SHIORIさん プロフィール
レシピ本『作ってあげたい彼ごはん』など著書累計400万部を超える。和食をはじめ世界 各国で学んだ家庭料理を得意とし、代官山のキッチンスタジオで料理教室『L'atelier de SHIORI』を主宰。中目黑に100%VEGANでサステナブルなファラフェルスタンド『Ballon』を経営する。Instagram はこちら(@shiorigohan)
レシピ本『作ってあげたい彼ごはん』など著書累計400万部を超える。和食をはじめ世界 各国で学んだ家庭料理を得意とし、代官山のキッチンスタジオで料理教室『L'atelier de SHIORI』を主宰。中目黑に100%VEGANでサステナブルなファラフェルスタンド『Ballon』を経営する。Instagram はこちら(@shiorigohan)
「わたしが料理家を目指したのは、短大を卒業した20歳の頃。高校生のときに付き合っていた彼にお弁当をつくったらとても喜んでくれて、その経験をもとに『彼ごはん』の構想が生まれたんです。
当時(今から12、13年前)は若い子向けの料理本すらなかった時代ですが、同世代の子たちにも好きな人にごはんをつくるってこんなに楽しいんだよということを知ってほしいと思って。
料理家として活動を続ける現在も、根底にあるのはおいしい料理で好きな人を喜ばせたいという思いですね」
「旅が大好きで、いろんな国に行って食べたもの、見たものからインスピレーションを受けています。ライフワークとして現地で料理を学ぶ旅を⻑年続けているのですが、とにかくいろんな手段で、料理を習得することが目的で。
イタリアでは寮付きの料理学校へ、フランスではアパートを借りて料理学校に通いました。学校に通う以外にも、空いた時間に現地の料理教室に行ってみたり、ホームステイ先の料理上手なお母さんに料理を学んだりもしてました。
ホテル暮らしでは学べないことがたくさんあり、旅を通して得た経験は今に活きています」
そんなSHIORIさんがフルリノベーションした住まいは、やっぱりキッチンが一番のこだわりだそう。気になるキッチン周りの前に、まずは旦那さんと一緒につくりあげたという、リビングのこだわりについて聞いた。
家探しの際に重視していたのは、リビングの広さと日当たりのよさだと語るSHIORIさん。その言葉の通り、リビングに足を踏み入れると見晴らしがよく、明るく心地の良い空間が広がる。
「前の家に住んでいたときから、次に住むところはリノベーションをしようと決めてました。私自身、新しいものや無機質なもの、オリジナリティがないものにあまり興味がないので、経年劣化を楽しめるような、育てていける家が理想でした」
「全体のコンセプトがあったわけではなく、部屋には自分が好きなものだけを集めています。例えば床は、パリの家のようにヘリンボーンがいいなと思っていたのですが、偶然にもこの家の床もヘリンボーンで。そのままだと理想のイメージと少し違ったので、もとの素材を活かしつつ、何層か削って数回に分けて色を入れて、好みの色と風合いに仕上げました」
「天井はコンクリートにしたかったというよりは、天井を上げられるところまであげた結果むき出しになって、このままでもいいかなという感じ。いずれ、気分が変わったら塗ったり張ったりすると思います!もともとは二部屋だったところを一部屋にしているので、広いスペースを確保できました」
「住んで変わったことは、とにかく日当たりがいいので日中家にいたくなることですね。たまに休みがあって、昼間家にいると幸せを感じます。あとは、テラスがとても広いので、ごはんを食べたり、バーベキューをしたり、テントを張ってお昼寝をしたり......。そういう楽しみ方は増えましたね。夫は夕暮れ時にテラスでお酒を飲んだりして、リラックスしています」
「家具は海外で見て気に入ったものを日本で見つけて買い揃えたものが多いですね。部屋全体のことを考えて買うというよりも、心から気に入ったものを揃えていくタイプなので、結果、多国籍な感じに。テーブルと椅子はイギリスのG-PLANのアンティーク、布はモロッコ、テーブルはインドのものです」
「それ以外にも、イームズのチェアは10年くらい前から仕事で頑張ったご褒美として買い集めていて、全部で10脚くらい持ってます!」
「住まいでアップデートしていきたい場所はまだまだたくさんあります。リノベーションはやりだしたらキリがなくて、理想を積み重ねていくとびっくりするくらい予算が上がってしまいますよね。だからこそ予算をしっかり決めて、一度に全部やろうと思わずに住みながら少しずつ手を入れていきたいと思っています。
あとは、私も主人も友達を招くのが好きなので、キッチンが中心となって、人が集まるような家にしたくて。だからキッチンは家の顔にしたかったということと、私の仕事柄、一番こだわりのある部分でもあるので、予算を割いてフルスペックでつくりました。それ以外の部分は極力シンプルにしてあります。
住まいは自分のライフスタイルに応じて、変化していくもの。理想の場所へと『育てていく』 という感覚に近いのかもしれませんね」
photography/上原未嗣 text/堀江由利子