中島貴大さんPROFILE
ファッションスタイリストとして、さまざまなメンズ誌で活躍中。ウェアを主戦場にインテリアに関しての造詣も深く、昨今はインテリアスタイリストとしても、 活動の範疇を広げている。
キャンプブームが再燃する昨今、同じくして注目されるのはアウトドアギアを普段の生活にも取り入れたお洒落なリビングレイアウト。
Instagramなどでもアウトドアテーブルをラック代わりに使うなど、ステキにスタイリングされてる方も多いですよね。
しかし、どんなに興味があっても「実際にどんなギアを選べばいいの?」と、ビギナーには当然の疑問が…。
そこで今回Doliveでは、アウトドア業界に精通する人気スタイリスト中島貴大さん監修のもと“家でもキャンプでも活躍するシームレスなアウトドアギアたち”をご紹介します。
ファッションスタイリストとして、さまざまなメンズ誌で活躍中。ウェアを主戦場にインテリアに関しての造詣も深く、昨今はインテリアスタイリストとしても、 活動の範疇を広げている。
“キャンプに挑戦してみたい”という気持ちと並行して、おうち時間が増えている今だからこそ“買うなら家でも使えるもの”という両極端な願望がありまして……。こんなワガママ、実現可能なのでしょうか?
数年前から、一部ではあるもののアウトドア/インドア両方を想定したギアブランドはありましたし、自分も結構前からそのような企画や特集を何度も手掛けてきましたが、昨今の変わりゆくライフスタイルを受けて、改めて“家も使えるキャンプギア”はかなり注目されていますね。 実際、家での使用をターゲットにしたアウトドアギアも増えてきており、“家でもキャンプでも”という極端なワガママを叶えやすくなってきていると思います。
そうなんですね! では、短刀直入に聞きます。キャンプビギナーの私たちがまず選ぶべきアウトドアギアって、一体どういうものですか?
インフラが整わないキャンプ場において、必要になるギアは山ほど。ですが、“これからキャンプを始める””家でも使える”という2軸で考えると、まずはチェア、テーブル、収納ボックスといった基本的なギアから買い揃えるのをオススメします。
確かに。インフラの整う家でランタンがすぐ必要というのは今のところないかもしれません。でも、基本的なギアだからこそ商品は様々なブランドから出されていて、果たして何を選べばいいのやら……。これもまた、悩ましいポイントです。
そうですよね!では、実際にいくつかおすすめのキャンプギアを紹介しますので、せひ参考にしてみてください。
中島さん監修のもと、Doliveでは<チェア編><テーブル編><収納ボックス編>と3本立てでお届け!第一弾となる今回は、<チェア編>です。気になるアイテム、さっそく拝見といきましょう。
自宅でも活躍するアウトドアチェアとなると、やはりカーミットチェアは外せませんね。ご紹介するのは、背面と座面で異なる配色が採用されているマルチカラーモデルで、今年の新作。
どれも個性的な見た目ではありますが、フレームに天然木をあしらっているためインテリアとの相性は言うまでもなく、まさに“自宅でも活躍する”という言葉がふさわしい一脚ではないでしょうか。
カーミットチェアといえば、ロースタイルを好むキャンパーさんが愛用しているイメージです。実物をこうやって見てみても、座面高は低く、家で使うならダイニングというよりはリビングでくつろぐ時に重宝しそうですね。
確かに、カーミットチェアの座面高は約32cm。アウトドアチェアのカテゴリーとしては、ロースタイルに位置付けられるアイテムです。逆に、ハイスタイルとして定義づけられるチェアの座面高は40cmほど。ですので、リビングで使うならロースタイル、ダイニングならハイスタイルというように、シーンに合わせたチェア選びが重要になります。
ですが、オプションパーツ である「レッグエクステンションセット」を装着すれば、本来ロースタイル設計であるカーミットチェアもハイスタイルで使用可能。座面高が32cmから43cmに高くなるので、ダイニングでも問題なく活用できますよ。
用途に合わせて高さを変えられるのはイイですね!しかも、パーツ先端にラバーがあしらわれているので、フローリングを傷付ける心配もなさそうです。
