柴田 紗希さん
古着店flower名古屋店のおしゃれスタッフとして注目を集め、「mer」をはじめ数々の女性誌のカバーや誌面を賑わす人気モデルとして活躍。愛称は“しばさき”。
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古着店flower名古屋店のおしゃれスタッフとして注目を集め、「mer」をはじめ数々の女性誌のカバーや誌面を賑わす人気モデルとして活躍。愛称は“しばさき”。
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「普段は旅のお仕事が多くて、ここ2〜3年ぐらいはぜったい月1回はどこかの地域に行ったり、海外に行ったりの生活でした。去年の秋は、いろんなところに行きすぎて、家にいることがほとんどなかったですね」
と話す柴田さん。今回の自粛生活で、おうちで快適に過ごすことの大切さに気づくことができたのだそう。
「よくひとりで家具を移動してるんです。半年に1回とかですかね、あー変えよう! みたいな。なので、この自粛期間中もお部屋づくり熱が高まってしまって、頻繁に模様替えをしてます。気分を変えてみたいなって思ったら、家具の位置を変えたりして」
その勢いはますます加速して、思い切って断捨離を決行。大きな袋が17個もできて、お部屋も気持ちもスッキリ。そして、理想の住まいを叶えるためにお買い物も。
「グリーンを買いました。あと、今まで飾ったことがなかったんですけど、置いてみようと思って、絵を2点。カーテンも、オーガニックコットン系に変えました。おこもり中にずっと欲しいなーって思っていて、明けてから見に行きました。自粛期間でインテリアの趣向も少し変わりましたね」
今の自分に不要なものを処分し、必要だと思うものだけを選りすぐって買い集める毎日。おうち作りが進むのと比例して、ひとりで過ごす時間もどんどん充実していったのだそう。
「読書をゆったりしてみたり。古い雑誌を買ったり、文庫本とかを読んだり。そういう家の中での楽しみ方を結構知ることができた。
今まではずっと家にいたいとか思わなかったんですよ。なるべくみんなでワイワイするとか、旅に出たりとか。初めて、家に帰りたいなーって思えるようになって、それは自分の中ではすごく新しいです。おこもり生活が、自分の時間に向き合うきっかけになった」
自粛期間中に一番変化したことは、料理をするようになったことだと話す。
「食事を作るようになったんですよ。器が好きなのに、今まで家ではあまり作らなくて。やっと食器の出番だ! と思って(笑) これからもますます増えそう。今はガラスの器が欲しくって」
キッチンにずらりと並べられた器の中には、旅先での思い出が詰まったものも。
「旅先でも、惹かれる食器を見つけたら買っちゃう。福岡の焼き物とか、神戸の作家さんが作ったものとか、めちゃめちゃあります。手作り感があるものが好きなのかも。きれいっていうより、あったかみのあるもの。人の手の温もりを感じたり、月日が刻まれているようなもの」
愛しい器に料理を盛り付け、美味しくいただく贅沢な時間。今とにかくハマっているのが、土鍋で炊いたほかほかのご飯で作るおにぎり。おにぎりスタンドを営む友人から、佐賀のブランド米〝さがびより〟をおすすめされてからというもの、すっかりその美味しさのトリコになってしまったのだとか。
「今回の自粛生活で、遠くに住む友人たちが地元の美味しいものを送ってくれたんです。それらを具にしたりして、ひたすらおにぎりを握っています。〝さがびより〟と最近福岡から届いた海苔の佃煮の相性はバッチリです!」
さらに、畑仕事を始めたことも、柴田さんの料理熱が高まった理由のひとつ。
「最近、畑仲間と畑に行ってて。朝7時半に車で迎えに来てくれて、郊外の畑に行くんです。有機でやってる。とにかく野菜に興味があって、ちょっと前にオーガニックアドバイザーの資格を取ったんです。将来的には、田舎に住んで有機の畑をやりたいな」
自身とゆっくり向き合うことができる時間の中で、おぼろげに見え始めた幸せのカタチ。幼少期を自然の中で過ごした柴田さんにとって、大地と繋がる穏やかな田舎生活はとても魅力的に映るようだ。
「ちっちゃい時から田舎がいいなって思ってます。今も、旅に行く中で思いますね。やっぱり自然とともに生きる人生はいい。
仕事をしたい時は、ずっと東京にいるだろうけど。東京は、仕事する場所ですね。夢に近くて、すごくわくわくする場所ではあるけど、ずっと過ごそうとは思ってなくて。いつかは自然がある場所に帰りたいなって思ってます」
Photography/原田数正 Text/白﨑寛子