![自分の好きを追求することが第一歩。 内装のプロ 渋谷南人さんの家づくりを大解剖](https://resumu-prod.s3.amazonaws.com/uploads/12/557e7b785df1d272209daa94cc510a9e713ad4e5.jpg)
家での過ごし方は千差万別。リビングやキッチンなど住環境へのこだわりは、人それぞれ変わってくるはずです。Doliveが以前訪れた住まいから、その人らしい家づくりを大解剖。そこから見えてくる、家づくりで真似したくなるアイデアを紹介します。今回は、「家づくりの方程式」で訪ねた渋谷さん宅から探してみましょう。
PLAN
窓から見える景色も大切に。
イメージを膨らませ、自由な発想でリノベーション
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住まいや店舗など空間づくりに必要な建材やパーツ、アイデアを提供する会社「toolbox」にて住宅やオフィスの設計・施工を担当する渋谷南人さんは、ヴィンテージマンションの一室をリノベーション。自ら図面を引いて、窓枠や床材、壁など既成のままにしがちなディテールを自分好みの仕様に変更をしました。
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窓からは遠く空が抜ける眺望が広がるこのお部屋。渋谷さんはこの「窓から見える景色」も内装の重要な要素だと考えます。そんな内装のプロである渋谷さんが最も大切にしているのは、住む人が気持ちいいかどうか。クライアントとの打ち合わせでも、好きなイメージを聞くことからスタートするといいます。
「仕事の場合、空間でもモノでもなんでもいいので、まず何が好きなのかを教えてもらいます。そこから膨らませてこちらの案を出していくというやり方をしています。こちらのエゴを押し付けることは決してしないし、そうしたところでいい空間はつくれないと思います」
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LIVING
“さりげないけど、なんか気が利いている”。
ディテールが積み重ねられた空間
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23畳ほどある広々としたリビングは、さまざまなテイストのオブジェやインテリアがずらり。家具や雑貨を選ぶときでも「著名なデザイナーものなど、どこかで見たことがあるようなものは基本的にイヤ」という渋谷さんですが、自身で設計した内装は、おおげさなところがなく、暮らしやすさを第一に考えたつくりになっています。
例えば、床材。リノリウムの一種、マーモリウムという、抗菌性、抗ウイルス性がある、病院や保育園などで使われている天然素材をチョイスしました。
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窓の方に目を向けると、そこには壁が。マンションの共有部分であるサッシは取り替えることができません。そこで、渋谷さんは部屋の内側に180mm厚程度の壁を作り、サッシが隠れるよう工夫。アルミサッシが見えないだけで、部屋の雰囲気は大きく変わります。
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窓の内側に作った壁は、床から少し高くすることで、腰掛けたり、小物を飾ったりできるスペースにもなります。
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床材のマーモリウムは、オフィスや施設向けの建材。抗菌性があるので、お子さんがハイハイしても安心です。
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リビングの一角にあるワークスペース。本棚のある壁側は、白ではなく微妙なベージュの壁色に。壁といえば白、という既成概念を取り払いたかったそう。
KITCHEN
長さは約5m。オーク材で作られた造作キッチン。
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タイルの壁面が清潔感を演出する、渋谷さん宅のキッチン。オーク材で作られたキッチンは、右隣に連続している収納やガスオーブン部分も含めるとなんと5mもの長さがあります。それでも圧迫感がないのもまた、ディテールによるもの。
「シンクやレンジ下の収納にはあえて扉を付けませんでした。鍋を取り出しやすいという機能性もありますが、すべて閉じてしまうと重苦しくなってしまうんです。また、ボリュームがあっても軽やかさが出るよう、脚を付けて床からちょっと浮かせています」
派手な仕掛けはないけれど、ディテールを積み重ねることで生まれる心地よさが、渋谷さん宅の特徴になっています。
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オーク材の造作キッチンは、収納部分には扉をつけずオープンに。また、脚を付けることで重苦しくならない工夫が施されています。
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掃き出し窓の内側にタイルの壁をつくることで、まるでキッチンの上に窓があるような設えに。