今でこそ携帯性に優れたキャンプギアは多数存在するんですが、カーミットチェアが発売された当初、ここまでコンパクトに収納できるチェアはなかったと言われています。
バイク愛好家であった創始者の“ツーリング中に積載できるチェアを自分用に作りたい”という思いで始まったとされるカーミットチェア。それだけに、優れた携帯性に加え、軽量性&堅牢性を兼ね備えています。
フレームはすべてが分解でき、使わないときは場所をとらずコンパクトに保管。一見、扱いが難しそうな構造をしていますが、慣れてくれば1分ほどで組み立てられるので、“急な訪問客に椅子が足りない”というときにも重宝しますよ。
今季、全6色で展開中のカーミットチェア「ウォールナット マルチカラー」。単体での使用はもちろん、互い違いのバイカラーをセットで揃えたり、あえてバラバラという選択肢で個性を出するのも面白いのではないでしょうか。
カラー:レッド×フォレストグリーン/ネイビー×バーガンディ/ベージュ×ブラック
価格:オープン価格
問い合わせ:デイトナ・インナーナショナル AME事業部 TEL:03-3565-6914
コチラは、ネイティブアメリカンの伝統的な柄でお馴染みのペンドルトンとアディロンダックがコラボした「リラックス キャンパーズチェア」です。
同シリーズには「キャンパーズチェア」というモデルもあるんですが、今回はあえて“リラックス感”に特化したチェアをチョイスしました。
アディロンダックとは、アウトドアブランドA&Fカントリーのプライベートブランド。流行に左右されることのない普遍的なデザインが特徴で、また日本人の体型に合った絶妙なサイズ設計でも人気を博しています。
座面高が低いため安定感に優れ、さらに背面に若干の傾斜が取り入れているのでリラックス感ある座り心地。また、アーム部分が程よく湾曲しているため違和感なく肘にフィットし、長時間座っても疲れにくいのが特徴です。
今ではすっかり恒例にもなっているペンドルトン×アディロンダックのコラボなんですが、他ブランドを見ても意外と柄モノのチェアって少なくて。その点、このチェアは座面前後に華やかなペンドルトン柄があしらわれているので、キャンプサイトはもちろん、自宅で使用すれば部屋の雰囲気も一気に明るくなりますよ。
ペンドルトンといえば、ウールウェアやブランケットの印象が強いですが、チェアとしてはなんだか新鮮ですね!
収納時の大きさは、先ほどのカーミットチェアより大きいのですが、このように収束型のフレーム構造を採用しているので初心者の方も安心。アウトドアギアに不慣れでも、容易に扱えますよ。
束ねていても、さりげなく見えるペンドルトン柄がお洒落な雰囲気!あえて裸で収納するのもインテリアコーデのアクセントになって良さそうですね。
肩まですっぽり収まる、背の高さも魅力的な「リラックス キャンパーズチェア」。一度腰を下ろしたら離れられなくなるほど、抜群の座り心地を提供してくれます。
カラー:マウンテンマジェスティ/ツーソンターコイズ
価格:¥14,850
問い合わせ:エイアンドエフ TEL:03-3209-7575
次はインダストリアルな見た目がかっこいいバリスティクスのアイテムから紹介します。
見てもらえれば分かると思うのですが、バリスティクス「ロッキングローバー」の大きな特徴は地面に触れるフレームが弓状になっていること。そのため、前後の体重移動でゆらゆらと揺られながらのんびり座ることができるんです。
2002年の創立以来、ミリタリーやモーターサイクルといった男心くすぐる世界観が注目されているバリティクスのアイテムたち。なかでも今季の新作「ロッキング ローバー」はリリース後すぐに一時在庫切れになったほど注目度の高い商品です。
ヴィンテージのローバーチェアをベースに、いくつかの現行ブランドが復刻していますが、ロッキング仕様に昇華しているのはバリスティクスくらい。尚且つ、ヘッドレストを備えているのも他とは一線を画すディテールです。程よくクッション性の効いたヘッドレストなのでフレームに後頭部が干渉せず、心地良いんですよ。
ユーザーの痒いところにまで手の届く、機能的なチェアなんですね。でも、前後の体重移動が自然と増えるチェアだからこそ気になるのは耐久性。実際、どうなのでしょうか?
