントを探ります。
POINT1:大きなガラス窓によって開放感を取り入れる
ファサードの大半を占めるのは、開放感のある大きなガラス窓。出窓タイプなので内装を背景にしたお店のロゴが際立っている点もポイントです。この大きなガラス窓によって、シンボルカラーとも言える店内の天井や壁のペパーミントグリーンが外からも目に入ります。
印象的なカラーの内装が見えることによって、海外映画のワンシーンのようなキャッチーな印象を与えています。
POINT2:内観デザインと調和する配色バランス
ペパーミントグリーンを基調にした店内に合わせて、外観の塗装をしたと言う江口さん。ごちゃごちゃした印象にならないよう、ペパーミントグリーン、ブラウン、白の3つを基本にしたのだそう。元々あったというレンガブロックのブラウンはそのままに、囲まれた箇所は白のモルタルを塗装、淡いくすみブルーだったというドアの枠組みも白塗りを施しています。
元々は茶色だったという屋根。店内のペパーミントグリーンに合わせて同色で塗装することで、まとまり感のある印象を与えています。
POINT3:お店の雰囲気を軸に素材感を足し引きする
元々あったレンガブロックやガラス窓はそのままに、バランスを見てリノベーションをしていった『BUY ME STAND MOTOMACHI』。木材のドアノブ部分は、元々陶器のパーツだったものから、リノベの時に出た廃材を加工して付け替えています。
「コンセプトや何っぽくしたいというものはなく、渋谷店を見て感じた直感的な『BUY ME STAND』らしさが好き」だと話す江口さん。元々は食器の素材が貼ってあったというレンガ囲いのモルタル塗装部分も、全面をレンガ張りにするのではなくモルタルの白を加えることで抜け感を作っています。元々は今とは大きく異なる雰囲気だったこの建物。渋谷店の雰囲気からインプットした『BUY ME STAND』らしさを、リノベによって反映させています。
ショップの外観は、そのお店らしさを体現するもの。各地から人が集まる『BUY ME STAND MOTOMACHI』には、アクセントカラーの取り入れ方やレンガ使いのポイントなど、家づくりのヒントが詰まっています。キャッチーでありながら洗練されたシンプルな外観デザインを、ぜひ参考にしてみてください。
Photography/中野理 Text/松﨑明日海(Roaster)