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家の中に小さな家!少女が建てた“aru HOUSE”があるおうち -前編-

DATE 2020.08.10 ようこそ私の家へ
小学6年生の女の子aruちゃんが暮らすaru HOUSEは、郊外マンションの光溢れるリビングの一角に建つ。aru HOUSEの誕生〜完成のエピソードや家族が暮らす家のリノベーション秘話を、aruちゃん親子に伺う
(左)aru HOUSE家主 aruちゃん

都内の小学校に通う小学6年生の女の子。4歳から始めたというバレエ教室に週4回のペースで通っている。フランス好きで、パリの街を散歩するのが夢。

(右)お母さん ヒロコさん

結婚と同時に、都内に今のワンフロアマンションを購入。美術系の大学を卒業後は空間デザイナーとして活躍し、その経験を家づくりにも活かしている。

バレリーナを夢見る小学6年生の女の子

「今ハマっているのが、『絢爛たるグランドセーヌ』っていうクラシックバレエの漫画。4歳からずっとバレエを習っていて、今日もレッスンがあるの」(aru ちゃん)

ニコニコと話すaruちゃんは、読書とバレエが好きな小学生の女の子。けれど、齢11歳にしてすでに一家の主というから驚き。aruちゃんが暮らすaru HOUSEは、広々としたワンルームマンションにちょこんと建っている。

「aruの家は6年前、小学校に入学するタイミングで建てました。それまではだだっ広い部屋になんとなくaruのスペースがあるという感じだったんですけど、ひとりで集中できる場所が必要だなと思って。マンションの部屋自体はおっきなワンルームだし、せっかくだから部屋を分けるんじゃなくてもう家を建てちゃおう!って」(ヒロコさん)

小さな家が建ち並んだような広々とした部屋

aruちゃん親子が仲良く暮らすワンフロアのマンションは、約15年前の結婚と同時に購入したのだという。

「自分たちでリノベーションしようっていうのは最初から決めていたから、築年数にこだわらず探していて。1カ月ぐらい経ってもしっくりこなかったところに、募集をかける前の物件があるから見に行く? と不動産屋さんに言われて内見したのがここなんです。
元の間取りは3LDKだったみたいで、ちょうど壊した後のスケルトンになった状態で見たんです。そういうだだっ広い空間を求めていたから、もうこのままください! って言って、すぐ買うことになりました」(ヒロコさん)

マンションの購入後は、費用を抑えるために、自ら様々な作業を買って出たという。

「まだ若くてそこまでお金をかけられなかったから、塗装ぐらいなら自分たちでなんとかできるかなと。夫婦ふたりとも美大を出ているので、結婚祝いも兼ねて、学生時代の友達が総勢20人ぐらいで入れ替わり立ち替わり塗ってくれたんです」(ヒロコさん)

また、独身時代に携わっていた空間デザイナーの経験を活かし、ヒロコさんご自身が毎日現場に入り、現場監督のようなことも請け負っていたのだそう。「図面は自分で描いてました。今思い返すとすごいですよね」と笑う。

それから4年後には、aruちゃんというかわいい家族が増えてライフスタイルも変化。その時どきの生活と好きなものに合わせて、必要なもの不必要なものも徐々に入れ替わり、今のような住まいになったのだそう。

「最初はシンプルに住んでたんです。自分たちの年齢や成長、収入とかに合わせて手を加えていけばいいかなと。この白い四角の扉は本当は食器棚なんですけど、東日本大震災からずっと必要性を感じていて最近作ったんですよ。古いイギリスのドアを使って、ここにちっちゃな部屋があるのかなって思わせてます。節目節目で変えていく感じですね」(ヒロコさん)

部屋の中は、シックなくすみピンクを基調に、ドアや小窓、おうちが建ち連なったようなカラフルな空間。まるで異国の小さな街に迷い込んだよう。

「いろんなところで家族がポツポツおのおの活動できて、空気が綺麗に家中に流れる広い空間がイメージです。あまりこのテイストにっていう風には寄せすぎないようにしています。
インテリアはパリの古い映画やチェコなどの東ヨーロッパの雰囲気が好きで。空間の作りは、部屋ごとに壁で区切るんじゃなく、ニューヨークやロンドンのSOHOみたいに、一つの部屋の中に複数のスペースがあるようにしたかったんです。結果、いろんな国のテイストが織り混ざったような空間になった気がします」(ヒロコさん)

家づくりへの参加も成長のための大切な機会

色彩溢れるリビングでひと際その存在感を放っているのが、前述のaru HOUSE。

「部屋というよりも、自分の城みたいに思ってもらいたくて。あなたが家主だからねって言ったら、作る時から責任感を持っていましたよ。工事中は毎日下校してすぐに、よし今日はなにやろう? って、積極的でした」(ヒロコさん)

職人さんと一緒に作業をするaruちゃん。 撮影:ヒロコさん

職人さんの隣で一緒に色を塗ったり、間取りのアイデアを出したり。aruちゃんを筆頭に家族全員が作業に携わり、工事の一週間はまるでクラブ活動を行なっているかのような充実した時間だったそう。

「自分たちのなかでイメージを固めてから打ち合わせをしたからスムーズでした。なんとなく、外国の家の庭にあるちっちゃい道具入れみたいな」

あと、決めたのは素材感とサイズ感。板のテイストを具体的に職人さんに伝えてイメージを詰めていったんです。あまり天井を低くすると身長ついちゃうからある程度の高さはないと、とか。一応6年生ぐらいの身長を目安に」(ヒロコさん)

aruちゃんらしさに彩られた空間

家が完成した後は、片付けや収納の本を積極的に読んだり、自分でサイズを測って棚を買いに行ったり、居心地のいいおうちづくりに励んでいるのだそう。ディスプレイもお得意で、入って左側の棚には大好きなバレエグッズを中心に、トゥシューズやバレリーナのオブジェといった宝物が並べられている。

「大好きな漫画の横にはバレエの発表会のDVDがあるの、7年分。バレリーナのスノードームは、サンタさんにもらったプレゼント。4歳のクリスマスの時にもらった」(aruちゃん)

aru HOUSE正面壁に飾られたお花のリースにも、aruちゃんの想いが宿る。

「毎年バレエの発表会では、花束の代わりにスワッグとかリースとかをプレゼントしていて。飾って朽ちてきたら、次の年のを飾るんです。日持ちする花をオーダーして、自分でドライにしています」(ヒロコさん)

自分の人生を謳歌しているaruちゃんを少しだけ離れた場所から優しく見守り、どんな時もひとりの人間として接してきたというヒロコさん。幼い頃から子どもの意思を尊重する子育てスタイルが、aruちゃんの自立を促し、心の成長に繋がったに違いない。 後編では、aru HOUSEでの生活や家づくりのポイントについて、家主であるaruちゃんから詳しく話を伺う。

Photography/原田数正 Text/白﨑寛子