バリスティクスのアイテムは、素材の調達から加工、縫製、組み上げまで、すべての工程を日本で行っています。いわゆる、信頼と安心のMade in Japanです。ファブリックは耐久性や耐候性に優れたコーデュラナイロンが採用され、大柄な男性が座っても壊れる心配はありません。
ヴィンテージ好きな方からすると、マイナスネジを使っているのもグッとくるポイントではないでしょうか。
確かに! マイナスドライバー自体は持っていても、マイナスネジを回す機会ってよく考えたら今まで一回もなく……。
そうですよね。普段私たちがよく見るのはプラスネジ。60年代後半から主流になったと言われ、それまで使われていたマイナスネジがこうやって現行品に用いられることはまずないんです。
「ロッキング ローバー」は、70年代のUSA製ロッキングチェアを元にローバーチェアの意匠を載せて再設計しているので、細かなネジまで当時の雰囲気を限りなく再現。ニクい遊び心です。
カラー:オリーブ/コヨーテ
価格:¥43,780
問い合わせ:バリスティクス TEL::03-5766-5615
最後に紹介するのは、アウトプットライフの「スウィベルチェア」です。もともと、“家のモノを外に持ち出す”というのがコンセプトのアウトドアブランドなので、インテリアで活躍するというのは言わずもがな。座ったまま作業することが多いキャンプではもちろん、自宅ではただ回転するだけでも楽しく、アウトドアチェアとしては座面高が50cmと比較的高いためデスク用のチェアなんかにも最適です。
何やら複雑な構造に見えるのですが、もちろんアウトドアギアということですのでコンパクトに収納できるんですよね?
構造は至ってシンプルで、上下セパレート型。座部と脚部はワンアクションで接続・取り外しが可能で、複雑な手順は一切ありません。専用収納バッグに入れておけば、いつでも携帯可能です。
想像以上のコンパクトさですね!でも、先ほど同様フレームに負担のかかる設計なので、耐久性が気になるところ。購入してすぐ“壊れた”となりそうで正直不安です。
確かにそれは困りますよね。でも、この「スウィベルチェア」は耐荷重が約100kgまで対応するので、ちょっとやそっとで壊れる心配はなく、タフに活躍してくれます。
そして、こちらのチェアはこれまで紹介した3つのモデルと違い、吊り下げ式の座面。
シンプルながら、ハンモックに腰を下ろしているような優しい座り心地で、背もたれ部分にはウレタンパッドが内蔵されているため非常に快適です。アームレストは折り畳み式なので、シーンに合った使い方ができます。
キャンプチェアとしては珍しい、クルッと回転する「スウィベルチェア 」。座面高が高いので、立ったり座ったりするのも楽チンで、普段の生活もきっと楽しくなるはず。
価格: ¥13,200
問い合わせ:アウトプットライフ TEL::03-5577-3319
スノーピークの「Take!チェア」は、IN⇄OUTで兼用したいスマートな一脚。
スタイリッシュなフォルムが人気のスノーピーク「Take!チェア」は、使いやすさを求めた魅力溢れる一脚。汎用性の高いナチュラルなデザインが特徴なので、合わせる家具に左右されず、すんなり溶け込んでいます。
出典:Instagram by @freeman_0826
インダストリアルな空間には無機質で男前な「ローバーチェア」が好相性。
ヴィンテージライクな見た目が魅力的な「ローバーチェア」を取り入れた一例。もともと英軍の車載装備として使用されていた椅子がルーツなだけあって、コンクリート剥き出しのようなインダストリアルな空間と相性◎。
出典:Instagram by @322_ka
ギミック満載なアウトドアなチェアも周りの家具と同系色のものを選べば違和感なし。
開放的なリビングには、ゆったり寛げるチェアが欲しいところ。オンウェー「コンフォートローチェア」は、ヘッドレストを搭載したりとアウトドア要素強めですが、インテリアに馴染むカラーを選べば家使用も問題なし。
出典:Instagram by @nobo__interiors
今回ご紹介した、自宅でも活躍するシームレスなアウトドアチェア。もともと屋外での使用を想定した作りだけに、そもそものスペックは高く、実用性に優れたものばかり。マスターピースなアウトドアチェアから変わり種な一脚まで、どれも個性にあふれ、日々の暮らしにスパイスを加えてくれること間違いなしです。
※表示価格はすべて税込価格です。
Photo/山田裕之 Text/伊藤千尋(GGGC)