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インテリアデザイナー久保淳也さんの自宅 DATE 2023.06.27

壁ごとに雰囲気の変わる家。
インテリアデザイナー久保淳也さんの家づくりを大解剖

人によって家での過ごし方は千差万別。リビングやキッチンなど住環境へのこだわりが変わってくるはずです。Doliveが以前訪れた住まいから、その人らしい家づくりを大解剖。そこから見えてくる、家づくりで真似したくなるアイデアを紹介します。 今回は、「家づくりの方程式」で訪れた久保さん宅から探してみましょう。

PLAN
やりたいことを詰め込んだ、マンションリノベーション

設計士・インテリアデザイナーの久保淳也さんは、東京都目黒区にあるビンテージマンションの一部屋を自宅として購入、自ら設計をしてリノベーション。
あえて新築ではなく、表現したいイメージに近い物件を見つけ、リノベ前の状態のままで安く購入したそう。決め手は日当たりの良さと68平米もある広々としたバルコニーでした。

リノベーションで一番変化したところは、部屋の壁を取り払い、つなぎ合わせた25畳もある大きなリビングルームです。
大胆なリノベーションは設計士である久保さんだからこそ出来ることのように思えますが、「設計士さんにイメージを伝えて、コミュニケーションをきちんととる」という基本こそ、理想の家を作るコツだと久保さん。
自分の作りたい家を想像して、できるだけ現場で直接コミュニケーションをとる。わからなければ質問する。そうすれば、専門的な知識がなくてもイメージに近づけていけるんですと話します。

LIVING
4種類の異素材で東西南北の壁面がそれぞれ違うリビング

久保さん宅で注目すべきは、リビングの壁ごとに異なる素材の壁面です。ベランダのある北側は躯体コンクリートの打ちっ放しで、窓のある西側がモルタル塗装、東側のキッチンにはサブウェイタイル、さらには南側をヴィンテージのブリックタイル貼りに。
そんな個性豊かな壁面をまとめ上げる床は、パーケットフローリング。異素材ミックスながら、違和感なく、調和のとれた空間が生み出されています。

一見同じグレーに見えるが、ソファのある西側はモルタル塗装。ダイニングがある北側は躯体のコンクリート打ちっぱなしの壁面に。

ヴィンテージのブリックタイル貼りの壁面は、ブロックの幅に合わせて設計。横張りと縦張りも組み合わせることで、単調にならずデザインアクセントにもなります。

キッチンの壁面は、清潔感のあるNYのサブウェイタイル。こちらもタイル幅に合わせて壁面サイズを決め、素材がぴったり収まるところで壁が途切れるように設計。

久保さんご自身でニス塗装したパーケットフローリング。所々DIYにすることで、費用を抑えたそう。

KITCHEN
モルタルと木の組み合わせのキッチンが、この家一番のこだわり

このリノベーションで、久保さんが一番こだわったのはキッチン。
「キッチンは住居の心臓。コンクリの天板を使ってオーダーキッチンを作りたくて、3週間かけて図面を書きました。キッチンだけはこだわって、お金をかけたほうがいい。生活動線にも大きく関わるので、使い方を考えてきちんと設計するのがいいです」。
そんなこだわりのアイランドキッチンは、タイルの白、ステンレス、コンクリート、そしてウッドでシンプルにまとめられており、見せる収納になった食器や調理道具が映える空間になっています。

「給湯器の隠し方」にも工夫が。壁の中にスイッチが隠されています。

アイランドの下は、食器棚。あえて、扉をつけずオープンな収納に。

Other Spaces
まだまだある久保さん宅のこだわり

タイル床とサブウェイタイル、モルタル壁の組み合わせが参考にしたくなるトイレ。鏡はオーダーして作ったそう。
遊び心を取り入れた寝室の壁紙。幾何学模様が海外のような雰囲気を演出する。
廊下の天井には、モールディングが。アンティークのドアが廊下のアクセントにもなっています。
些細なことに注意を向ける視点こそ、家づくりのレベルをあげるポイントだと久保さんは話します。
まずはどんな家にしたいのか、写真でもインスタグラムの投稿でもいいからアイデアを集めて、シミュレーションする。その上で、実際の設計に落とし込む際にはイメージをきちんと伝えつつ、設計士に細かなディテールのアイデアをもらう。久保さんの家づくりから、そんなアイデアを学ぶことができました。